台湾で最も汚い発電所は本当に環境に優しくなれるのか?|完全版ドキュメンタリー

エネルギー・資源
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台湾最大級の火力発電所である興達発電廠が、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて大規模な転換プロジェクトを進めているドキュメンタリーである。石炭火力から天然ガス複合サイクル発電への移行、水素混焼技術の導入、周辺の養殖業や生態系との共生を図る革新的な取り組みを通じて、台湾の脱炭素化戦略の最前線を描いた作品となっている。

Can Taiwan's Dirtiest Power Plant Really Go Green? | Full Documentary
Energy transition means that natural gas is replacing coal as a major power source around the world. Set in the world’s ...

台湾の脱炭素化への挑戦

台湾の総炭素排出量の7割が発電所から出とるんや。もし俺らが2050年にカーボンニュートラルを達成する計画やったら、任務の第一歩は発電所から始めなあかん。これらは徹底的に改造されなければならへん。

この転換任務の主役は、南台湾にある沿岸の発電所や。彼らの目標ははっきりしとる。もっと環境に優しい方法で電力を生み出し、同時に周辺の自然環境と共存することや。彼らは先進的な発電技術を採用しとるけど、他にもゼロカーボン発電所にする方法があるんやろか?

もしこの転換任務が失敗したら、台湾のカーボンニュートラル計画は水の泡になってしまう。

一隻の貨物船がゆっくりと台湾沿岸に向かって進んでいく。船には9万トンの、世界で最も致命的な貨物のひとつが積まれとる。石炭や!

この石炭は急いで荷下ろしせなあかん。これがまさに潘同政の仕事や。

「この沖合埠頭は台湾でほぼ唯一のもんやから、船が来て接岸するときは絶対に安全を保証せなあかん。もし天気が急に変わって、西南の波が上がってきたら、船を繋ぎ止められへんくなる。当然、繋ぎ止められへんかったら、船を離岸させなあかん。船の安全、設備の安全のために、無理して石炭を下ろすわけにはいかへん。」

この荷下ろし設備は高効率で船倉を空にできる。逆回転する供給口が石炭を機械装置内に送り込む。平均して1時間に2000トンを処理できる。このペースなら2日以内に船全体を空にできる。でも天気が急に変わったら危険になるかもしれへん。

「螺旋式の荷下ろし機は、内部が全部覆われてて外殻も螺旋式やから、比較的汚染を起こさへん。荷下ろしの順序は船の要求に従って、2台の設計容量がどれだけあるか、石炭倉庫をどれだけ下ろすかで船体のバランスを取る。少しでも不安定になったら、船側は俺らに一時停止を要求して、別の倉庫を下ろして船体のバランスを調整する。」

粉塵が飛散しないよう、石炭は密閉されたコンベアベルトで運ばれる。荷下ろし埠頭から2キロ延びて、最後は巨大なドーム型石炭倉庫に貯蔵される。

この石炭は火力発電所の重要な燃料や。完全燃焼すると2500トンの二酸化炭素を排出するけど、これはこの発電所のたった4日分の使用量や。

興達発電廠の転換

ここは興達発電廠や。間もなく、ここのすべてが徹底的に変わる。

国連事務総長は宣言した。俺らが今直面しとるのはもはや地球温暖化だけやない。地球「沸騰」の時代に突入したんや。海面が上昇しとる。行動を起こさへんかったら、今世紀末には3メートル上昇するかもしれへん。大部分の沿岸地域が水没し、多くの主要都市も破壊される。世界中で数百万人が気候難民になるんや。

「残された時間はもうあまりない。人類はほぼ後がない状況や。現在のように全く減炭素の成果がない状況では、世紀末に気温が3度、4度、5度も上がる可能性がある。これは恐ろしいことや!世界中の気候が二極化に向かう。雨はもっと多く、もっと湿っぽくなる。これは短期的な話で、しょっちゅう洪水が来て、100人、200人が亡くなるかもしれへん。でも長期的な干ばつで、多くの場所がますます深刻になる。」

