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今、ウチらは192号線西アーロー通りにおるんや。この道はディズニーランドとかシーワールドに続いとるんよ。ここら辺は仕事見つけるんがめっちゃ早かったわ。いろんな会社があって、どこも人手不足やからな。
運命がゲルマニアをこのフロリダのハイウェイに連れてきたんや。192号線沿いで、ウチらはゲルマニアの平凡な日常と出会った。不況後、何百万人ものアメリカ人が送っとる生活と同じようなもんやな。
ウチはダブルクォーターパウンダーとプレーンなチーズバーガー頼んだわ。27ドル86セントやね。
不況以降、900万の仕事が生まれたんや。ゲルマニアのとこみたいなファストフード店、国内2番目に大きな雇用主やからな。
仕事はあるって言うけど、給料が安すぎるんよ。二つ目の仕事探さなアカンわ。最低賃金の仕事ばっかりや。おはようございます。ダンキンドーナツへようこそ。
つまり、アメリカ人はこれまで以上に働いとるってことやな。パートの仕事を掛け持ちして、週70時間、よう7日間働いとる。
ミディアムサイズのホットコーヒーかアイスティーですね。良い一日を。
今は2つの仕事なんてなんでもないわ。3つでもできるけど、そしたら絶対寝られへんやろうな。
この手は、アメリカ経済をフル稼働させるために働く手や。経済を立て直すのに貢献した労働者らは、今でもその恩恵を受けられへんのや。
毎日が闘いや。今日はどうやって乗り切ろう、食べ物買うお金どうしよう、子供らの夕飯どうしよう、って感じやわ。ありがとうございます。
毎日が人生の新しい章や。成功物語やな。アメリカの驚異的な経済回復の物語や。危機から8年経って、政治家も企業も、この話を繰り返し言うとる。統計もそれを裏付けとるみたいやしな。
世界のリーダーが自国の経済を救ったんや。これはアメリカの中産階級に関する連載シリーズの続きやで。
これまでに無いほど多くの仕事が生まれ、これまでに無いほど企業が巨額の利益を上げとる。アメリカンドリームが戻ってきたはずやのに、それはどんな代償を払っとるんやろか。
多くの経済指標が、この国が上向いとるって示しとる。民間部門で73ヶ月連続で雇用が増えとる。これはめっちゃすごいことやで。この国の不況はとっくに終わって、経済は回復したんや。
せやけど、なんでまだこんなに苦しいんやろか。
回復してから、フロリダ州は最も大きな打撃を受けた州の一つやけど、100万以上の仕事を生み出したんや。ゲルマニアの仕事みたいな、この多国籍ファストフードチェーンの仕事をな。
ゲルマニアはここで夜勤してる。週37時間で、月900ドルくらいやな。
疲れたわ。イライラするし頭も痛いし、気分悪いわ。普通はもっと早く帰るんやけどな。普通4時に帰るんやけど、あいつら「これ終わらせてや」「あれもせなアカン」って言うてくるんや。たくさんの仕事を押し付けてくる。あいつら本当に気にしてへんみたいや。
夜勤本当に嫌やわ。普通の時間帯やったら、時給8ドル50セントくらいで始められたと思うけど、お金が本当に必要やったから、「よっしゃ、夜勤やったるわ」って。9ドル5セントもらえるんやったら、我慢したるわって。50セント多いだけやけどな。
高すぎる代償を払っとるわ。睡眠不足やし、疲れすぎて食欲もないし。家に帰ってどうやって部屋代払うか考えるのに必死やからな。
今夜、ゲルマニアは寝る時間すらないんや。朝6時やのに、もう出かける時間や。
くそ、遅刻や。バスに乗れんかったらヤバいわ。終わりのない一日の2つ目のパートや。
マクドナルドを出てから2時間くらいかな。これから次の仕事に行くとこや。
たった4ヶ月前、ゲルマニアは北の方のレストランでシフト主任やったんや。でも、よくある話やけど、別れてまた一からやり直そうと思ったんや。
南に来る前に、本当によく考えたわ。4、5ヶ月くらい考えて。「新しいスタートが必要や」って。真っ白な紙みたいに、全部やり直すんや。低賃金の仕事からでもいいから、また頂点まで戻るつもりやった。それが今やっとることやな。
