医療・健康・長寿 医学研究がサイエンスフィクションの世界へ突入している
生物医学研究の分野で、人間の体を根本から変える革新的な遺伝子編集治療の臨床試験が進行している。イーライリリー社が開発した「Verve 102」は、体内の遺伝子を直接書き換えて悪玉コレステロールを劇的に減少させるインビボ塩基編集治療である。わずか35人を対象とした初期の試験ながら、1回の点滴でコレステロール値を最大62%低下させ、その効果が長期間持続するという驚異的な結果が示された。生涯にわたる心臓病のリスクを激減させる可能性を秘める一方、元に戻せない遺伝子改変の長期的な安全性や、治療から予防、さらには身体強化へと向かう医療の倫理的境界線について、重大な問いを投げかけている。