世界の約200カ国がパリ協定に署名した。目標は地球の気温上昇を工業化前の2°C以内に抑えることや。この大胆な約束が2050年カーボンニュートラル達成の目標を後押しした。

「この目標は非常に困難で厳格やな。もし本当に1.5°Cを達成できたら、温暖化の影響がなくなるわけやない。温暖化も消えへん。でもその温暖化を極小化して、人類に機会と能力を与えて、自分たちを調整して新しい常態に入り、それに適応できるようにするんや。」

アジアの炭素排出量は他のどの地域よりも高く、アメリカさえ上回っとる。そのため、カーボンニュートラル目標を実現するには、アジア諸国の行動が極めて重要になる。

台湾の土地面積はそれほど大きくないけど、島の電力使用量は特に驚くべきもんや。ここは世界のハイテク電子・半導体産業の重要拠点で、世界の最先端プロセスチップの90%を供給しとる。AIが俺らの生活でますます重要になるにつれて、需要も増え続けとる。

これら全てが大量の電力に依存しとる。そのため、台湾の一人当たり電力使用量は世界平均の3倍以上になっとる。

こんなに大きな電力需要を満たすために、台湾は一貫して石炭火力発電所に依存してきた。これは比較的信頼性があってコストの安い技術やけど、炭素排出量は他の発電方法よりもはるかに高い。

「俺らの工業発展のために、電力使用量も増加する。でも俺らはカーボンニュートラルも達成せなあかん。どうやって低炭素発電を発達させるか?台湾の挑戦は世界の多くの国よりも巨大で困難やと思う。」

台湾は再生可能エネルギー、特に太陽光と風力発電に大量投資を始めた。でも太陽光は24時間あるわけやないし、風速は時々弱すぎたり、時々強すぎたりする。

これまでのところ、石炭火力発電が再生可能エネルギーのギャップを埋めてきた。でもこれは速やかに廃止されなければならへん。問題は、どうやってこれを実現して、同時に電力供給が中断しないようにするかや。

「俺らの減炭素戦略全体で最初に処理しなければならへんのは、実際には石炭発電をどんどん少なくすることや。でも否定できへんのは、俺ら台湾にとって電力システムの安定というのは、半導体産業があるから、これは非常に非常に重要なことなんや。そのため俺らの脱石炭プロセス全体では、実際に戦略的思考が必要や。」

これがまさに興達発電所が直面しとる挑戦や。

発電所の大規模改修

この発電所は150ヘクタールの敷地を占めとる。敷地内には1980年代に建設された4基の石炭火力発電ユニットと5基のガス発電ユニットがある。年間200億度を超える総発電量で、島の電力需要の6分の1近くを安定供給しとる。

「1971年に台湾経済が離陸を始めた。俺らの高雄では多くの加工区が相次いで設立されて、南部の工業と民生用電が急激に成長した。俺らの興達発電所もその時、1980年に設立されたんや。だからここは南部地域で最も重要な電力供給発電所なんや。」

ここは石炭貯蔵区や。密閉された石炭倉庫は石炭粉の漏出を防ぎ、石炭を乾燥状態に保って燃焼効率を向上させる。この4つのドーム型石炭倉庫は合計60万トンの石炭を貯蔵できるけど、発電所の運転を30日間支えるだけや。

興達発電所はかつて台湾工業の奇跡の重要な支柱やったけど、深刻な代償も払った。ここは台湾で2番目に大きな炭素排出ユーザーや。

「俺らは石炭を燃やすユニットの炭素排出量が最大やということを知っとる。今これらのユニットは40年間運転して、効率も老朽化して設備も故障しやすくなっとる。俺らの1号機、2号機は去年2023年12月31日に廃止された。俺らの3号機、4号機も来年2025年に順次廃止される予定や。」

転換任務の方向性は明確や。先進発電技術で全く新しい発電所を作り、人気のない石炭火力ユニットを廃止する。目標は二酸化炭素排出量を大幅に削減し、同時に増え続ける電力需要を満たすことや。

「毎年台湾地域では…この数字を言ったら絶対驚くと思うけど、年間100万キロワットの電力供給需要が成長するんや。南部地域には最近TSMCが進出してくるけど、TSMCの電力需要は非常に多い。だから俺は思う、安定した電力供給と環境保護ゼロ排出を両立するのは、確実に未来の仕事が非常に困難やということを。」

確実に言えるのは、台湾がカーボンニュートラル目標を達成するなら、興達発電所は徹底的に転換しなければならへんということや。でも正常な発電に影響を与えずに大幅な改造を進めるにはどうしたらええんやろか?

