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今の状況よりも、たとえ最悪の取引でもマシやったんちゃうかな。これは国際政治関係において大きな転換期になるという意味で、いくつかの分野で課題があるんやけどな。
トランプがウクライナを売り渡すことで、強い大統領としての評判を危険にさらすとは思えへんわ。もちろん、彼の政権下でウクライナとの取引や解決に向けた動きは出てくるやろうけど、それがどういう形になるかわかるまでにはまだまだ時間がかかるで。
これからは重要なポストに誰を任命するかにもよるんや。国防長官は誰になるんか、国務長官として外交を担当するのは誰なんか、国家安全保障顧問は誰になるんか、CIAのトップは誰になるんか、そういうことやな。
トランプはバイデンと比べて、アメリカの武器がウクライナでどう使われるかについてリスクを取ることを恐れへん人やから、ウクライナが持つことになる長距離アメリカ製兵器の使用制限を解除するかもしれへん。そうなると、プーチンとトランプの会談の文脈では、ウクライナ戦争に関するロシアの兵站がより大きな打撃を受けることになるかもしれんな。
正直なところ、どういう展開になるかはわからへんけど、トランプは取引の人やということは皆知ってるわな。取引の交渉に入るときは有利な立場でいきたいもんや。弱い立場でプレイしたいとは思わへんやろ。
敵と話をすることができるんやったら、全くコミュニケーションを持たへんよりはええと私は常々思うてるんや。そして、先ほども言うたように、今の状況でトランプがウクライナを売り渡すとは思えへんわ。
バイデン政権のウクライナに対する姿勢は、最終的には正しい方向に向かったものの、非常に慎重やった。準備が遅かったんや。もっと早くできたはずや。トランプやったらもっとはっきりした状況になってたかもしれへん。
ハリスに関しては、外交政策については未知数やったと思うわ。彼女の下でどういう展開になってたかは想像もつかへん。
「ウクライナに勝ってほしいとは言えへんけど、こう言うわ。ヨーロッパにもっと金を出してほしい。向こうは200億ドルやのに、こっちは1700億ドルも出してる」というわけや。
ヨーロッパ諸国が防衛負担をもっと担って、ヨーロッパの安全保障をアメリカに頼らんようにするのは、私の本では良いことやと思うわ。これは遅すぎるくらいや。実現までには時間がかかるやろうけど、我々全員が防衛費を増やす必要があるんや。
この政府がそれを二の次にしてることには非常に憤りを感じるわ。防衛レビューの報告まで1年から1年半もかかるいうし、レイチェル・リーブスの予算案にも追加の防衛支出の財源についての言及がない。これは国民保健サービスの改革と同じくらい重要な問題やと思うで。今の国際情勢の不安定さを考えると、政府の最優先事項の一つにすべきやと思うわ。
和平案に関して言うと、非常に興味深いところがあるんや。ロシアとの境界線は現状で凍結され、非武装地帯が設けられる。その非武装地帯がどれくらいの規模になるかはわからへんけど、ウクライナは少なくとも20年間はNATOに加盟できず、その代わりにアメリカがウクライナの安全を保障するということやな。
これはもっと詳細を詰める必要があるわ。プーチンは昨日、ヴァルダイクラブで非武装地帯には賛成やけど、ウクライナは現状を受け入れなあかんと言うてた。ウクライナの4地域が「ロシアの支援を要請した」らしいんやけど、その要請がどこから来たんかは知らんけどな。
ロシアの憲法上、これらの地域は今やロシア連邦の一部やから、ウクライナはドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソンから軍を撤退させなあかんと言うてる。さらに、ロシア政権の一部じゃない人々、いわゆるZプロパガンディストたちは、歴史的なルーシの地であるハリコフ、オデッサ、キエフなどからも撤退せなあかんと言うてるんや。
非武装地帯が何を意味するんかもわからへん。5マイルかもしれへんし、50マイルかもしれへんし、500マイルかもしれへん。ロシアは20年という期限も受け入れへんやろ。戦争開始時から、ウクライナの永久中立化を求めてきたんや。20年というのは単に問題を先送りにしてるだけで、受け入れられへんやろな。