新しいスタートのために、ゲルマニアはフロリダを選んだんや。この道の先にはディズニーランド・オーランドがあって、毎年1億人の観光客が来るんや。この地域と州を完全雇用に導いとるんやな。
若い頃、ゲルマニアには別の夢があったんや。小児科医になりたかったんやって。
こんにちは、いらっしゃいませ。
今はコーヒーを出しとる。
小さいコーヒー、ミルク入りを1つ。ハムエッグチーズか、ハムチーズだけですか?ハムチーズだけで、卵なしですね。
ウチの仕事全部好きやで。どの仕事でも100%コミットしとる。これは始まりに過ぎんと思っとるわ。いつかはステップアップできると信じとる。
55セントのおつりです。はい、1ドルと2ドルです。
5、6年くらいで自分を立て直して、「よっしゃ、ええ仕事についてる。車も持ってるし、家もあるし、子供らも幸せで大きくなってる」って言えるようになりたいな。そのくらいの時間をかけたいと思っとる。6年くらいやな。
不況から約6年、アメリカは900万の仕事を作り出したって自画自賛しとるけど、少なくともその半分は質素で低賃金の仕事やねん。アメリカで貧困から抜け出すには時給15ドル稼がなアカンのに、ゲルマニアは8ドルしか稼いでへんのや。
最初はようけお金くれるけど、昇給するのに6ヶ月とか8ヶ月かかるんや。それも10セントくらいの上がり方やからな。結局のところ、働いても何も稼げへんって感じやわ。最低賃金しかもらえへんからな。
利益を増やすために、大手企業はさらに限界を押し広げとる。時間を小分けにして、シフトを細切れにしとるんや。ゲルマニアの上司も隠そうとしてへん。
うちには福利厚生があるよ。健康保険もあるけど、フルタイムの人しか適用されへんのよ。
最近の会社はパートタイムをどんどん増やしとるんやな。
そうやな。この新しい健康保険プランができてから、多くの雇用主がパートタイムで雇うようになったわ。福利厚生の支払いを避けるためやな。競争が激しいからな。でも結局は政治の問題よ。市場の法則やからね。
そう、不安定で、パートタイムで、低賃金の仕事。これがアメリカの経済の奇跡の裏に隠れた現実なんや。
この現実が、今や労働者の2人に1人を貧困に陥れとるんや。今日のアメリカの中産階級は消えかかっとる。代わりにワーキングプアが増えとる。アメリカの3家族に1家族が影響を受けとるんやで。
ディズニーへの道沿いには、安いモーテルがあって、アパートを借りられへん労働者でいっぱいなんや。この通りだけで1700家族が暮らしとるんやで。
18時間の仕事を終えて、完全に疲れ果てたゲルマニアは、やっとナイツインってモーテルに戻れるんや。部屋代は月850ドルくらい。給料の4分の3やな。
ナイツインに泊まっとるのは、アパートの敷金を貯めるお金が足りへんからや。
モーテル暮らしってどんな感じ?全然楽しくないわ。
キスとハグして、それからドーナツとキスをあげるね。
これは息子のペドロ・フェルナンデス。4歳や。これは義理の母のマリリン。これがナイツインの部屋や。私のベッドと娘のベッドやね。
モーテルにこんなに長く住むことになるとは思ってへんかったわ。もっと早く何か見つかると思ってたけど、そうはならんかったんや。
ゲルマニアには、3つ目の仕事、つまり母親としての仕事をする時間が数時間しかないんや。
これ、開けたり閉めたりするのがめっちゃ大変なんよ。開けて、子供らの学校の服を出して、その日着る服を出して。めっちゃ段取りが必要やわ。
お風呂の時間やで。
マリリンはゲルマニアの元夫の母親や。北部の町を離れて、15平方メートルの部屋で、普通の生活を送っとるかのような錯覚を保つために手伝いに来たんや。ゲルマニアが仕事に行っとる間、3人の子供の面倒を見とるんやな。
pee pee、トイレ行っといで。
できるだけ快適にしようと努力しとるんや。ここが今のところ、ちっちゃな家やって。子供らは時々納得してくれるけど、時々そうじゃないときもあるわ。
でもなんで?よく聞かれる質問やな。孫娘がよく聞くんや。なんで全部が99セントじゃないの?って。少なくとも99セントなら高くないって分かるからな。
なんとかやっていかなアカンのや。
座りなさい。座りなさい。座りなさい。
チーズが欲しい人は?ペパロニが欲しい人は?
