
16,390 文字

ここはジャクソンや。アメリカ南西部の小さな町やねん。この小さな家の壁の向こうに、予想外の病気が潜んでるんや。今やアメリカ中に広がってる病気がな。
「誰か、ガス…そうや、晩ご飯にしよ。後で晩ご飯食べて、それで全部ええやろ」
この男性はな、国民の9300万人に影響を与えてる病気に苦しんでるんや。肥満やねん。34歳のケイシー・キングは現在220キロもあるんや。彼によると、ファストフードの犠牲者なんやて。
「ええやん。あかんわ、俺の…」
「ジャクソンに住んでるんやけど、ほんまに小さな町でな。マクドナルドがあって、バーガーキングがあって、タコベルがあって、KFCがあって、ピザハットがあって、サブウェイがあって、リトルシーザーズがあって…ドミノ・ピザもあったかな。フライドチキン屋もあるんやけど、ちょっとしたもんやけど、うまいねん。家族経営みたいな感じやけど。ほんま、ファストフード店がめちゃくちゃあるわ。健康的な食事ができる店なんて、ほとんどないわ」
長年の悪い食生活で、ケイシーの体は限界まで追い込まれてもうてんねん。
「ほら、ええやん。ほら、ええやん。ほら、ええやん。そやそや、頑張れ」
シャワーを浴びるのも、ケイシーにとっては大変な作業なんや。
「ほんまに皮がたるんでて、ぶら下がってるんや。肉がたるんでぶら下がってる感じやねん。冗談で、溶けたアイスクリームみたいやって言うてるわ。ほんまに体から垂れ下がってるみたいやねん」
統計を見ると驚くで。平均的な女性は77キロで身長157センチ。男性は170センチで91キロやねん。国民の36%が肥満で、大統領自身もそうや。
数ヶ月前、ドナルド・トランプの主治医は公式に彼を肥満と分類したんや。明らかにファストフードを愛してる結果やな。2019年1月、アメリカンフットボールチームを称えて、トランプはホワイトハウスでの歓迎会に1000個のハンバーガーを注文したんやで。
「ビッグマックもあるし、チーズクォーターパウンダーもあるし、俺の好きなもの全部あるんや。お前らの好きなもんもな。これ以上のもんはないやろ?」
アメリカの歴史上、これほど国民が太ったことはないねん。
ラスベガスに行って、世界で最もカロリーの高いハンバーガーを専門とするファストフード店のウェイトレス、リッキーに密着するで。
ケイシー・キングが、病的に肥満であることがどういうことかを教えてくれるわ。
家族思いのアレックスが、手術で体重を落とそうとする姿を追うで。
アリゾナの寄宿学校を訪ねて、生徒の減量を手伝う専門家たちの様子を見るんや。
最後に、最近アメリカで起こってきた新しいボディポジティブ運動を探るで。
ニューヨークでは、写真家のカリタとブロガーのアネットが、肥満に対する新しい見方を見せてくれるわ。
そして最後に、ロサンゼルスで太った女性だけの美人コンテストを見学するんや。この女性たちは自分の肥満を受け入れて、それを隠そうとせえへんのや。でも、それにはどんな代償があるんやろか。
ようこそ、ラスベガスへ。
毎年4200万人の観光客が、有名なストリップ通りに押し寄せてくるんや。カジノ、ホテル、ナイトクラブ、そしてもちろんファストフード店を求めてな。ダウンタウンだけでも40軒もあるで。エンターテイメントとジャンクフードの都やねん。
車で数分のところに、ラスベガスの労働者の大半が住んでる地域があるんや。
「おはよう」
「おはよう、坊や」
「おはよう」
リッキー・オガワは、市内最大のファストフード店の一つでウェイトレスをしてるんや。この30歳のアメリカ人は、夫と2歳の息子と暮らしてるんやけど、リッキーの仕事にもかかわらず、家にはハンバーガーは一つもないんや。実際、まったく逆やねん。
「豆で作ったんや。すごくヘルシーなんよ。小麦粉も、トウモロコシも、加工された砂糖も入ってへん。ただのヘルシーなもんやねん」
「ケールのシェイクやで。亜麻仁の種とチアシードを入れて、それから果物も入れてるんや。一日の穀物を取れるようにしてるんよ。野菜を飲ませる方が、食べさせるより簡単やからな」
毎日ソーダとハンバーガーを出してるからこそ、リッキーは自分の家からそれらを追放してるんや。理由はもっともやで。彼女が働いてる店は、まさにジャンクフードの代表格やねんから。
「果物もたくさん入ってるで」
リッキーは毎朝1時間かけて準備するんや。ウェイトレスの制服は、ギミックのある看護師の衣装やねん。
「ナースリッキーに変身する準備をしてるんや。仕事場では確かに役を演じてるわ。楽しいよ」
「化粧もすごいやろ?バーガーCAみたいなもんやねん。ただ『はい、お食事です。楽しんでください』じゃなくて、もっと体験を重視してるんや。ただのハンバーガー屋さんじゃないからな」
マスカラ、グリッター、リップスティック、そしてぴったりとしたドレス。これだけでリッキーは看護師に変身するんや。でも、ここで処方されるのは薬やあらへん。ハートアタックグリルでは、患者さんにハンバーガー、フライドポテト、ソーダなどが処方されるんやで。
