この動画では、90歳になっても鋭い認知機能を維持するための科学的根拠に基づいた実践的な方法を解説している。特に注目すべきは、60代以上の被験者を対象とした研究で、有酸素運動により海馬の萎縮を防ぐどころか1〜2%の成長を実現したという驚くべき結果である。また、アルツハイマー病の原因となるアミロイドプラークの蓄積メカニズムや、APOE4遺伝子などの遺伝的リスク要因についても詳しく説明し、運動以外にも睡眠の質やマルチビタミンの摂取など、比較的取り組みやすい認知症予防策についても言及している。

今から始める脳の老化対策
わしは今32歳なんやけど、年取って物忘れがひどなったり、言葉に詰まったり、認知機能が衰えるような老人にはなりたくないんや。今がまさに、90歳の時の脳の状態や、はっきりと考えて覚える能力に大きな影響を与える決断ができる時期やと思うんやけど、今からできることで90歳の時の認知パフォーマンスに大きな影響を与えるようなことってあるんか?
あるで。その方法を教えてくれる?
絶対にあるで。まず最初に運動の話を締めくくらせてもらうけど、この研究がものすごく重要やと思うんや。実はこの研究は32歳を対象にしたもんやなくて、高齢者を対象にしたもんなんや。
60歳かそれより少し上の人たちの話や。この人たちは1年間、最大心拍数の70〜75%程度の有酸素運動トレーニングプログラムに参加したんや。そこまで激しいもんやないけど、彼らにとってはかなりきつい運動やったで。
この研究の基礎となる考え方は、歳を取ると脳が老化するということや。心臓が老化して硬くなって縮むのと同じように、脳も歳と共に縮むんや。これを萎縮っていうんやけど、特に中年期、だいたい50歳頃から始まって、学習と記憶に関わる海馬みたいな脳の特定の部分が年に1〜2%ずつ縮んでいくんや。
そんなことは起こってほしくないわな。
わしも同じ気持ちや。でも良いニュースがあるんや。この研究では、1年間のこの有酸素運動トレーニングプログラムの後、週3回、1日約30分やったんやけど、そんなにきつくもない運動やったのに、結果が出たんや。対照群もあって、ストレッチグループが使われてる。対照群としてストレッチを使うのが好きなんやな。
その対照群、つまりストレッチグループの話をすると、彼らは海馬のサイズが1〜2%縮んだ。1年後に1〜2%萎縮したんや、これは通常予想される通りの結果やった。
運動による驚くべき脳の変化
ところが、トレーニングしたグループは、海馬が1〜2%縮むどころか、実際に1〜2%成長したんや。これは神経新生、つまり新しいニューロンの成長、それを可能にする脳由来神経栄養因子によるもんなんや。50歳になっても実際に新しいニューロンを成長させることができるなんて、すごいことやろ?
信じられへんな。
この研究が大好きな理由が2つあるんや。1つ目は、運動によって脳の老化の要素を食い止めるだけやなくて、それを逆転させて増加させることが可能やということを示してるからや。2つ目は、遅すぎるということがないからや。60代から始めても効果があるっちゅうことやろ?君は30代やけど、この番組を見てる人、聞いてる人の中には、もう50代や60代の人もおるやろ?だから遅すぎることはないんや。
同じように、認知的にシャープでいて認知症にならないという話で言うと、女性を対象にした研究もあるんや。女性たちを実験室に連れてきて、心肺機能を測定したんやけど、心肺機能が最も高い女性たちは、追跡調査期間中に認知症になる確率が80%低かったんや。
だから、やっぱり運動は脳の老化に関しては大きな要因の1つやと思うで。でも君が重要な質問をしたな。今からできることで、これから何十年もの間の脳の老化の仕方に影響を与えるものは何かって。運動ほど努力を必要としない他の方法もあるんや。
運動はゴールドスタンダードやで。脳の萎縮を食い止めるだけやなくて、再成長させることができるなんて信じられへんやろ?本当に驚くべきことや。認知症やアルツハイマーの人たちを運動プログラムに参加させて、運動プログラム中の認知能力の衰えを監視したことはあるんか?