ペパロニ!
チーズとペパロニが欲しいわ。
よっしゃ、まずは1切れずつにしよか。それを食べ終わったら、もう1切れあげるわ。大きな器がないからな。
美味しいやろ?
ピザは本当にカードに残ってた数ドルで買ったんや。子供らがピザ食べたいって言うから、「よっしゃ、ピザ買おう」って。今はもうお金ないけど、少なくとも子供らは何か食べられたからな。
今、手元にいくら残っとるんやろ。8ドルくらいかな。そうやな、今は8ドルくらいしかないわ。
なんで空はあんなに遠いの?なんでそんなに遠いんやろうな。ウチにも分からへんわ。ウチも分からへん。
さあ、寝かせるで。お話して、布団かけてあげるわ。靴履いて外に出るわ。みんな寝てる間にな。
はい、大きな赤ちゃん。愛してるで。愛してるよ。ウチのほうがもっと愛しとるわ。
休憩は短かったわ。ゲルマニアは1日4時間しか子供らと過ごせへんのや。
ゲルマニアはユニークな人や。こんな人に会ったことないわ。簡単には諦めへん人やね。
子供らと過ごす時間がほとんどないのが辛いわ。自由を奪われとるみたいや。睡眠時間は1時間か2時間くらいしかないのに、また仕事に行かなアカンのやからな。まだ25歳やのに。
長いこと、このシステムにはまってしまうんやないかと思うわ。常に働かなアカンことになるやろうしな。
みんなが言うアメリカンドリームなんて、ウチから見たらくだらんもんやわ。全部嘘やと思うわ。金持ちをもっと金持ちにして、不幸な人らをもっと働かせるためのもんやと思うわ。本当に頑張って働いとる人らのお金を減らして、自分らのポケットにもっと入れたいだけやねん。
公平じゃないわ。アメリカンドリームなんて見つからへんわ。
アメリカの労働者は、危機から抜け出したけど、以前よりもっと脆弱で貧しくなってしもたんや。やっと生活していくために、いつも以上に長時間働かなアカンようになってしもたんや。
仕事を見つけるために、多くの人が国内で最も繁栄してる都市に移動しとるんや。シアトルはその一つやな。
これ、XYファクトリーのひび割れから聞こえてくるささやき声やで。感覚がコーヒーみたいやな。
これがジョーや。39歳で、養う家族がおるんや。朝5時、彼は新しい街を発見しとるところや。新しい始まりやな。今日が仕事初日や。どんな仕事か見てみようと思っとるんや。
ジョーはつい最近カリフォルニアから来たんや。建設作業員やけど、ここは国内で4番目に物価の高い街や。新しいビルがどんどん建ってる。ここの経済は絶好調やからな。
シアトルの経済は、他のところと比べたらかなり良好やね。だからこそ、多くの人がここに集まってきとるんや。経済が実際に成長しとるところに人が集まってくるんや。
ウチも経済難民みたいなもんやと思うわ。多くの人がそうやと思う。崩壊以来、みんな移動して適応せなアカンようになったんやな。お金のあるところに行かなアカンのや。少なくともチャンスはあるからな。
街の反対側では、7歳のアンバー、ジョーの娘が、これから住むことになる新しい家を見つけたんや。チェリー柄のパジャマを着て、ちょっと圧倒されとるみたいやな。
キャンプ場なんや。街に取り残された人らの住処やねん。
これがママのや。これがウチの家族や。あそこに見えるやろ。
アンバーは小さな女の子やけど、両親が仕事を探しに行くたびに、あっちこっち引っ張り回されとるんや。アンバーは学校を変わることになる。シアトルではまだ入学してへんのや。待ってる間に友達を作っとるわ。
手、冷たくない?大丈夫?
