
1,406 文字

この星付きラーメン、たった1000円なんです。1日たった70人しか提供されへんのですわ。何時間も並んで、運良く味わえる人になりたいと待っておられます。だってこれは、ただのラーメンやないんです。
松村泰志シェフは、45年もの間、高級料理のメニューを作り上げてこられました。フランス料理のテクニックを駆使して、独特のスープのベースを作られてます。
毎日自分で材料も準備されてます。チャーシュー(煮豚)、味玉(味付け卵)、そしてフレンチのコンソメみたいな、あっさりとして透き通ったスープ。普通のラーメンやったら、濃くて塩っぱいタレを出汁で薄めて味を出すんですけど、ここでは余計なタレは一切使いません。味は全て、スープの仕込みから生まれるんです。
完成までに30時間以上かかります。まず鶏とアヒルのだしを取るところから始まります。そこに昆布を入れて、干ししいたけ、ドライトマト、イタヤ貝(日本のホタテ貝)、生姜、青ネギを加えます。
「この部分は肉ご飯用に取っておきます」
そして松村シェフは、全部を6時間かけて煮込みます。
濾して冷やして、24時間寝かせます。スープがあっさりしてるから、味を吸収する特別な蕎麦麺が必要なんです。そこで松村シェフは、この料理のために独自の麺を開発されました。浅草開化楼という有名な製麺所で毎日作られてます。セモリナ粉を使って、イタリアンパスタに似た水分量で作られてて、生ハムとトマトの味わいに合うように仕上げられてます。
普通の蕎麦より長くて細い麺なんです。これによって一口ごとに、スープの旨味とコシのある麺のバランスが取れるんです。
卵も24時間以上かけて準備します。まず卵を、黄身がちょうど固まり始めるくらいまで茹でます。お湯の中で3分だけ茹でて、すぐに氷水に入れるんです。
これで白身は固まりつつ、黄身はトロッとした状態に保たれます。最後に準備するのがチャーシューです。チャーシューは元々広東式のバーベキューポークなんです。お店が開く前の毎朝、松村シェフがチャーシューを仕込まれます。大きなフライパンで豚バラを焼き付けて、特製のタレに浸してから真空パックにして味を染み込ませます。
最後に豚バラを焼き上げて完成させます。銀座八号でラーメンを作る過程で一番大事なのは、スープを完成させる豚肉を加えることです。松村シェフは豚肉の味付けに細心の注意を払われます。繊細な味わいで評価の高いフランスのゲランドの塩が、豚肉にぴったり合うんです。
スープを飲む時は、麺が長いので最低3回はすすらなあきません。そうすることでスープの香りが広がって、より美味しくなるんです。松村シェフは、一皿100ドル以上する料理を作ってきた経験を持ってます。
「これは水出し焙じ茶です。どうぞ」
銀座八号では、普通の人でも体験できる贅沢なラーメンを作り上げられたんです。
お店の名前にもその精神が表れてます。東京の高級ショッピング街がある銀座にあるけど、「八号」っていうのは8.5坪、約28平方メートルっていう意味なんです。この小さな空間やからこそ、お手頃な価格を維持できるんです。
もう一つの理由は、食材を無駄にしないこと。そのために、できるだけ多くのお客さんを受け入れるんじゃなくて、松村シェフは決まった量の食材を用意して、なくなったら営業を終了されるんです。
あなたも、いつか銀座八号のラーメンを味わえる幸運な一人になってみたくないですか?


コメント