天然ガスへの転換

毎日多くの異なる貨物船が台湾に到着する。この船が運んでるのは液化天然ガスや。天然ガスは比較的クリーンな化石燃料と考えられとる。炭素排出量は石油より30%少なく、石炭より45%少ない。

輸送を便利にするため、天然ガスは高度に圧縮され、マイナス162度まで冷却されなあかん。可燃性、爆発性の特性を持ち、こんな極端な条件下で輸送されるため、天然ガスの荷下ろしは格別に慎重でなければならへん。

この長さ300メートル、幅50メートルの巨大船が停泊する時に許容される誤差範囲は、手のひら2つ分の幅を超えへん!船の赤いマークは埠頭の標識と正確に合わせなあかん。完全に合った後で、天然ガスが安全に陸揚げできる。

「4本の荷下ろしアームの中心線を、船にもマークされた中心線に合わせる。もし最初からずれすぎとったら、後で荷下ろしする時に船が少しでもずれたら、俺らの荷下ろしが中断される可能性がある。」

荷下ろしアームが接続された後、液化天然ガスは船倉から受入基地の貯蔵タンクに輸送されて保管される。操作チームは各段階を細心に処理する。ここでは安全が最高の指導原則や。

永安天然ガス受入基地は興達発電所からわずか6キロの距離にある。ここは台湾最大の液化天然ガス専用港湾や。30年以上運営されとるこの受入基地は、年間1000万トンを超える天然ガス需要を処理しとる。

高雄市街地に隣接しとるため、ここの6基の貯蔵タンクは全て地下に埋められて地下式貯蔵タンクになっとる。一方では安全性を高め、もう一方では美観も考慮されとる。

ここで液化天然ガスは一連の気化過程を経る。つまりそれを室温まで加熱して液体を膨張させ気体に戻すんや。その後、天然ガスはパイプラインを通じて異なるユーザーに輸送される。隣接する興達発電所は彼らの最も重要な顧客や。

「石炭火力発電の1度当たりの炭素排出係数は大体800グラムや。天然ガスに比べると実際には2倍なんや。だから俺らの発電主力は実際にはゆっくりと石炭からガスに転換する。俺らが言う『ガス増加・石炭減少』や。そうすればすぐに俺らの炭素を半減できる。」

複合サイクル発電技術

ガス火力発電は石炭火力よりもはるかに効率的やけど、それでもエネルギーの約40%が廃熱として空気中に排出されて失われる。天然ガスで石炭を代替するなら、必ずこの問題を先に処理せなあかん。

彼らは賢い解決方法を使った。

「俺らは本来排出されるはずの高温廃ガスを適切に利用して、大量の熱蒸気を発生させてタービンを駆動する。これによって俺らは非常に効率的に発電できる。追加の燃焼排出を増やすことなくエネルギーを生み出せるからや。」

フリアン・マルティンはこの任務の現場監督や。彼の会社GEは世界最大の発電機メーカーの一つで、世界各地で発電所を建設する貴重な経験を持っとる。彼が興達発電所の転換を支援する。

「これは俺の会社GEインターナショナルが現在世界で建設しとる最大の工場や。俺の職責は全ての建設活動の実行を指導、調整、責任を負うことや。俺にとってこれは大きな挑戦や。この工事の規模が非常に大きいからな。」

これは新発電ユニットの核心設備、タービンや。これは蒸気で駆動される風車のようなもんで、回転によって熱量を電気エネルギーに転化する。

ここからタービンの3つの部分が見える。高圧段、中圧段、低圧段や。このタービンは分割して運ばれてきて、俺らが現場で組み立てる。組み立て過程で何度も品質検査を行って、タービンがメーカーの推奨通りに正確に組み立て完了することを確保するんや。

「複合サイクル発電」は聞こえはSFみたいやけど、実際その原理はシンプルで発電効率も十分や!