世界でここだけの特別な場所や。太った人のための店なんや。
座る前に、客は巨大な体重計に乗らなあかんのや。太ってれば太いほどええんやで。
158キロ以上あれば、ハンバーガーとポテトが無料になるんや。
この客は181キロあるから、食べ放題が無料になるんや。
量がめちゃくちゃ多いねんけど、常連さんにとっては4段重ねのバーガーを食べるのも簡単なことやねん。
「前回来た時は4段重ねのバイパスバーガーを頼んだんやけど、すごくおいしかったわ」
リッキーは砂糖と脂肪の多い飲み物しか売らへんし、健康的な野菜なんて一切見当たらへんのや。
「水は炭酸飲料と同じ値段やねん。水を飲んでほしくないからな。バーガーから嫌いなものは何でも抜けるけど、追加できるのはベーコンだけや。緑のものは一切ないで。レタスも、ピクルスも、アボカドもな。健康的すぎるからな」
「チリチーズフライを少し分けてもらおうか。ダブルとシングルやな」
「思ってたより大きいわ。食べきれるかな」
巨大なハンバーガー、大量の脂肪と砂糖。このコンセプトを考えたのは、自称ドクター・ジョンというアメリカ人や。
「ドクター・ジョンです。皆さんに必要なことを全て教えますよ。まずは手術の準備をしましょう。スタッフが病院用のガウンを着せてくれますからね」
ここでは全てが健康に害を及ぼすように設計されてるんや。喫煙は推奨されてるし、カクテルは薬の容器で出されるし、ワインは点滴のように注がれるんやで。
このファストフード店は、2005年以来拒食症を治してきたって主張してるんや。
「完璧や、お尻を突き出して」
食べ残したら、店の前に引っ張り出されて、みんなの前で尻たたきを食らうんやで。
「左側だけやで、左側だけ」
「ありがとう、ベイビー」
簡単に言えば、このファストフード店では肥満が王様なんや。
これは効果的なギミックやな。この店は1日に650人以上の客を集めて、年間500万ドルの売り上げを上げてるんや。
「言うたやろ、愛撫やなくて尻たたきやって。バーガーをちゃんと食べ切らなあかんで」
料理から尻たたきまで、ここではすべてがショーなんや。ハートアタックグリルの目玉は、世界で最もカロリーが高いバーガーやねん。
オクトバーガーや。8段のハンバーガーパティを積み上げた巨大な塔で、作るのに25分もかかるんや。
全体で3キロもあるねん。この肉の怪物には2万キロカロリーも含まれてる。これは1週間分の食事に相当するんやで。
「3キロや。めっちゃでかいな」
「ほら、約束した大きなバーガーやで。見てみ」
「どこから食べ始めたらええんやろ」
多くの人と同じように、この男性もオクトバーガーを食べきれへんやろうな。だから、食べ残したことで尻たたきを食らうことになるんや。
アメリカのファストフードは今や非常に不健康で、エンターテイメントにもなってるんや。
結果として、アメリカには1億1600万人の太り過ぎの人がおって、多くの人が健康を危険にさらしてるんや。
アトランタ、ジョージア州。世界最大のソフトドリンクブランドの発祥地やな。
ジョージア州には5000を超えるファストフード店があって、州の肥満率は32%近くにもなるんや。
近くのジャクソンという町では、ジャンクフードから逃れるのは大変な挑戦やねん。
この地域には娯楽がほとんどないんや。選択肢は近くの湖で釣りをするか、たくさんあるファストフード店のどれかを利用するかしかないんやで。
ケイシー・キングのところに戻ろう。彼はずっとここで父親と暮らしてるんや。
「ここに写真があるんやけど、2歳か3歳くらいの時やな」
「かわいいやんか」
「ありがとう」
「生まれた時は3.6キロあったんや。小さかったことなんてないな。ずっと健康そのものやったんや」
ケイシーが急激に体重を増やし始めたのは、足首を重傷した後やねん。何週間もベッドで過ごして、朝昼晩ファストフードばっかり食べてたんや。
「フットロングのサンドイッチ丸ごと、ピザ、フライドチキン、そんな感じやな。一番簡単で早く手に入るもんばっかりやったんや。でも、一つじゃなくて二つ食べるんや。マクドナルドのハンバーガー2個とかな。ひどかったけど、もっとひどくなったんや。食欲がでかすぎて、悪いもんばっかりたくさん食べてたんや。何か行動を起こせたかもしれんけど、どうしたらええかわからんかったんや」
「ただ息子を幸せにしたかっただけやねん。息子も幸せになりたかっただけで、食べ物はいつも幸せにしてくれるもんやったんや」
父親も、海兵隊員の兄も肥満やないんや。ケイシーの体重問題は、完全に彼の悪い食生活が原因なんやね。
33歳の時、ケイシーは記録的な体重318キロに達したんや。
「死ぬまで食べ続けるつもりやったんやろな」
「普通の日はこんな感じや。昼頃に起きて、すぐに食べるもんを考える。テレビ見て、ゲームして、寝る。あんまり活動的やないな」
この時点で、ケイシーはリアリティTV番組「ファミリー・バイ・ザ・トン」に出演することになったんや。この映像は、彼が病的に肥満やった頃のもんやな。