チェルシー、アンバーのお母さんは、街の中心部でレジ打ちをしとるんや。フルタイムで働いて、月に1300ドルくらい稼いでるわ。
仕事に行く前に、一番下の子アトリアのミルクを準備せなアカンのや。
そう、トイレは…仮設トイレがあるんや。
本当に最悪やわ。40人か50人くらいで共同で使わなアカンからな。人生でこんなことになるとは思ってへんかったわ。
残ってたお金をモーテル代に使い果たしてもうた後、ジョーの家族には他に選択肢がなかったんや。この教会の駐車場に来るしかなかったんやな。
大丈夫、大丈夫。
心配やわ。こんな生活したくないし、子供らにもこんな思いさせたくないんや。こんな状況になるなんて想像もしてへんかったわ。
初めてこんな経験するんや。今までは大金持ちやったのに、今はこんなありさまや。本当に困ったことになってもうたわ。
シアトルでは500家族がこういった一時的なキャンプ場で暮らしとるんや。市が黙認しとるんやけどな。給料が低すぎて、物価の高くなった街に住めへん人らを収容しとるんや。
これらの人々は、不況の影響を最も強く受けた人らや。そして、立ち直ることができへんかった人らなんや。
路上生活を送る家族、道端で過ごす子供時代。これが経済回復の陰に隠れた顔なんや。裕福なはずのアメリカが語りたがらん物語やな。
世界一金持ちの国で、100万人以上の子供らがホームレスなんや。経済危機の前の2倍もおるんやで。
2時間かけて、バスや徒歩で移動して、仕事を見つける最後のチャンスに賭けとるんや。ジョーは希望を持ち続けようとしとるわ。この朝の最後の望みは、このドアの向こうにあるんや。ここで市内の建設現場の日雇い仕事が提供されとるんやな。
もう終わりや。終わってもうた。ちゃんとした仕事見つけなアカンわ。これじゃダメや。
今朝は3人しか送り出さへんかったって。まだ中におる奴、怒っとるわ。
自分にむかついとるわ。もっと早く起きるべきやったな。10分寝過ごしてもうた。これからは朝4時くらいに起きて、5時半くらいにはここに来なアカンな。そしたら仕事に行けるかもしれんし、行けへんかもしれんし。毎日そうやな。ほぼ毎日や。
どんな仕事でも受けるつもりや。今はシャベル仕事でもええわ。
多分北に向かうべきやな。
日銭で暮らすこの労働者らにとって、財政的な破綻への転落は目まぐるしいもんやわ。
ほら、食べたらアカンで。ちょっと臭いけど、ちょっと待ってな。
アレーノは昔、アメリカンドリームを手に入れかけたんや。
見てみ。パパや。おじさんも見てみ。もう一人のおじさんも。
彼の音楽ビデオがアメリカのテレビで繰り返し流れとった頃やな。曲名は「Be Number One」やった。
ヘイ、オー、オー、オー。ウチがそうや。
アメリカってそういうとこやねん。上がったり下がったりする。最高の瞬間もあれば、最も厳しい瞬間もある。でも大事なんは、自分らしくおることと、諦めんことやねん。止まったらアカンのや。
ウチから見たら、アメリカは金持ち向けの遊び場みたいなもんやと思うわ。偉い人らと付き合うことあるけど、そういう人らに会うと、ウチらとは全然違う考え方しとるのが分かるんや。「指をパチンと鳴らせば何でもできる」みたいな感じやねん。
全部金持ちのためのもんやと思うわ。彼らの利益のためやねん。貧乏人をいじめとるわけやないけど、見下しとるんは確かやな。
以前は上の立場にいた人間が今はこんな状況になってみると、「あの時、ウチもあの人を見下しとったんかな」って気づくもんやな。
ほら、靴下や。靴下。そんなことしたらアカンで、お嬢ちゃん。
アメリカ人であることを誇りに思う?