2段階式の発電を想像してみ。第1のタービンで天然ガスがまず圧縮空気と混合されて、燃焼に必要な酸素を提供する。燃焼後に高圧の超高温ガスが発生する。温度は約1500°Cや。この高圧ガスがタービンブレードを高速回転させて第1段階の電力を生み出す。

発電完了後に排出される廃ガスは依然として非常に高温で、約640°Cや。この熱エネルギーを無駄にしないため、エンジニアは最も古い技術の一つを利用した。蒸気や。

別の発電機で、この熱ガスが水を加熱して蒸気にする。蒸気が膨脹してもう一台のタービンを駆動する。そのためさらに多くの電力が生み出される!

「過去30年で、俺らの初期効率は38%と非常に低かった。GEの技術によって、この複合サイクルシステムの効率は62%以上まで向上した。基本的に、最大の違いは俺らが燃焼で発生した熱エネルギーを複合サイクル工程に運用する能力を段階的に向上させたことにある。これは効率の非常に高いシステムで、効率が高いほど排出が少なくなる。これはカーボンニュートラル目標に向けた重要な一歩や。」

新発電所はこのようなシステムを3セット備える。6台のガスタービン、6基の熱回収ボイラー、3台の蒸気タービンを含む。さらに、80メートル高の排出煙突3基も設置される。

その時、この新発電所の発電能力は台湾の原子力発電所2基の合計を上回ることができる。

冷却システムの構築

発電完了後、まだ解決すべき問題がある。余った蒸気をどう処理するか?

「水蒸気が発電を推進し終わった後、その水はきれいな水でなければならへん。俺らはこの水を再循環利用したいんや。だから発電完了後の蒸気を、俺らは冷却水を使ってその水蒸気を元のきれいな水に還元する。俺らはそれをまた燃焼に使って循環利用するんや。」

多くの発電所は冷却塔を使って蒸気を冷やすけど、狭い土地に人口が密集した台湾にとって、巨大な冷却塔は適さへん。

興達発電所は海に近いため、もっと適した別の方法がある。海には大量の冷水がある。なんでそれをうまく利用せえへんのか?

海水は取水口からポンプで取水された後、冷却循環システムに入る。タービンの蒸気を凝縮して水にし、発電システムに再利用する。でも冷却後の海水は温度が上がっとる。直接海に排出したら海洋生態系を破壊する。

そのため、まずこれらの温排水を2.4キロの長さの地下水路を通らせる。水温が安全範囲まで下がってから海に戻すんや。

でもまず、この冷却水路を建設せなあかん。

「俺はここで現場責任者の役割を担っとる。この現場の規模は比較的大きく、暗渠の長さは相当長い。俺の人生の工程経験で金額最大、範囲最大、難度も最高や。」

30年の工程経験を持つ顏博正は、ビル建築、地下鉄トンネルから港湾建設まで多くの異なる種類の工事に参加してきた。彼にとって2.4キロ長、10メートル深の水路を掘削するのは困難なことやない。でもこの任務はそう単純やないようや。

興達発電所の周辺には様々なインフラが配置されとる。上水道パイプライン、石油パイプライン、そして24インチ幅で24時間ガスを輸送する天然ガスパイプラインがある。道路の両側には工業区の電力需要を供給する高圧ケーブルがある。

どんな失敗でも発電所の正常運転に影響し、さらに深刻な災害を引き起こす可能性がある。それでは、この水路は一体どうやって掘るんやろか?