あるで。でも既に病的な状態にある人の場合、物事が本当に雪だるま式に悪化して加速するから、もっと難しいんや。多少の効果はあるけど、予防が常に最善や。予防が常に最善なんや。だから、ここで持ち帰ってもらいたいことがあるとすれば、その状態になる前に、今できることをやってみようということや。
認知症とアルツハイマーの原因
認知機能低下を食い止めるもっと簡単な方法に入る前に、認知症とアルツハイマーの原因がもう分かってるんか?何かアイデアはあるんか?脳画像検査で、脳にプラークみたいなものが見えるって言うやろ?
認知症とアルツハイマー病には多くの異なる原因があるんや。多因子性っていうことは、多くの異なる原因があるということや。
君が言ったプラーク、アミロイドベータプラークのことやな。これは脳の中のアミロイドっていうタンパク質の凝集が起こることなんや。通常は脳から除去されるんやけど、アミロイドが除去されない異常なことが起こって、除去されないアミロイドタンパク質が塊を形成して凝集し始めるんや。
これは本質的にはニューロンの外側で起こってるんやけど、ニューロン間でシナプスが形成される場所で起こってるんや。だから、ニューロン間のシナプス接続を破壊してしまうんや。これは本質的に記憶を形成することなんや。その接続を破壊し始めると、記憶が失われるだけやなくて、ニューロンの目的全体が、つまり目的の1つが記憶を形成することやから、ニューロンが目的を失い始めると、ニューロンが死に始めるんや。
アミロイドの凝集は多くのことに関連してるんや。例えば、睡眠中、特に深い睡眠段階である徐波睡眠中に除去されると言ったけど、信じられないようなことが起こるんや。グリンパティックシステムの活性化っていうんや。リンパ系のことは聞いたことがあるやろ?グリンパティックシステムは本質的にネットワークの連続みたいなもんで、脳全体にハイウェイや道路みたいなものが張り巡らされてて、脳脊髄液を脳全体に噴出して、除去されなかったタンパク質みたいなゴミを全部除去して、リンパ系を通して外に噴出して除去するんや。
このリンパ系は睡眠中に活性化されるんや。何十年もの間、良い睡眠を取らない人がアルツハイマー病のリスクが高い理由の1つが、脳にアミロイドプラークが蓄積されるからなんや。でも他の原因もあるんや。例えば、アルツハイマー病の脳ではグルコース代謝が破綻してるんや。
グルコースが必要で、ニューロンにはグルコースが必要なんや。だから本質的に、グルコースが脳に入らないと、脳が正しくエネルギーを作ることができへんのや。これもアルツハイマー病の代謝的な根本的原因の1つで、本質的には、精製炭水化物や精製糖をたくさん食べて、運動しないことで、脳だけやなく全身のグルコース代謝を破綻させてしまうと考えられてるんや。
脳と体はつながってるからな。でも遺伝的な原因もあるんや。アミロイドをうまく除去できなかったり、ダメージをうまく修復できなかったりする遺伝子を持ってる人もいて、アルツハイマー病のリスクが高くなるんや。血液脳関門っていうのがあって、これは有毒物質が脳に入るのを濾過する重要な働きをしてるんやけど、これが破綻し始めるんや。これはアルツハイマー病の初期の初期の兆候の1つやと言えるで。血液脳関門の破綻で、これはAPOE4っていう遺伝的リスク要因を持つ人に起こるんや。
聞いたことあるかもしれんけど、これはおそらくアルツハイマー病の最大の遺伝的リスク要因の1つやで。人口の約25%がこの遺伝子のコピーを1つ持ってて、これがアルツハイマー病のリスクを2倍にするんや。2つのコピーを持ってる場合、アルツハイマー病のリスクが10倍になるんや。
2倍っていうのは200%ってことやな。
2倍っていうのは2倍の量っちゅうことや。そうや、200%や。10倍っていうのは1000%や。基本的に、かなり悪い状況やな。でもその遺伝子を持ってるからといって、アルツハイマー病になる運命が決まってるわけやないで。ライフスタイルで形勢を逆転できることもあるんや。
本質的にアルツハイマー病にはならないようにできるんや。良い睡眠を取る、運動する、アルコールを避ける、喫煙を避ける、太りすぎや肥満にならないといったライフスタイル要因がアルツハイマー病のリスクに影響するんや。さらに重要なのは、そういう遺伝子を1つでも持ってる場合、そういうことを本当に意識しなあかんということや。APOE4遺伝子の1つでも持ってる場合、ライフスタイルが持ってない人よりもさらに重要になるんや。
その遺伝子を持ってるかどうか検査で分かるんか?