番組のプロデューサーは彼に取引を持ちかけたんや。番組に参加するなら、11万ドルの手術費用を払ってくれるって。
「318キロから213キロになるのは奇妙な感じやな。まだ1年も経ってへんのに。なんかすごいわ」
今では週3回スポーツセンターに通って、やっと自立できるようになったんや。
「気をつけてな」
「ああ、気をつけるわ。めっちゃ気をつけるで」
「7年間運転せえへんかったんや。また運転し始めてまだ1、2ヶ月くらいやな。あらゆる面で父親に頼ってたんや。時には難しかったな。行けへんかった結婚式がたくさんあったし、友達に子供ができても会いに行けへんかった。それに、自分があまりにも変わってしもうて、自分に誇りを持てへんかったからな。人と話すときはいつも、『何食べてんの?』『痩せるのに何してんの?』って話になってた。『体重以外の話をしてくれへんか』って思ってた。人間らしさを感じられへんかったんや。なんか…動物園の動物みたいやったな」
でも、急激な減量はいろんな問題を引き起こすんや。前は体重に合わせて皮膚が伸びてたけど、今は体重が減って皮膚が余ってしもてるんやな。唯一の解決策は手術やけど、ケイシーには手術費用を払う余裕がないんや。
水泳は彼ができる数少ない活動の一つやな。
「弾力性が足りへんのや。この皮膚がもとに戻ることはあらへん。切り取らん限りこのままやな。これとこれは直せるし、安い方法でなんとかなるけど、これとこれは全部切り取らなあかんやろな」
「やあ、元気か?」
「ええよ。5月から106キロ痩せたんや」
「ただのデブって見られるんやなくて、いいことで注目されるのはええ気分やな。痩せようとしてるデブとして見てもらえるんや」
「ほんまに誇りに思うで」
「ありがとう、うれしいわ」
「食生活を変えなあかんのはわかってるんやけどな」
「簡単やないよな」
「ほんまそうや」
「ほとんどの人が、俺に会ったら何か前向きなことを言ってくれるんや。俺に動機づけられたとか、番組で人生が変わったとか、自分の間違いに気づいたとか、インスピレーションを受けたって。これは人生を変えるチャンスやったんや。だから、何も俺を止められへんかったんや」
今日、ケイシーは別のリアリティ番組のチャンスを期待してるんや。去年、彼を含む23万人以上のアメリカ人が減量手術を受けたんやで。これは5年前の2万9千人から30%も増えてるんや。
今日、アレックス・ペレスも同じ選択をしようとしてるんや。
「こんにちは」
「やあ、アレックスです」
「アレックスさん、よろしく」
アレックスは136キロあるんや。まだ40歳やのに、60歳の人の健康問題を抱えてるんやで。高血圧、睡眠時無呼吸症、呼吸器や筋肉の障害。これら全部が太り過ぎが原因なんや。
胃の縮小手術が最後の望みやねん。
「こんなに太ったことはないんや」
妻のジャスミンが、この方法を取るよう説得したんやで。彼女も以前は肥満やったけど、2年前に手術を受けたんや。
「私も136キロに近づいてたんやけど、もう快適やないって感じたんや。今の彼もそんな感じやと思う。息子とキャンプに行っても、ついていけへんのよ。息子は70キロで元気いっぱいやからな。とても追いつけへん。普通の父親がすることができへんのや。だからもう十分や。準備はできてる」
「調子はどうですか?」
「どれくらい痩せましたか?」
「うーん、32キロくらいかな」
「32キロ!すごいですね」
このマイアミのクリニックの肥満専門医は、チョイ医師や。4000件以上もこの手術を行ってきたんやで。
これは急速な減量のための新しい技術で、運動も特別な食事制限も必要ないんや。胃を小さくすることで、少量の食事でも満足感を得られるようになるんやね。
「身長と体重を教えてください」
「178センチで135キロです」
「完璧な体重ですね。お腹を通して手術しますから、傷跡が目立たなくなりますよ」
「ペレスさん、私の仕事は胃の70〜80%を切除することです。なんでそんなに多く取り除くんだって思われるでしょう。バナナみたいな形にするんです。ここにグレリンというホルモンがあるんですが、これを取り除くと患者さんは空腹感を感じなくなるんです。そうすれば、胃が小さくなって少ない食事量で満足できるようになるんです」
「ありがとうございます、チョイ先生」
「こちらこそ、ありがとうございます。これを一緒にやらせていただいて」
「彼の助けにもなりますからね」
手術の前に、アレックスは3日間断食しなければならないんや。でも、それは手術費用の11000ドルに比べたら大したことないな。健康保険は一切カバーしてくれへんのや。
夫婦は借金をして、毎月返済していくことにしたんやで。アレックスには他に選択肢がないと感じてるんや。
過去3年間で45キロ以上太ってしもたからな。