高度な建設技術

南台湾の興達発電所は大規模な転換計画を展開しとる。目標は2050年カーボンニュートラル実現や。興達は台湾で2番目に大きな炭素排出ユーザーで、主な原因は老朽化した石炭火力発電ユニットや。今、これらのユニットは最先端のガス火力ユニットに置き換えられようとしとる。

新ユニットの冷却に海水を利用できるよう、彼らには2.4キロ長の通水路が必要や。でもこの暗渠を掘削するリスクは高い。工区周辺は高圧ケーブルだらけで、地下には天然ガスと石油のパイプラインがある。

「地下のパイプラインがちょっとでも不注意で漏れを起こしたら、第一に重大な労働安全事故を起こす可能性がある。漏れのために発電所は安全を考慮して必ず停止する。台湾全体の大停電を引き起こすんや。」

幸運なことに、方法を知っていれば地底の状況を「透視」できる。もちろん、これには高技術の支援が必要や。

これは地中レーダーや。地底深くに電波を発射できる。これらの波は遭遇した物質によって反射、屈折、散乱して信号をレーダーに送り返す。その後地底の3D地図を生成でき、地下物質の種類まで分析できる。

「GPSを備えとるから、地下配管の3D管網を作成できる。それから俺らの構造体のBIM(建築情報モデリング)の構築と重ね合わせる。2つを重ねた映像を電子ヘルメットに入れるんや。現場のエンジニアが電子ヘルメットをかぶると、現地パイプラインの位置がはっきり見える。エンジニアが地下掘削する時に地下の天然ガスパイプラインを識別して、誤って触れたり破損させたりするのを避けられる。」

問題は地下だけやない。地上に架設された高圧ケーブルは付近の科学園区の最も重要な電力源や。もしこれらの高圧ケーブルが損傷したら、建設作業員に致命的脅威をもたらすだけやなく、科学園区全体の停電を引き起こして世界の電子産業の重要な運営に影響する可能性がある。

エンジニアは高技術を運用して警戒の天羅地網を敷く。

「電子フェンスはレーダーと赤外線の結合のようなもんや。それが出すのは線状やけど、密度が十分密いから0.125度ごとに一本の線を打ち出す。そして360度全体が発散できる。だから打ち出されるのは網状全体の様子になる。俺らが機具を上昇させてその網面に触れた時に警報が発せられる。俺らの機具が高く上がりすぎて高圧ケーブル線に触れることを避けるんや。」

通水暗渠は「明掘覆蓋」の方法で掘削される。シールド機を使った掘削を避けることができる。

「もしトンネル全体が十分長く、例えば100キロやったら、シールド工法で施工すれば1キロ当たりのコストは比較的安くなる。でも俺らの循環水暗渠は約3キロやから、シールドを使ったら初期費用が非常に高くなる。」

まず、幅広い溝を掘る。溝内に3本の専用水路を建設する。各水路は幅3メートル、高さ6メートルで、それぞれ新しい3組の蒸気タービンに対応する。これらの水路は大量に流入する海水を運ぶ責任を負う。建設完了後、溝は埋め戻されて覆われ、地底に安全に隠される。

水素技術への期待

興達発電所が全面転換を進める一方で、台北の実験室では技術の突破が発電所のカーボンニュートラル未来に希望をもたらそうとしとる。

「天然ガス燃焼は石炭に比べて炭素排出が相対的に少なく、同時に硫黄酸化物、窒素酸化物などの他の汚染物質の排出も少ない。でもそれは依然として化石燃料の一種で、やはり二酸化炭素を排出する。この問題が解決されへんかったら、天然ガスは徐々に淘汰される可能性がある。」

呉博士と中央研究院チームは精密な化学構造再編成によって天然ガス中の炭素を徹底的に除去する研究をしとる。

「天然ガスは1個の炭素原子と4個の水素原子で構成されとる。俺らの脱炭素水素燃焼の原理は、1個の炭素と4個の水素の間の結合を断ち切って水素ガスと固体の炭素生成物を形成することや。炭素を捕獲して、発電した電気で炭素排出を減らすことができる。」