ウチ?ああ、そうやな。
なんでや?
ふーん、なんでやろな。アメリカやからかな。まだアメリカやし。ウチらの光は少し暗くなったかもしれんけど…分からんな。アメリカか。ああ、難しい質問やな。
ウチはまだアメリカ人であることを誇りに思っとるで。言葉にするのが難しくなったけどな。今はあんまり誇れることがないんやけど…ワオ、本当に難しいな。
ウチの血に流れとるんやと思うわ。ここで生まれて、家族もアメリカが国になる前からここにおったからな。今のアメリカの多くのことには誇りを持てへんけど、完全に誇りを失ったわけやないんや。
国を愛しとるし、国のために死ぬこともできる。でも、今のままやったらアカンな。変わらなアカンのや。
貧乏人がもっと貧乏になるのは、金持ちがもっとお金が欲しいからやねん。もっともっと欲しがるんや。それはええと思うで。金持ちに対して何も言うつもりはないし、すごいことやと思うわ。でも限度ってもんがあるやろ。
ウチは一度も貧乏人から仕事をもらったことがないんや。一度もないねん。でも、やり過ぎたらアカンのや。ちょっと戻さなアカンと思う。
見てみ。国内で最も裕福な都市の一つやのに、こんなことが起こっとるんや。恥ずかしいわ。ウチのプライドが大きく傷ついたわ。クソみたいやな。
最も弱い市民を犠牲にして、どんな代償を払ってでも世界のトップ経済大国であり続けること。これが新しいアメリカンドリームなんやろうか?
金融界の巨人たちにとってはまさに夢のような状況やな。労働者が代償を払う素晴らしい経済回復やで。
エリー自体は昔、アメリカの産業の中心地の一つやったんや。基本的に、プラスチック、木、金属でできとるものなら、ここエリーで作れへんものはないって感じやった。
アメリカの産業のゆりかごとして、エリーの工場は国内を走る機関車の75%以上を製造しとったんや。アメリカを作るのを助けたんやな。
エリーは死にかけとるわ。まだ残っとる工場も昔の面影はないんや。残っとるものも、多くはただ閉鎖されただけやな。
前に見えるのを見てみ。建物が文字通り崩れかけとるわ。でもこれ全部昔の工場やねん。もう閉鎖されてしもたけど。あれも閉鎖された工場やな。
スコット・スローソンはアメリカで最も古い労働組合の一つのトップやねん。言い換えれば、彼が守る従業員の宿敵である多国籍企業の天敵ってわけや。
GEはすぐそこや。北側から正面が見えるで。
ゼネラル・エレクトリック。アメリカのエネルギー大手や。36の支社が142カ国にあって、世界で7番目に大きな会社なんや。彼らの最も成功した部門がここにある。輸送部門やな。でも、ここは借り時間で生きとるようなもんや。
ゼネラル・エレクトリックは、ウチらに払っとる賃金が高すぎて、会社が望む利益率を維持できへんって決めたんや。その利益率が19%から20%もあったのにもかかわらずな。だから低賃金工場をテキサス州フォートワースに建てたんや。今日のレイオフにつながったんやな。
アメリカの崩壊を引き起こすことになるって、いつかは分かるはずなんやけどな。
これが大手アメリカ企業の新しい戦略や。国内で拠点を移して、給料の一番安いところに行くんや。この機関車はテキサス州で作られることになる。労働組合のない州やからな。そこの労働者はエリーの半分の給料で働くことになるんや。
ここではもう整理解雇計画が進行中や。ゼネラル・エレクトリックは1353人を解雇しようとしとるんや。
もしもし、もしもし、もしもし。
トム・スワーは次のリストに載っとるんや。
ようけクラクションが鳴っとるな。
ああ、みんなクラクション鳴らしてくれとるわ。
GEの技術者として、トム・スワーは機関車の電気配線を作っとるんや。
今起こっとるのは、人々が工場から出て行っとるところやねん。ここに立っとるウチらに連帯して、クラクションを鳴らしてくれとるんや。
ああ、そのクラクションな。5、6ヶ月前に解雇が始まってから、毎週木曜日にみんなここに来てくれとるんや。