「これは家族の写真やね。結婚式の時のやで。見てわかるように、俺はもっと痩せてて、彼女の方が太ってた。彼女が手術を受けて痩せた時に、俺が太ってしもたんや。自分をほったらかしにして、怠けて、間違った食べ方をして、間違った時間に食べてた。アメリカの仕事スケジュールはめちゃくちゃ忙しくて、家に帰ってきて食べて、疲れ果てて横になって、普通は寝てしまうんや」
もう10日間、アレックスは固形物を口にしてへんのや。すごくつらい段階やけど、手術に向けて体を準備するには必要なことなんや。
「前は家に帰ってきてこのマカロニチーズを食べてたんやけど、今は手術に向けて家に帰ってきて水を一杯飲んで、これを溶かして混ぜるんや。牛肉の味がするから、何か食べてる気分になれるんやけど、実際は液体やねんな」
今夜が胃全体がある最後の夜や。明日の手術で、彼の人生は永遠に変わるんやで。
肥満はアメリカの誰にでも影響を与えてるんや。これには10代の若者も含まれてて、全国で約1400万人おるんやで。
フェニックス、アリゾナ州。人口160万人。ここでは3人に1人の大人が肥満なんや。
アリゾナの砂漠の真ん中、サボテンと山々に囲まれたスコッツデールに、去年新しいタイプのブートキャンプができたんや。豪邸のような4つ星のアカデミーやねん。
ここは13歳から18歳の女の子だけのための施設なんや。最低4ヶ月の滞在で、費用は3万1000ドルもかかるんやで。
「毎朝、週7日、2.4キロ歩いて戻ってくるんや。計算したら週に33.6キロになるんやで。日の出を見ながら歩くのはええ時間やな。確かに生産的な気分になれるわ」
ここの女の子たちは厳しい規則に従わなあかんのや。朝食は9時で、監視されてるんやで。
「ありがとう。期末試験があるんや」
「食べるものと、そのカロリー、タンパク質、炭水化物、脂肪の量を全部書き出すんや。食べた後に記録して、全ての食事を追跡するんやで。毎食後にこれをして、最後に全部合計するんや」
スタッフの栄養士、リンジーが各食事のカロリーを計算するんやで。
「これはピーナッツバター代用品や。カロリーが少し少ないんやで」
この学校では、食事の後にどれくらい満腹感を感じるかを5段階で表す尺度を作ったんや。これは食欲を抑えるのが目的やねん。
「5段階のうち5やな。もう一個フルーツを食べたら6になるやろ」
「普通は食事で6を目指すんや。ほぼ満足したけど、まだちょっと空腹感があるって感じやね。6を目指したいから、もう一個オレンジを食べるわ」
彼女たちは空腹感と付き合って生きることを学んでるんや。
ケイは18歳のテキサス出身や。この学校に入った時は109キロあったけど、今では20キロ近く痩せたんやで。
ケイはこの減量をリンジーのおかげやと思ってるんや。リンジーは生徒たちに健康的な食習慣を教えてるんやで。
今日のリンジーの栄養クラスでは、塩分の多い食べ物の危険性に焦点を当ててるんや。ナトリウムの摂り過ぎは血圧の問題や水分貯留につながる可能性があるからな。
「みんな、今日はナトリウムについて少し話すで。推奨量はどれくらいやと思う?」
「1000?」
「そうやな、一般的にアメリカ人全体で見ると、1日約2300ミリグラムって言われてるんや。家で食べるもの、外食、レストランで食べるものを見てみて、前に見た栄養成分表示を思い出してみてな。好きな食べ物のナトリウム量を調べてみよう」
「チキフィレイを調べたんやけど、一番好きなメニューが一番ナトリウムが高かったわ」
「いつも思ってるより高いんやな。カロリーは450くらいで、炭水化物も脂肪も、ここで普段食べてるものより少し多いんやけど、ナトリウムもかなり高いんや」
「私の好きな料理は照り焼きチキン丼なんやけど、ナトリウム量を調べたらめちゃくちゃ高かったわ」
「多分、食べ物に何が入ってるかとか、カロリーがどれくらいかとか、知らなかっただけやと思う。何を食べてるか意識してなかったんやな。だから、意識することが今やってることの大きな部分やと思うわ」
「なんで私たちはナトリウムが好きなんやと思う?」
「味を引き立てるからやな」
栄養の授業以外にも、ケイと友達はオンラインで通常の授業も5時間受けてるんや。
「全部終わって戻ってきたで」
「昨日何かあった?チェックしたけど」
「スピーチは?」
「それもやで。読んで、メモを取ろうと思ってる」
「そうやな、絶対やって」
午後3時半。学校の一日が終わったら、料理のレッスンの時間や。週に2回、女の子たちは家に帰っても簡単に作れるバランスの取れた食事の作り方を学ぶんやで。
「あかん、ちょっと指をやけどしてもうた」
今日のメニューはカリフラワーベースのフムスやけど、授業の内容は様々で、新しい食材を紹介することも目的の一つやねん。
「うちのお母さんは家であんまり料理せえへんのや。たまにするときはパスタくらいやな。早いからな。でもここでの料理は楽しいわ。ここに来るまで料理なんて考えたこともなかったけど、今では2日に1回くらいはするようになったんや」
「前はめっちゃ食べてたし、ほんまによくなかったんや。家に帰ってきて、すごく気分が悪くなることがあってな。そんな気分は好きやないわ」