彼らはプラズマ分解という方法を使う。イオン化ガスが直接天然ガス分子を分解し、炭素を分離して粉末状のカーボンブラックとして沈積させる。

カーボンブラックの用途は非常に広い。タイヤ産業からインク塗料まで、電池材料にも運用できる。最も重要なのは、これらの炭素が大気中に排出されへんことや。

分解過程では水素も分離される。つまり宇宙で最も基本的な元素や。水素は2個の水素原子で構成されとるから、燃焼過程で酸素と結合した後、2個のHと1個のOしか生み出さへん。H2Oつまり水や。だから唯一の生成物は水だけで、他の化石燃料に比べて比較的クリーンなエネルギー源と言える。

もしこの実験が成功したら、従来の発電方式を徹底的に変える可能性がある。

2023年末、興達発電所は小規模試験燃焼を開始した。水素を天然ガスに混入して燃焼発電する。得られた成果は非常に優秀やった。

「俺らのこの試験ユニット、91MWのユニット量で言うと、1時間ごとに5%の水素を混入して1時間運転すれば、約1トンの炭素を削減できる。だから1年に7000時間運転すれば、約7000トンの炭素を削減できる。未来も水素混入比率を増加する方向に向かう。」

水素で天然ガスを完全に置き換えるのはまだ多くの挑戦に満ちとるけど、一旦成功すれば台湾最大の炭素排出源が徹底的に消失する。

最終段階の挑戦

この間に、興達発電所の転換任務は大きな挑戦に直面した。新しい通水路は旧工場の出水口に併入しなければならへん。冷却海水がここから排出できるようにや。でもこの接続工事は水流が途切れへん状況で進めなあかん。そうやないと旧発電所が停止しなければならへん。

エンジニアはこの強大な水流をコントロールする方法を考えなあかん。そうしてから順調に施工できる。

「出水明渠のこの部分は以前の海岸や。俺らはこれらの地下のサンゴ礁、消波ブロックなどを取り出した後で、鋼管板杭を打ち込んで、それから冠壁を施工する。冠壁施工完了後、内部で浚渫、投石、RCブロック設置などを開始する。最後に鋼管杭を切断してそれを連通させる。」

聞こえは簡単かもしれへんけど、実際はそう簡単やない。ここの水流速度は速く、水圧は大きく、流量は驚くべきもんや。もし出水口が順調に建設できへんかったら、新工場の発電ユニットは稼働できへん。全ての努力がこの最後の関門にかかっとる。

地域との共生

蘇班長は一生石斑魚を養殖してきた。これは台湾の看板グルメの一つや。

この魚は時間と細心な世話が必要で、そうしてから良く育てられる。

「龍膽を養殖することについて俺がよく言う言葉がある。石斑を長く養うと、みんな臆病になるんや。俺が育てた龍膽は最低5年は養殖せなあかん。魚の稚魚を買ってきた時は20センチやけど、1年養殖しても2斤にしかならへん。龍膽は大きいほど食べがいがある。皮に弾力があって肉質も非常に美味しい。」

石斑魚の養殖環境は非常に重要や。そうやないと、蘇班長がどんなに心を込めても無駄になる。

「この魚を養うには、まず水質と土質を良くせなあかん。最も天然の水を使ってこの魚を養わへんと、良く育たへん。俺らの永安地区、約400甲余りの養殖区域は、100%海水を利用して養殖しとる。」

興達発電所周辺、7キロに延びる海岸は台湾最大の養殖漁業基地の一つや。石斑魚から南台湾の代表魚種であるサバヒー(虱目魚)まで、この純粋な海水がここで養殖される魚を体型と品質の両面で絶対的優位性を持たせとる。

そのため、もしこの魚塭に囲まれた新発電所が21世紀の未来発電所への転換を希望するなら、高技術を備えるだけでは不十分や。周辺の自然環境の良い隣人にもならなあかん。

チームは双方にとって有利な解決策を提案した。この方法は新発電所が順調に運営できるだけやなく、養殖漁民の大問題を解決するのにも役立つ。

「俺らが魚を養うのに原則として一番怖いのは、気象予報でいつ寒くなるかを言われることや。10度以内まで冷えると俺らは戦々恐々や。2016年に大寒害があった時、俺らここの水温は7〜8度しかなくて、俺らの龍膽と龍虎班の85%〜90%が死んだ。」