ウチはトムや。43歳で、GEに13年勤めとって、そのうち11年は組合員やった。明日が最後の勤務日や。永久に解雇されるんや。
ウチはSや。GEに11年半勤めとるわ。日々、明日も仕事があるかどうか分からへん状態やねん。
先日、通知を受け取ったんや。人員削減のため、現在の職務から外されるって。これが40時間の通知や。永久的な仕事不足による解雇通知やねん。
13年働いた後、大企業を去るときに受け取るのが、紙切れに書かれた数行の文章やねん。13年間働いた大企業を去るとき、これがそのまま受け取るものなんや。
あんたの番が来たら、上司が来て、PTA、ビジネスリーダーが来て、紙を渡すんや。建物中の同僚の前を通って、オフィスまで連れて行かれて、紙を渡されて、最後の日を告げられるんや。
残酷やわ。めっちゃ屈辱的や。みんなが見とる。何が起こっとるか分かっとる。自分の番も来るって知っとるけど、何もしてへんのに仕事を失う恥の行進をさせられるのは間違っとるわ。
不況は、新しいゲームのルールを導入するための完璧な口実やったんや。給料を下げて、労働組合のない工場に移転することでな。
みんな、通りの向こうに戻るか、警察を呼ぶかのどっちかやで。
この青い襟の労働者らにとっては、それを受け入れるか、去るかの二択やったんや。
ウチはエリーで生まれ育ったんや。ここが大好きやし、この街が大好きや。でも解雇されたら、この街に残れるチャンスがあるかどうか分からへん。去らなアカンのはすごく悲しいことやわ。
解雇された人の多くは、引っ越して別のことをすることにしたんや。ウチはそうしたくないんや。ここが家やからな。
今日は違う日やったな。ロッカーを片付けて、工具を工具置き場に返さなアカンかったからな。明日の最終日に向けて、全部準備せなアカンかったんや。
はい、ダイエットコーラをください。
ありがとう。
13年前、GEで働くことをすごく誇りに思っとったし、ある意味今でもそうやな。ええ仕事をしとると思うし。
昔はGEで働くことがアメリカンドリームの一部やったかもしれんな。でも…
ウチのおばさんがGEで働いとってん。彼女は全キャリアをGEで過ごしたんや。最初は現場で働いて、最後はオフィスで働いとった。
ウチが高校卒業したとき、おばさんが言うたんや。「GEで仕事を見つけなさい」って。「私は人生をかけてそこで働いたし、ええ仕事でええ給料やったから」って。
そして25年後、ウチはGEで働いとって、GEからレイオフされとるんや。15年間で、500万の工業労働者の仕事が失われたんや。
これは産業の巨人たちの終わりなんや。労働者と手を取り合って、アメリカを世界のリーダー国に築き上げた父権主義的な会社の終わりやねん。
今朝も、過去13年間と同じように、トム・スワーは朝5時45分に起きたんや。彼は時間にうるさい男や。解雇される日でもな。
昨夜はあんまり眠れんかったわ。時計を見て、何時やろうとか、起きる時間はいつやろうとか考えとってな。
考えれば考えるほど、今日はストレスの多い日になりそうやな。
一番寂しく感じるのは、毎日起きて、日課をこなすことやと思う。ウチは習慣の人間やからな。起きて、行く場所があって、決まった時間にそこにいて、一日を過ごして、毎日決まったことをするのが好きなんや。
起きても何もすることがないってのは、ちょっと不安やな。
数時間後、世界で7番目に大きな会社が彼のバッジを取り上げ、仕事を奪い、アメリカの中流階級の一員であるという確信を奪うことになるんや。
アメリカでは失業保険は義務じゃないけど、組合の交渉のおかげで、トムは6ヶ月間、給料の70%をもらえることになっとる。その後はどうなるか分からへんけどな。
そこに何か考えがあるんやろうか。
ゼネラル・エレクトリック組合本部で、スコット・スローソンはさらに悪いニュースを受け取ったところや。会社は181人の仕事をさらに切り捨てようとしとるんや。