「塩を少し入れてもええ?」
「もうちょっと長く調理するわ。少し柔らかくなるからな」
でも、それだけやないんや。減量を促進するために、女の子たちは毎日1時間の必須の体育トレーニングがあるんやで。
今日は全身を使う1時間の高強度ワークアウトや。音楽に合わせてやるんやで。
「スクワットはどこに効くと思う?」
「お尻!」
「そうや、ブーティや!」
「皆さん、確実に上達してますよ」
「うちの母さんは、これを肥満キャンプとか減量キャンプって呼んでたけど、全然違うんや。ただ運動して、野菜食べて、運動するだけやないねん。女の子たちはもっとたくさんのことをしてるんや。これはただの一部分やねん」
「いろんな種類のフィットネスをやろうとしてるんや。高強度インターバルトレーニングとか、ズンバとか、スポーツとかな」
「じゃあ、こうやって逆さまに持って、胸骨に当てるんや。いいね、吸って…そして思いっきり息を吐き出すんや」
「最初に来た時よりずっと楽になったわ。筋肉もついてきたのがわかるし」
「目標は、減量に必要な体力をつけて、健康を維持し、自分の体を大切にする方法を教えることやねん」
「ええ感じやで。今、本当に楽しんでるわ。運動するのが大好きになったんや。達成感があるからな」
今夜、学校は10代の子たちに特別なサプライズを用意してるんや。何週間ぶりかで町に出かけられるんやで。
これらの若者たちにとって、自分のアイデンティティを探している時期に必要な休息やねん。
「ありがとう」
「歌手になりたいから、大学で音楽を勉強するつもりなんや。パフォーミングアーツでの自信を高めるためにここに来たんやで。音楽が大好きやからな。ステージに立つ時、今までみたいに気にすることがなくなるから、自信のレベルが全然違うと思うわ」
減量を目指すために、これらの女の子たちは家族や友達と離れ、人生の時間を割いてるんや。もはや体重だけで自分を定義したくないんやな。
アレックスのところに戻ろう。ついに大きな日が来たんや。胃の3分の2を取り除く手術を受けるんやで。
「息子は今朝出かけたんや。大丈夫やから落ち着いてって言うたんやけどな」
手術を目前にして、アレックスは不安を感じてるけど、それ以上に3日間の断食で疲れ果ててるんや。
「人生で初めての大きな手術やねん」
病院では、家族の何人かと親友のジョージが彼を支えに来てるんやで。
「準備はええか?」
「もうやるしかないな」
「そうやな、これを取り除かなあかんのや」
「ほんまに、俺がここにおるのは大事なんや。目覚めた時にちょっかいかけて、目の前でジューシーなもん食べたりできるからな。いや、そんなことせえへんけどな」
「今夜、ロブスターのテールは食べられへんの?」
「もうすぐ会えるで。バイバイ」
チョイ医師は今日、アレックスと同じような手術を5件も行うんやで。全部肥満の患者さんやねん。アレックスが最初の患者や。
「じゃあ、いくつか質問させてもらうで。知っておくべき病歴はある?」
「ないです」
「以前に手術を受けたことは?」
「ないです。初めてです」
「質問はある?」
「後で痛むんですか?」
「痛みを感じるかもしれんな。でも心配せんでええ。術後の痛み止めはちゃんと用意しとくから」
「リラックスして。全部うまくいくから」
「ちゃんと面倒見るからな」
アレックスは落ち着こうと努力してるけど、幸いジャスミンが側にいてくれるんや。
「わくわくしてる?準備はええ?」
「ああ、準備はええ」
「お母さんに電話したか?」
「笑顔やで」
「ええ昼寝ができるな」
手術は全身麻酔で行われるんや。手術まであと1時間で、鎮静剤のせいでもう眠くなってきてるんやな。
「めまいがしてきた」
「それは薬が効いてきてるからや」
アレックスが1時間後に目覚めたら、胃の大部分がなくなってるんやで。
「5分くらい酸素吸入するで。寝る前にゆっくり呼吸してな」
「全ての手術にはリスクと合併症があるけど、それは手術前に説明したとおりや。出血、胃液の漏れ、腸閉塞なんかが起こる可能性があるんやけど、これは患者さんが減量のためにリスクを取る覚悟をしてるんやな」
「平均して月に4.5〜7キロくらい痩せられて、1年で36〜41キロくらい落とせる可能性があるんや」
「これで彼の人生は完全に変わるで。まったく違う人間になったように感じるやろうな」
「正式に始まったんや。新しい人生のスタートやな。その変化が楽しみやわ」
「ちょっと不安やけどな」
チョイ医師がアレックスの胃の手術を始めたんや。
まず、カメラを入れるための切開をするんやで。手術はスクリーンを見ながら行われるんやな。
外科医は2つの手術器具を使ってアレックスの胃を切除していくんや。ここで見えるのは、アレックスの腹部の中でクランプとはさみを操作してる様子やな。
1時間半後、手術は終わったんや。
「調子はどうや?」
「ええですよ」
「全部うまくいったで。テストもしたし、問題なかったわ」
「息子には負けへんくらいでかい胃やったな」