発電過程で発生する温排水は海に戻る前に、まず魚塭で使用される。この温排水は平均して海水より約5度高いため、漁民が冬に寒害に対抗する時の最高の武器になる。

「冬にこの水の提供があれば、俺らは後顧の憂いがなく、心配する必要もない。正直言って、これも世界で工業と養殖業が結合した良い事例や。俺らも誇りに思う。」

魚塭だけやない。発電所周辺にはまだ40ヘクタールを占める湿地がある。ここには茂密なマングローブがあり、渡り鳥が移動する時の重要な休憩地でもある。

発電所はこの野生環境に巧妙に融合し、干渉しない方式で生態系と共存しなければならへん。

「新工場の全ての発電ユニット区域は北側に集中させて、鳥類保護区は南側に位置させる。この設計理念は影響を最小限に抑えることを希望して、保護区をできるだけ騒音、振動、排出が比較的多い区域から遠ざけることや。」

「俺らの速度制限は時速40キロで、同一時間内に道路を走行する重機械数に厳格な制限がある。つまり複数台の重機クレーンが同時に走行することはできへん。生態系への影響と干渉を最小限に抑えることを希望しとる。」

「環境保護以外にも、俺らは生態発電所でもある。非常に多くの湿地と湿地緩衝区を保留したからや。この2年間の建設過程から俺らは分かる。鳥類は減るどころか増えとる。毎年黒面琵鷺が100〜200羽余り俺らここに飛んでくる。俺らの建設過程と環境保護は両立できることが分かる。」

転換の成功

全てが計画通りに進んだ。新しい出水路は順調に旧の出水口に併入された。施工チームは簡単な感謝式を行って1号機の通水を祝った。

次に、正式な通水の準備ができた。まず、1号抽水ポンプが順調に起動。海水が冷却循環水システムに抽水され、2.4キロの暗渠を通過して、最後に出水口から順調に出海した。

「1号機通水は俺らのこの工事で最も重要なマイルストーンや。俺らの工事全体の地底構造工事と臨海構造工事が完成に近づいていることを象徴しとる。俺らのこの工事で最も危険で困難な施工が全て円満に解決されて達成されたことを象徴しとる。」

冷却水システムの開通と共に、1号発電機も正式に点火起動した。これは興達発電所転換の重要なマイルストーンや。旧の石炭火力ユニットも廃止の準備をしとる。

次に、新工場の全てのユニットが順次完工する。初期成功を得た後、水素混焼の比率も10%以上に調整され、年々増加していく。

興達発電所は徹底的に変化しとる。もはや悪名高い炭素排出大戸やない。より低炭素の電力で台湾の世界をリードする科技産業により多くの動力を提供しようとしとる。

「俺は非常に光栄にこの工事任務の実行に参与できた。俺はよく俺のチームに言うんや。台湾の灯りがつく時はいつでも、その中に俺らの努力の一部が含まれとる。これは非常に感動的なことや。俺らがする仕事がこれらの国家と民衆の生活に深遠な影響を与えとるからや。」

「興達は南部にとって実際にはリーダーや。新ユニットの建設は実際に俺らの旧石炭火力ユニットが廃止され、置き換えられることを代表しとる。だから減炭素の貢献において実際に代表性がある。電気は誰もが必要なもんや。でも俺らも両立させる。どうやって優質な電力を提供するか、でも相対的に環境の部分も保護できるようにするか。結局、地球は一つしかない。みんなで共同して愛護せなあかん。」

興達発電所の転換は完璧やないかもしれへん。結局まだ化石燃料を使用しとるからや。でも過去と比べれば、これは画期的な変貌や。転換後の発電所は炭素排出量を大幅に削減し、同時に日々成長する電力需要も考慮しとる。

でもこれは終点やない。未来に向かう第一歩や。俺らの最終目標は依然として明確や。クリーンなエネルギー、ゼロカーボンの未来、そしてより安全で持続可能な地球。

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