抹茶は単なる伝統的な日本茶にとどまらず、現代科学が証明する驚異的な健康効果を持つスーパーフードである。日本とオーストラリアの国際研究チームによる1年間の臨床試験では、認知機能の低下が見られる被験者において睡眠の質の改善と脳機能の向上が確認された。抹茶に含まれるテアニンがリラックス効果をもたらし、カテキンの強力な抗酸化作用が動脈硬化の予防や脂肪燃焼を促進する。さらに血液バイオマーカーの分析により、アルブミン、トランスフェリン、アポリポプロテインA1といったタンパク質の変化を通じて、アルツハイマー病の予防効果の可能性も示唆されている。動物実験ではドーパミン神経回路の活性化によるうつ病や不安症状の軽減効果が確認され、筋力トレーニングとの併用では筋肉量の増加率が通常の倍以上に達し、疲労やストレスレベルの低減も観測された。腸内細菌叢の改善効果も確認されており、抹茶の複合的な成分が相乗効果を生み出している可能性が高い。ただし1日の摂取量は2杯程度が推奨され、特に妊婦やカフェイン感受性の高い人は注意が必要である。

世界を席巻する抹茶の科学的健康効果
この鮮やかな緑茶は世界的なセンセーションとなっていますが、多くの人々は1杯ごとに隠された驚くべき健康効果にまだ気づいていません。
日本における抹茶の歴史は12世紀にさかのぼります。茶葉を使って、その健康効果について記述がなされていました。そして現在、研究者たちはますます多くの健康効果を発見しています。
筋肉の増強や脂肪燃焼の促進といった効果があります。日本からの画期的な研究に焦点を当て、この古代の茶が私たちの健康にとって何を意味するのかを探っていきます。
認知機能低下に対する効果
国際的な学術誌に発表された研究グループの論文によると、認知機能の低下がある人々が1年間毎日抹茶を飲んだ後、睡眠が改善され脳機能が向上したことがわかりました。
研究チームは認知機能低下を止める、あるいは完全に元に戻すという手段がまだないことから、早めに生活習慣の中で予防対策を取り入れられて認知症を予防できるようなものを科学的に見つけて、それを広めていきたいという動機から研究を始めたといいます。
一部の参加者は主観的認知機能低下を抱えていました。他の参加者は軽度認知障害として知られる前段階の状態にありました。全員が1年間抹茶を摂取するよう求められました。半数は毎日グラム単位の抹茶が入ったカプセルを摂取し、残りの半数は抹茶の入っていないカプセルを摂取しました。研究者たちはその変化を追跡しました。
睡眠に関する質問項目には、何時間眠ったか、眠りにつくまでにどれくらい時間がかかったか、どのような睡眠の問題があったかといったことが含まれていました。これらはスコア化され分析されました。
結果は以下の通りです。高いスコアは悪化を示しています。
博士は説明します。よくお茶はカフェインが入っているから眠れなくなるから夜飲まないようにということを言われることもあるんですけれども、どうも今回の結果からそうじゃなくて、むしろ睡眠の質が良くなっていると。
テアニンの効果とその理由
その1つとしては抹茶に含まれるテアニンという成分があります。テアニンは甘みをもたらし、最近の研究ではリラックスを促進し睡眠を改善することが示されています。
では、なぜ抹茶は通常の緑茶の少なくとも2倍のテアニンを含んでいるのでしょうか。
収穫前、農家は畑を覆って日光を遮ります。これによってカテキンの生成が抑えられ、苦みが減り、茶葉にはより多くのテアニンが残ります。
この生産方法は抹茶の健康効果を高めているとも考えられています。
抹茶の製造工程と栄養素
工場では大量の茶葉が蒸され、冷却され、そして丁寧に乾燥されます。その後、乾燥した茶葉は石臼でゆっくりと挽かれます。
これによって葉は粉末になり、すべての栄養素を摂取できるようになります。
テアニンに加えて、抹茶には強力な抗酸化作用を持つカテキンが含まれています。これらは動脈硬化の予防を助け、脂肪燃焼をサポートします。抹茶はビタミンAやC、そしてベータカロテンや食物繊維も提供します。
社会的認知機能への影響
研究チームは、認知機能低下のある参加者において抹茶が社会的認知機能にどの程度影響を与えるかも研究しました。
社会的認知機能とは、他者の感情を認識する能力などを指します。軽度認知障害のある人々ではこれらの機能が低下することが報告されています。
実験では、コンピュータ画面に怒り、悲しみといった表情をした人々の48枚の写真が表示されました。
結果は以下の通りです。抹茶の摂取を始める前、抹茶グループと非抹茶グループの両方が約同じ割合で正しく答えていました。
しかし1年後、非抹茶グループが低下を示した一方で、抹茶グループは維持または改善されました。