「そうやな。食べるのは得意やったみたいやけど」
「3皿は平気で平らげてたわ」
「ほんまによく食べてたんやな。でもこれからはそうはいかへんで」
「ありがとうございます」
「こちらこそ」
2日後、アレックスはもう歩き始めてるんやで。
「思ってたより痛いわ」
「そうか、これを試してみるか」
「甘すぎるな」
「味覚が完全に変わるんや。前は甘くなかったものが、今はめっちゃ甘く感じるんやで」
「痛むのはわかってたけど、こんなに痛いとは思わんかったわ」
痛みのせいで自由に動けへんのや。ベッドに横になれへんし、ちょっとした動きでも胃に痛みが走るんやで。
「最初の数日はこんな感じやけど、だんだん良くなっていくで」
息子のドノバンが手術後初めて会いに来たんやで。
「昨日より良くなったか?」
「ああ、疲れたけどな」
「胃はここにあるだけやな。ここにあった胃の全部をここから取り出したんや」
「このまま続けてたら、10年で死んでたやろうな。これで息子が大学を卒業して、立派な大人になるまで一緒におれるんや。息子のためにやったんやで」
胃切除手術はアメリカでますます一般的になってきてるんや。2017年には13万5000人がこの手術を受けたんやで。5年前は2万9000人しかおらんかったのに比べると、めっちゃ増えてるんやな。
アメリカ人の中には減量のために手術を選ぶ人もおるけど、別の動きも出てきてるんや。痛みを伴う手術や流行のダイエット、10代の子のためのブートキャンプを拒否する動きやねん。
それがボディポジティブ革命や。体型に関係なく、自分の体に誇りを持つことを奨励する運動なんやで。
「みんな、こんにちは」
「国際女性デーおめでとう」
このニューヨークのパーティーに参加してる人たちは、女性を祝福してるんや。特に、自分の体を愛し、受け入れてる女性たちをな。
国際女性旅行フェスティバルの開会式やねん。世界中を旅する参加者の中で、アネット・リッチモンドのチームが大きな注目を集めてるんや。
このアメリカ人女性たちは、太ってることに恥じたり問題があるわけやないってことを証明するためにここに来たんやで。むしろその逆やねん。
アネットはボディポジティビティを自分の使命にして、それを仕事にまでしてるんや。
「太った人が旅をする姿を見せることで、他の太った人たちに旅をする勇気を与えたいんや。簡単やないけどな。普通の体型の人は気にせんようなことでも、太った人は考えたり対処したりせなあかんことがあるんや。でも、それでも旅する価値は十分にあるってことを示したいんやな」
アネットは肥満の人たちの認知度を上げるために闘ってるんや。国内のいくつかの航空会社は今、肥満の人に2つの座席分の料金を払わせるようになってるんやで。彼女はこの不当な扱いと戦おうとしてるんやな。
アネット・リッチモンドは、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる人やねん。もともとカリフォルニア出身で、ソーシャルメディアのコンテンツを作るために旅をしてるんや。
彼女のブログには特定のフォロワーがいるんやで。ボディポジティブ運動のファンたちやねん。
「インスタグラムのフォロワーは2万人近くおるんや。ニューヨークみたいに大きなボディポジティブのコミュニティがどこにでもあるわけやないからな。ここにはたくさんのイベントがあるんやで」
彼女のブログ「ファットガールズトラベリング」は、このコミュニティを代表するものなんや。何百人もの太った女性たちが、世界中を旅する自分たちの写真を投稿してるんやで。
ボディポジティビティはアメリカでますます人気が出てきてるんや。あらゆる面で自分の体に誇りを持つっていう考え方やねん。
「プラスサイズの受け入れが世界中で広がってきてるんや。だから、自分の体に自信を持てる人が増えてきてるんやな。世界中で人々が太ってきてるっていうのもあるけどな」
去年の夏、彼女は太った人のためのボディポジティブな肥満キャンプを作ったんや。太った人たちが他人の目を気にせずに体を見せられる休暇の場所やねん。
これがめちゃくちゃ成功して、彼女のチームはもう次のキャンプを計画し始めてるんやで。
「みなさん、ミートアップへようこそ」
ここにいる全員が、体重のせいでじろじろ見られた経験があるんや。全員が活動家になって、世間の意見を変えようとしてるんやな。
「私は太ってるんや。人々が『あなたは美しい』って言うのを覚えてるけど、『私は太っててて美しい』って言うんや。太ってて、賢くて、背が高くて、巻き毛なんやって。大きな体で生きることを恥じるのはもうたくさんや。ばかげてるわ」
「痩せるためなら死んでもええって思ってたわ。100%そう思ってた。体重を落とせるんやったら、がんでもウェルカムやったんや。高校の時、モノ(伝染性単核球症)にかかった子が2週間で7キロ痩せたのを覚えてるわ。『ああ、モノになりたいなあ』って思ってた。2週間で7キロ痩せるなんて夢みたいやって」