181人の仕事のために農場を売るつもりはないわ。それは公平じゃない。まず第一に、すでに街に出とる全ての人と、今働いとる全ての人にとって公平じゃないからな。でも、様子を見てみよう。
よっしゃ、またな。
ウチらが働いとる会社は、あんまり褒められたもんじゃないな。
でも、ゼネラル・エレクトリックの利益は増え続けとる。株主に260億ドルを還元したばかりや。
交渉の始まりから、スコット・スローソンは負け戦を戦っとるような気がしとるんや。
彼らには十分支払う余裕があるんや。問題は、彼らがどんどん利益率を上げようとしとることやねん。
石を叩いて粉々にすることはできるけど、いったん粉になったらもうこれ以上小さくできへんやろ。でも、彼らはそれでも何とかしようとするんや。
彼らの邪魔をするものが一つだけ残っとる。労働組合やな。労働者を守る最後の防衛線や。彼らにとって、これはアメリカの金融街が計画した死刑宣告みたいなもんやな。
昔の人は、大義のために闘うことがどういうことか分かっとったんや。たった50年前は、3人に1人のアメリカ人が組合に守られとった。今や10人に1人やな。
政府レベルでも、雇用主レベルでも、人々に恐怖を植え付けるのがうまくなったんや。「組合を作ったら、会社を閉鎖して他の場所に移るぞ」って。だから、組合を作ったら仕事を失うっていう異常な恐怖があるんや。
基本的に、彼らはあんたを追い込んでるんや。だから、普通なら同意せえへんようなことにも同意せざるを得んのやな。
追い詰められたアメリカの従業員には、頼るべき相手がおらへんのや。トムと同僚らは今や、人生を捧げた会社のニュースを地元紙で読むしかないんや。
これ見た?
いや、新聞なんて読まへんわ。
エリー新聞の一面や。人員整理しとる同じ日にこんなん載せるなんて。GEフォートワース、1000台の機関車を製造したって。同じ日にそれを新聞に載せるなんて。ウチらが解雇される同じ日やで。
これが顔面への平手打ちやな、クリス。
どんどん続くんやな。
ゼネラル・エレクトリックは木曜日の午後、テキサスで節目を祝ったんや。エリーの組合員…いや、組合の人間に向けたメッセージと読めるな。会社との交渉を続けとる最中にな。
まだアメリカを愛しとる?
ああ、いつまでも愛し続けるさ。ウチの国やからな。庭には国旗を掲げとるくらい愛国心があるんや。
これらの大企業がここから出て行って、人々をこき下ろして、クソみたいな気分にさせとる。アメリカンドリームはもっと難しくなるやろうな。
賃金や福利厚生だけの問題やないんや。人間として扱ってもらうことが大事なんや。ここは第三世界の国やないんやで。アメリカ合衆国やぞ。
でも、これらの大企業は、法律のない国々で扱うように扱おうとしとる。中国みたいに時給50セントで働かせようとしとるんや。向こうでやっとることを見て、なんでここでできへんのかって考えとるんやな。
経済回復は、アメリカのごく一部の人々しか豊かにせえへんかったんや。何十年もアメリカンドリームの象徴やった中産階級は、脇に追いやられてしもたんや。
フロリダでは、最初に出会ってから6ヶ月後にゲルマニアと家族に再会したんや。彼女には何も変わってへんかった。まだ同じように長時間働いとるし、アパートもまだ持ってへんのや。
ホテルからホテルへ移り住むことになるなんて、ウチは想像もしてへんかったわ。幸せな家族を持ちたかったんや。あっちこっち移動して、子供らを混乱させたくなかったんや。
「なんでここにおるの?」「私のおもちゃはどこ?」「これからどうなるの?」って子供らに聞かれるのが嫌やったんや。
細かいことは言わへんようにしとるわ。「ここがウチらの一時的な家やで」って言うだけや。子供らは「分かった、ママ」って言うてくれるんや。
だから、貯金箱にお金を貯め始めたんや。小さな貯金箱やけどな。「小銭を全部貯めよう。そしたらお金ができて、引っ越せるかもしれんで」って言うてくれたんや。