普段のコミュニケーションの中でコミュニケーション障害が出てくる、そういうストレスが勝ってくるというのはもう老化を促進するということにつながると思いますので、それを良くしてあげられたらもしかすると発症を遅らせることができることにつながるんじゃないかと考えています。
血液バイオマーカーの変化
基本的に通常行われている検診で行われている検査に加えて、私が開発した血液バイオマーカーというものも調べました。
抹茶を摂取したグループでは、3つのタンパク質に大きな変化が見られました。
1つ目はアルブミンで、栄養と関連するタンパク質です。専門家は、アルブミンレベルの低下がアミロイドベータの蓄積につながると考えています。アミロイドベータは脳内のニューロンを損傷し、アルツハイマー病を引き起こす物質です。
他の2つのタンパク質はトランスフェリンとアポリポプロテインA1です。専門家によると、これらはアミロイドベータと結合し、それを脳から排出するのを助けます。アポリポプロテインA1は脳の血管も保護します。
これまでの研究から推測すると、カテキンですね、それからテアニン、この辺りが一番、そういう抗酸化作用、そして脳の保護みたいなことに関係している可能性は考えられます。でも他にもいろんな成分がありますので、これはちょっと今後の研究課題だと思います。
うつ病と不安症状への効果
動物を用いた研究では、抹茶の摂取がうつ病や不安症状を軽減することが示されています。
で、実際に現在のうつ病の治療薬も大体30%以上の方が効果がないと言われています。で、あとですね、うつ病の治療効果が得られたとしてもその薬を徐々に徐々に少なくしていってやめるということもなかなか難しいので、そういったことも問題かなと思っています。
十字型の装置が使われ、一方の腕は壁で囲まれています。もう一方の腕は障壁のない開放型になっています。
マウスは基本的に暗くて狭いところが好きですので、不安が強い状態のマウスというのは暗くて狭いいわゆるクローズドアームという領域を長く移動したり滞在することになります。
一方で不安が低いマウスというのは開放的な高い通路、いわゆるオープンアームへの滞在時間や移動距離が長くなります。
非抹茶グループは閉鎖された腕でより多くの動きを見せ、開放された腕では少ない動きでした。しかし抹茶グループは開放された腕でより大きな活動を示しました。彼らはまた腕の中でより多くの動きを見せました。
また、うつ病のあるマウスとないマウスを比較しました。縦軸は静止していた時間の長さを示しています。
うつ病のないマウスでは、抹茶を飲んだかどうかで違いはありませんでした。しかしうつ病のあるマウスでは、抹茶を飲んだマウスの方が静止時間が短くなりました。
ドーパミン神経回路の活性化
脳内では、ドーパミンが重要です。ドーパミンは意欲を駆動します。機能が低下すると影響が出ます。
これは抹茶を飲んだマウスの脳の断面図です。茶色の点はドーパミン神経回路の活動のマーカーであるタンパク質を示しています。
抹茶を飲んだマウスでは約2倍の活性が見られました。
マウスの脳では、ニューロンが3つの領域で活動を示すことがわかりました。1つは感情を調節する領域、もう1つは報酬に関わる領域、そして3つ目の領域です。
今回その抹茶を使うことで、明らかになった効果、うつを軽減させるとか不安を軽減させる効果っていうのが、そのまだ解明されてない精神疾患、うつとか不安の解明につながるとも考えますし、常日頃から日常的に抹茶を継続して飲むことでそもそもうつ状態にならないような食育につながるんじゃないかなという風に期待しています。
筋肉量の増加効果
筋肉に関する研究も行われています。
研究によると、筋肉はエネルギーを提供するだけでなく、血糖のコントロールやホルモンの調節も助けることが示されています。
京都の大学の研究者が、異なる食品が筋肉にどのように影響するかを研究してきました。
ゆっくり戻す。ゆっくり戻す。はい。はい。この辺ですね。
実験では、ベンチプレス、スクワット、背筋のトレーニングなどが行われました。参加者は平均的な体格の人々でした。
結果は以下の通りです。12週間のトレーニング後、研究チームは筋肉量の増加を測定しました。
非抹茶グループは年齢相応の約100%の筋肉増加を示しましたが、抹茶グループではそれ以上の増加が見られました。
プログラム開始から1週間で、抹茶を飲んだグループは平均して22%の疲労軽減を示し、非抹茶グループと比較してこの効果は維持されました。
興味深いことに抹茶群では、初期の頃よりも終わった後の頃、8週間、12週間とトレーニングを続けているにも関わらずストレスレベルが下がったんですね。ですので運動をする疲労やストレスをいち早く回復させる。これが筋トレに対する体の適応と言いますけれども、筋力とか筋肉量の向上を後押しするメカニズムにつながったんじゃないかなという風に思います。