そして最後の疑問は、トランプがウクライナに武器を提供するというのは具体的に何を意味するんかということや。毎年数発のENLAWSを提供するだけなんか、それともF-16やATAMSなど、実際に自衛できる能力を与えるんか。
クレムリンが非友好国に平和維持活動をさせるとは思えへんわ。ロシアは旧ソ連地域、もっとええ言い方があればええんやけど、ソ連の一部やった地域はロシアの個人的な領域やと主張してきて、平和維持活動もロシアがやると言い張ってきた。これはジョージア、モルドバ、ナゴルノ・カラバフ、アルメニアでも見てきたことやな。
ロシアは非武装地帯の平和維持活動にも関与せなあかんと強く主張するやろ。兵士をどこから集めるんか、国連ミッションになるんか、その場合の資金調達や支援はどうするんか、非武装地帯をどうやって監視するんか、もしロシア軍が少数でも非武装地帯に入ってきた場合、排除するんか、それともウクライナ側の陣地に向かって歩いて行くのを許すんか、まだわからへんことばかりや。
トランプの次の動きを予測するのは難しいけど、ゼレンスキーに電話するやろうし、プーチンにも電話するやろな。三者同時通話にはならへんけど、トランプがゼレンスキーとプーチンの間を行ったり来たりして、「プーチンがこう言うてた」「ゼレンスキーがこう言うてた」という具合になるんちゃうかな。
交渉を試みるかもしれへん。2017年にヘルシンキでプーチンと会った時みたいに、また会談を持つかもしれへんし、ゼレンスキーとも同じようにキエフかリヴィウか、あるいはワルシャワあたりで会うかもしれへん。
プーチンは和平案に対してより前向きになるやろ。というのも、交渉を弱さの表れと見てるからや。ドナルド・トランプが交渉の準備をしてるということは、基本的にウクライナが見捨てられるということを意味する。そうなるとヨーロッパは受け入れるか、別の選択肢を見つけるかせなあかんのやけど、それはまた別の問題や。
もしドナルド・トランプがウクライナをプーチンとの交渉に引きずり込むことを決めた場合、近い将来ヨーロッパにできることはあまりないやろな。プーチンからしたらアメリカが弱いということになる。西側が弱いと見るわけや。これは彼が常々信じてきたことやけど、結果としてキエフへの独裁的な命令になりかねん。「これがこれからの展開や」というようにな。
ウクライナが何か得られるとしたら、EUへの加盟を保証されるわけではないけど、EU加盟に向けて後押しされるということくらいかもしれへん。でもロシアはそれを発表された途端に必ず何らかの形で妨害するやろな。ロシアはずっとそういうやり方をしてきたんや。
ウクライナにとっては特に暗い時期になるやろな。2024年は暗い年になってる。バイデン政権は「必要な限りウクライナを支援する」というスローガンを使ってきたけど、これは間違ってたと私は思うわ。「できるだけ早くこの戦争に勝つためにウクライナを支援する」というべきやった。2022年からそうすべきやったんや。今となってはバイデンが背負うことになるやろうけどな。
今、2024年のドナルド・トランプの当選で、和平案が実行されることになったら、彼はゼレンスキーに「この和平案を実行せんかったら、支援はせえへんで。頑張ってな」と言うんちゃうかな。今のヨーロッパの状態では、アメリカと同じレベルでウクライナを支援することはできへん。ポーランドやエストニア、イギリスがやってきたことは素晴らしいけど、アメリカと同じような軍事装備や機械、ストックハウスは持ってへんからな。
希望は最後に死ぬというけど、私の希望としては、ドナルド・トランプ…いや、ウラジーミル・プーチンが交渉を拒否して、2022年にウクライナから奪った4つの「共和国」の非武装地帯以上のものを得られると考えて、さらに進出しようとすることや。トランプは弱く見られるのは嫌いやから、もしかしたら…これは希望的観測かもしれんけど、「交渉は試みたけど、モスクワの奴は聞く耳を持たへん。聞かせるしかない。つまりウクライナを支援せなあかん」と言うかもしれへん。
それにはトランプに backbone(芯)が必要やけど、それは疑問やな。でも希望は死なへんと言うし、今はかすかな希望にすがるしかないんや。現時点では答えよりも疑問の方が多くて、見たところウクライナは今後厳しい時期を迎えることになりそうやな。


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