「8歳の頃からヨーヨーダイエットをしてへんかったら、今よりも痩せてたと思うわ。代謝のせいでな。たぶんずっと大きめやったと思うけど、人生のほとんどをヨーヨーダイエットせえへんかったら、今より小さかったと思うわ」
でも、彼女らのメッセージや態度は、みんなに受け入れられるわけやあらへんのや。多くの医者がこの運動に反対してて、若い人たちが肥満の危険性を軽視することになるんやないかって心配してるんや。
「昨日何があったん?」
「ああ、神様」
「『肥満を推奨してる』って何回言われたか知ってる?水着の写真を投稿するたびにな。でも結局のところ、肥満を推奨してるんやあらへん。ただ、どんなサイズや体型でも自分の肌に心地よく感じることを推奨してるだけやねん」
「みんな、写真撮ろう。1、2、はい」
今日はファットガールズトラベリングにとって大切な日なんや。他の人たちと同じように旅行することがどれだけ大変かについて話すんやで。
「こんにちは」
このフェスティバルは6年前に始まったんや。旅行界で影響力のある女性たちをつなぐことが目的なんやね。今年は初めて、太った人たちが直面する問題について話すために招待されたんや。
今まさに体験してる問題みたいなもんやな。舞台は5人の細い人用に設計されてるんや。アネットのチーム5人が乗るには単純に場所が足りへんのやで。
「5人のプラスサイズの女性がおるんやけど、あの舞台にどうやって5人とも乗れるんやろ?大きな体の人には、もっと空間が必要やってことを考えてへんかったんやな。これがまさに、私たちがここにおる理由なんや。私たちはプラスサイズの女性で、もう少し空間が必要なんやで」
「ケリー、ありがとう。みんなで舞台に上がるわ。準備はええ?わくわくする?」
アネットとチームには、観客を啓発してボディポジティビティを広める45分間がある。
「太ってる人の旅行は、ちょっと怖いかもしれへん。飛行機や
バスで追加のスペースや座席ベルトの延長を頼まなあかんのが、人を怖がらせるんや。だから、ファットガールズトラベリングを作った目的は、ちょっと物事を変えることやねん。でも同時に、そのスティグマを取り除くことも目的なんや。太ってるからって、醜いとか、怠け者とか、愛されへんってわけやあらへん。ただ単に、あなたより体に脂肪が多いってだけのことやで」
「ありがとう」
「すごかったで。よくやったわ」
「ありがとう。あんたもよかったで」
アメリカでは、ボディポジティビティ運動が反撃し始めてるんや。
今夜、ロサンゼルスのバウンスっていうナイトクラブでは、太ってる人しかダンスできへんのや。そして、体型を隠す服は禁止されてるんやで。
今夜はシングルナイトやねん。必ずしも肥満やない男性たちが、太った女性たちと出会いに来てるんや。
司会者はリサ・マリー・ガルボや。ナイトクラブ界のアイコン的存在で、プラスサイズのクラブナイトの専門家なんやで。
「前は控えめな服装をしてた人たちが、クラブBに来たらセクシーな服装ができるってわかってるのを見るのは、ほんまにええもんやわ」
ボディポジティビティはお金も稼ぐんやで。このクラブの毎回のパーティーで、チケット販売だけで4500ドルくらい稼げるんやって。
これらの女性たち、そして3500万人ものアメリカの太った人たちが、今や体にぴったりしたセクシーな服を着る勇気を持ち始めてるんや。そして、長年スリムさを理想としてきたファッション業界の壁が崩れ始めてるんやで。
去年、太ったモデルのテス・ホリデイがコスモポリタン誌の表紙を飾ったんや。ファッション雑誌の歴史で初めてのことやったんやで。
そして、ニューヨークでは、ある写真家が業界の常識をさらに打ち破ろうとしてるんや。
「素晴らしい。ほんまええ感じや」
写真スタジオで、カリタは太った女性たちにスポットライトを当ててるんや。今日は展示会のための撮影をしてるんやで。テーマは「曲線美のある女性たち」やねん。
「まあ、すごい。あごを少し上げて。あんたは私のヒーローやわ」
「大好きや。ほんまに大好き」
「プラスサイズのコミュニティは成長してるんや。ファッションプロジェクトも、もう小さなものやあらへん。今は大きなことの時代なんや。大きなプロジェクトの時代やで」
モデルたちは世界中からカリタのスタジオにやって来るんや。
「こんにちは、ソフィーです」
「アドリアンよ。はじめまして」
ソフィー・ターナーは67万人以上のフォロワーがいて、アメリカですごく人気があるんや。3年前からプラスサイズのモデルをしてるんやで。
「私の出身地のスコットランドじゃ、こんなのないんや。人々は笑うだけやし、モデル市場もほとんどないんやで。ロンドンにも行ってみたけど、ニューヨークの方が成功できたわ。ここが一番いい場所やと感じたんや」
「インターネットを揺るがす必要があるんや。ファッションを揺るがし、モデル界を揺るがす必要があるんやで。ちょっと退屈になってきたからな」
「こんな感じでやってみて。1、2、3」
「フランスの女王マリーみたいやな」