腸内細菌叢の改善
研究者は腸内細菌の種類の増加を発見しました。1つは炎症を抑制する細菌です。
善玉菌と言われる腸内細菌は筋肉が大好きな成分をいっぱい出すんです。これが抹茶群で増えた。で、興味深いことにこの増えた人ほど筋力も増えてきたっていうその相関が得られたんですね。
1つ面白いのが例えばじゃ食物繊維がいいとなると食物繊維だけを摂る。カテキンがいいとなるとカテキンは摂るっていうそういう考え方もあるんですけれども、最近我々が注目してるのはいろんな成分を複合的に摂る。
そうすることによって1つ1つでは起こり得なかったことが一緒に摂ることによって私たちの体にものすごいいい成分、相加相乗作用が起きているっていうことがわかってきたんです。それを一緒に摂るということが実は大事なんだろうなっていう風に思ってますので、この抹茶の機能性については、今後も注目ですね。はい。
専門家への質問
国立農業・食品研究機構の山本博士にお話を伺いました。
具体的にどのようにして抹茶は脳に作用するのでしょうか。
ですね、あの、特にその脳に作用するためには脳の血液脳関門、BBBを通る必要があります。
脳には血液脳関門というバリアがあります。
そこを通っていくんですよね。で、もちろんあのカテキンのEGCGやEGC、カフェイン、そういうものは入っていって作用する。脳に入った後に色々なその脳の中で働くような伝達物質に働きかけを行うことでストレス緩和であるとか睡眠の質を高めるとかそういうことができると考えています。
では、すべての効果を得るために毎日摂取すべき最適な量はどれくらいでしょうか。
抹茶2杯分ぐらいですけれども、それを摂ると体のためにいいよという風に言われています。ただカフェインがたくさん入っていてカフェインに対して感受性のある方は抹茶をスイーツではなくコーヒーでは飲まないことです。コーヒーの中にたくさんカフェインが入っているのでそれは注意した方がいいと思います。そしてあとは妊婦さんもあの小さな赤ちゃんがお腹にいますけどもカフェインに対する感受性が非常に強いんですね。ですのでどんなに飲んでも1杯までということでそれはやっぱり気をつけなければいけないという風に思います。
抹茶スイーツについてはどうでしょうか。
そのお砂糖の種類に気をつけていただくのがいいんじゃないかなと思っていてですね。例えば甜菜糖とビートシュガーを使うとかです。あとはメープルシュガーを使うとかココナッツシュガーを使うとか血糖値を上げないようにしていくっていうのがすごく大事なんじゃないかなと私思っています。
豆乳を使ったエメラルドスムージーみたいなのがいいんじゃないかなと思います。
美容研究家の山本さんが勧めるスムージーは、アボカド、リンゴ、ベビースピナッチを使い、甘みにビートシュガーを加えます。そして豆乳を加えて抹茶を混ぜ合わせます。
抹茶の中にビタミンAが入っていたり脂溶性の成分ですのでアボカドを使って油と一緒に摂ってあげることが大事です。抹茶の栄養素をちゃんと体の中に取り入れていただけるんじゃないかなという風に思っています。
私もいくつかアイデアを考えてきました。ご意見をお聞かせください。
特にオーストラリアではエナジーボールやブリスボールと呼ばれるものがあります。抹茶エナジーボールのようなものを作るアイデアを考えました。
エリカさんが勧めるのは、クルミ、デーツ、ココナッツパウダー、そして抹茶で作った甘いエナジーボールです。フードプロセッサーで混ぜるだけです。一口サイズのボールに丸めれば出来上がりです。
ウォルナッツを入れることでとても良い脂質がそこに混ざってですね、ビタミンAの吸収を上げてあげて効果を高めるというのは非常にあの健康効果というところではいいものではないかなと思っています。あとデーツなんかも自然な甘みが出ますよね。そういうところでとてもいいと思います。
これは腸内細菌叢や腸内細菌を強化し、また抹茶もカテキンの吸収を高めます。
食物繊維があってなおかつ抹茶のカテキン、ビタミンE、そういうものが相乗的に混じると非常に、マルチビタミンみたいなすごく完全に近いようなものじゃないかなと思いまして、体にはものすごくいいと思います。
うん。あの、今後その抹茶の研究ではですね、研究だけではないんですけれども、日本としてはやっぱりそのどういう製造法が正しいのか、要するにフェイクの抹茶ではないということがわかるようにちゃんとしていくっていうことが必要になると思います。
このエピソードをご覧いただきありがとうございました。ありがとうございました。
抹茶と健康、集中力、一口ずつに込められた効果をお楽しみください。


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