そうや。様々な遺伝子検査サービスがあるで。市場に出てるもんなら、ほぼ全部、Ancestry DNAとか、住んでる場所にもよるけど、今は本当にたくさんあって、それを検査してくれるで。
もし2つの遺伝子を持ってると分かったら恐怖やろうな。
2つ持ってるのはあまり一般的やない。人口の25%が持ってるって言ったのは、通常1つの対立遺伝子なんや。アルコールは本質的に、その遺伝子を1つでも持ってる場合、アルツハイマー病のリスクを大幅に高める可能性があるんや。認知症とアルツハイマー病を心配してる場合、APOE4を持つ人が摂取しても安全なアルコール量っていうのは本当にないと思うで。
もう1つは接触スポーツと外傷性脳損傷や。APOE4遺伝子を1つか2つ持ってる人が、アメリカンフットボールやサッカー、総合格闘技、ボクシングなどをやってTBI(外傷性脳損傷)を負った場合、その遺伝子を持つ人はダメージの修復がうまくできないから、怪我をした時にアルツハイマー病のリスクが10倍になるって話になるんや。
脳のダメージを修復する能力に影響するんや。だからこれも考慮すべき重要なことやで。
簡単にできる認知機能向上法
年齢を重ねても認知パフォーマンスを向上させるためにできる簡単なこと、激しいヒットトレーニングよりも簡単なことに話を戻すと、実際にはかなりたくさんあるんや。
まず第一に、わしが最も好きなのは簡単なマルチビタミンや。これが好きな理由は、10年ほど前に大きな研究が発表されたからや。内科学年報に掲載されたもんで「もう十分や。マルチビタミンは無用なだけやなく有害や」というタイトルやった。様々な研究を調べて、マルチビタミンは高い尿やと論じてたんや。
本当に何もしてないんや。実際、マルチビタミンを摂ると、病気のリスクを高める可能性もあるって。その研究はひどいもんやった。わしは10年前にそれを詳しく調べて、一つ一つバラバラに分解したんや。でもあれから10年経って、3つの大きな臨床試験が行われたんや。
これらは高齢者に標準的な普通のマルチビタミン、Centrum Silverか、プラセボのどちらかを与えるランダム化対照試験やった。数年間与えたんやけど、3つの異なる研究が示したのは、マルチビタミンが認知機能を改善し、処理速度を改善し、エピソード記憶と呼ばれるものを改善したということや。
経験を思い出したり、出来事を思い出したりする種類の記憶やな。改善しただけやなく、改善の程度がすごくて、エピソード記憶の老化を5年分減らすのと同等やったんや。簡単なマルチビタミンで、なぜそれが重要かというと、マルチビタミンには食事から摂取できてない様々なビタミンやミネラルが含まれてて、代謝や神経伝達物質の発火の仕方、酸化ストレスを引き起こすダメージを減らすことなど、すべてに重要やからや。
簡単なマルチビタミン、マルチビタミンを摂ることより簡単なことがあるか?ランダム化対照試験の話をしてるんやで。これは因果関係を示してるんや。単なる関連性やない。数年間マルチビタミンを摂って、プラセボより認知機能が改善されたことを示してるんや。これはかなりすごいことやと思うし、わしが好きな例の1つやで。


コメント