カリタのような人のおかげで、アメリカでの太った女性の見方が変わりつつあるんや。肥満でも美人コンテストの女王になれるんやで。
そんな美人コンテストの女王に、カリフォルニア州エスコンディードの小さな町で会ったんや。
34歳のジェニファー・グティエレスは、プラスサイズの女性のためのミス・エスコンディードコンテストで優勝したんやで。
身長165センチ、体重127キロ。タイトルは「ミス・エスコンディード・プラス2019」やねん。
今日、彼女の家では大きな試合の日なんや。他の9800万人のアメリカ人と同じように、ジェニファーと家族はスーパーボウルを見てるんやで。
「アメリカでは、スーパーボウルは最大のイベントの一つなんや。ヨーロッパのワールドカップみたいなもんやな。ヨーロッパのワールドカップがどんなもんかは知らんけど、きっとそんな感じやろ。食べ物、家族、友達が集まって、みんな熱狂するんや。普通はみんな飲んで大騒ぎするけど、うちは子供がおるからな」
「スーパーボウルパーティーをするなら、チキンウィングは必須やで。アメリカの大きな伝統やねん。チップスも。子供たちが食べ過ぎんように上の方に置いたんやけど、放っておいたらチップスだけで生きていきそうやわ。デビルドエッグも。どんなイベントでもデビルドエッグは欠かせへんのや」
ジェニファーにとって、カロリーは問題やあらへん。むしろ、太ってることで彼女のイメージが良くなってるんやで。太ってるおかげでミス・プラスに選ばれたんやからな。
「すごく誇りに思うわ、ベイビー」
「ありがとう、パパ」
でも今、ジェニファーの夢はミス・プラス・アメリカになることやねん。これは太った女性のための国内最大の美人コンテストなんや。
でもまず、カリフォルニア州のタイトルを獲得せなあかんのやで。
ロサンゼルスでの集中トレーニングプログラムで、候補者たちはコンテストに向けて準備をするんや。
ついにジェニファーは競争相手と会うことになったんやで。
「こんにちは。現役のミス・カリフォルニア・プラスです。はじめまして」
「はじめまして」
「みんなと初めて会うんや。初日の学校みたいにドキドキするわ。白いシャツ着てきたし」
1日は何回かの写真撮影から始まるんや。これが候補者たちがお互いを値踏みする一番ええ方法なんやで。
「準備はええ?1、2、3」
「すごいわ。ゴージャスや」
「ありがとう」
「どういたしまして」
「このクラウンを見て。もう勝者みたいやわ」
「私の本では、もう勝者なんや。『プラスサイズのミス・エスコンディードがおるんや』って言う人に会うたら、『そう、普通のミス・エスコンディードやけど、ドーナツ食べられるんや』って言うんや。最高の世界やで」
「ばかなやつら。誰も見たくないわ」
「舞台を歩いてる時に、揺れてるのが見えるんや。揺れてる」
太ってるからって、自分をほったらかしにしていいってわけやあらへんのや。候補者たちは、どんな犠牲を払ってでもセクシーでいなあかんのやで。
「これでええ感じにスムーズになるんや。歩いてる時に、揺れへんようになるんやで」
「これを外した時に『ああ、やっと呼吸できる』って感じるくらい、不快でなきゃあかんのや」
「ドレスを着た時に、ええ感じに見えるか見えへんかの違いは、これで決まるんやで」
今日の予定の最後は振り付けやねん。女性たちは数週間かけてこのダンスの練習をするんやで。
「笑顔で」
「ダンスの部分が怖いわ。私、左足が2本あるみたいなもんやからな。唯一怖いのはダンスの部分やわ。どうなるか、幸運を祈ってるわ」
朝8時、ロサンゼルス近郊のアナハイム。今日、新しいミス・カリフォルニア・プラスが選ばれるんや。
ジェニファーはほとんど眠れへんかったんやけど、もう長年の夢を掴むための準備を始めてるんやで。
「全国大会に行きたいわ。今日、最高賞を取れたらすごいやろうな。できるかどうかわからんけど」
夫のフランクが支えになるために一緒におるんやで。
「みんな準備ええ?」
「ああ、セットアップできたで」
候補者たちは、子供の頃からの夢を叶えるチャンスを高めるために、衣装やアクセサリーに何千ドルも使ってるんやで。
「ほら、これ見て」
「ああ、ありがとう」
「メイクアップ」
「触らんとこ」
ショータイムまであと数分というところで、コンテストのディレクター、シェリル・ルーが入ってきて、みんなに幸運を祈るんや。
緊張が高まってくるんやで。
「正直な気持ちを10個、痩せた男の子に愛されることについて。よし、服を着るわ」
2019年のミス・カリフォルニア・プラス・アメリカのタイトルを獲得したのは…ジェニファー・グティエレスです!
「ありがとうございます」
ジェニファーの次の目標は、7月の全国大会やねん。
この成功は、ボディポジティビティ運動なしでは絶対に不可能やったんやで。
体の受容は、国民の40%が太り過ぎの国で、何百万人ものアメリカ人に希望の光を与えてるんや。
一つの解決策は、ありのままの自分を愛することやねん。


コメント