ディズニーへの道沿いのモーテルは、これらの半ホームレス家族を受け入れとるんや。あまり長居せえへん限りはな。このモーテルは、ゲルマニアが4ヶ月で5つ目に泊まっとるところやな。
今まで追い出されへんかったのは、たぶん明日が始業日やからやろうな。
マリリンにとっては出発の時が来たんや。6ヶ月ぶりに夫のもとに戻らなアカンのや。
ウチの心は引き裂かれとるわ。孫たちから離れたくないけど、ウチにも人生があるからな。
一番辛いのは、「おはよう、おばあちゃん」って声が聞こえへんことやな。「朝ごはん何?」とか、「これ食べていい?」とか。お腹すいたって言うのが好きやったんや。いつもお腹すいとったからな。
ウチのためにこんなにしてくれて、ありがとう。誰よりもしてくれたわ。
これで私は強くなれるわ。泣かんといて。
愛してるで。
ウチも愛しとるよ。ウチのほうがもっと愛しとるわ。
気を付けてな。何かあったら連絡してな。
愛してるで。
もう泣くのやめよ。行ってもうたんや。
昔は壊れたPRを修繕する時間があったんや。荷物を全部バッグに詰めて、持って行けるようにしとった。全部収まるように頑張ったもんや。
このテントで1ヶ月過ごした後、ジョー、チェルシー、そして子供らはキャンプ場を出る準備をしとるんや。町の緊急シェルターで空きが出たんやて。
もう一歩、文明に近づいたってことやな。
実際のベッドで寝られるんやで。木箱の上やなくてな。本物のベッドや。自分らのトイレもあるし、好きな時にシャワーも浴びられるんや。
持っていかなアカンわ。また引っ越しやな。
ある意味そうやな。せなアカンことはせなアカンのや。
ここ数年で何回引っ越したと思う?
ええっと、1、2、3、4、5、6、7、8…たぶん10回くらいやな。
自分の国で難民みたいなもんやな。
6ヶ月間、そのセンターに滞在する権利があるんや。6ヶ月で立ち直って、安定した仕事を見つけて、アパートを借りるんやな。
人々が罰せられる前に…これはほとんど罰みたいなもんやな。子供らを望むように養えへんことや。家と呼べる場所がないことがな。
これは家やないんや。ウチにとって家は、キッチンがあって、リビングがあって、学校から子供らを迎えに行って、「帰ったで、子供ら」って言える場所なんや。これは家やないんや。
辛いわ。本当に辛い。でも子供らのために強くならなアカンのや。
あんた、強い女性やな。分かっとるで。
ウチも分かっとるよ。
でも6ヶ月では足りんかったんや。アパートを見つけられへんまま、ジョー、チェルシー、そして子供らは、最初に会ったテントキャンプ場に戻ってきたんや。
さあ、行くで。おいで、おいで。
一方、ゲルマニアと子供らの生活は変わりつつあるんや。家族支援プログラムがアパートを見つけてくれたんや。敷金を払ってくれる3部屋のアパートやな。
ああ、ここに寝室があるんや。これがウチの寝室や。これは誰の寝室?
ストーブもあるわ。また料理ができるんや。クッキーも作れるし。
快適やわ。部屋が気に入ったわ。バスルーム付きの部屋が2つもあるなんて素晴らしいわ。とても綺麗やな。
ずっと前、ゲルマニアは娘の9歳の誕生日に約束をしたんや。家を持つって。
お誕生日おめでとう。
綱渡りのような生活。不安定なバランスの上に立っとるんや。不況があって、その後いわゆる回復があって、アメリカは経済の本当の姿を見せることになったんや。
顔を覆わんでな。
いつも落ちる可能性があるんや。いつもそう思っとるわ。
アメリカはそういうもんやと思う。みんなそのことを頭に入れとかなアカンのや。
結局のところ、それがアメリカンドリームの一部なんやな。
みんなそれが簡単やと思っとるけど、現実はそうやないんや。


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