ハーバード大学教授が語る: ランニング、呼吸、座ることについて彼らは嘘をついてる! – ダニエル・リーバーマン

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Harvard Professor: They’re Lying To You About Running, Breathing & Sitting! - Daniel Lieberman
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(ナレーション) がん、暴力、攻撃性、肥満、ストレス…複雑な問題を全部解決したいんやったら、これは物議を醸すかもしれへんけど、大半の証拠が示唆してるのは…
ダニエル・リーバーマンは、ハーバード大学の教授で、人類の進化の過去の情報を使って、今日の健康危機を理解し、長くて健康な人生を送る方法を人々に教えてるんや。
西洋世界の大多数の人が、ミスマッチ病で死ぬことになるんや。慢性的なストレスがそうやな。これをミスマッチって呼んでるんや。肥満、心臓病、多くのがんもミスマッチや。
それは、今の世界では信じられないほどの快適さを得られるようになったからなんや。例えば、医療の主な訴えは腰痛やねん。この快適な椅子に座ってると、背中の筋肉を全然使わへんから、持久力のない弱い背中になってしまうんや。
仕事中にたくさん座って、余暇の時間もたくさん座る人は、病気のリスクがずっと高くなるんや。身体活動をせんかったら、骨格も十分に成長せえへんし、25歳から30歳を過ぎたら、残りの人生ずっと骨を失い続けるんや。
この高度に衛生的な世界でも、アレルギーやさまざまな自己免疫疾患にかかりやすくなってるんや。なぜかって言うと、免疫システムがあんまり挑戦されへんから、間違って自分を攻撃してしまうんや。
有名な研究でも示されてるけど、国が豊かになればなるほど、がんの発生率が高くなるんや。バングラデシュの女性がイングランドに移住すると、がんの発生率がぐっと上がるんや。これは食事や身体活動、ストレスなど、現代世界で変化したもんに、私たちの体がうまく適応できてへんからなんや。
(ホスト) ほんまにたくさんのことがあるなぁ。今日できる行動的な結論はあるんかな? これらのミスマッチ病にかかるリスクを減らすために。
(ダニエル) そうやな、2つあると思うわ。まず1つ目は…
(ホスト) ちょっと待ってな。YouTubeチャンネルの裏側の話をさせてもらってもええかな。このチャンネルをよく見てくれてる人の69.9%が、まだサブスクライブしてへんのや。お願いがあるんやけど、このチャンネルの成長にめっちゃ役立つから、サブスクライブしてもらえへんかな。ゲストの質を上げたり、制作の規模を拡大したりするのに役立つんや。もしこの番組を前に見たことがあって、今見てる回も気に入ってくれたなら、サブスクライブボタンを押してくれへんかな。ありがとう。その代わりに、ここでやることすべてをどんどん良くしていくって約束するわ。
(ダニエル) 僕の肩書は、ハーバード大学の人類進化生物学の教授や。
(ホスト) それってどういう意味なん?
(ダニエル) 楽しい仕事やねん。僕らの学部では、人間がなぜ今のようになったのかを研究してるんや。それが今日の人間にどう関係してるかにも興味があるんや。僕の専門は人間の体を研究することや。人間の体がどうやってできたのか、なぜそうなったのか、そしてそれが健康や病気にどう関係してるかに興味があるんや。特に人間の身体活動の進化に関する研究をしてるけど、食事やその他の体の使い方にも興味があるんや。
(ホスト) なぜそれが重要なんや?
(ダニエル) 私たちは設計されたわけやないからや。エンジニアリングされたわけやない。進化したんや。だから、なぜ私たちがこうなったのかを理解するには、その進化の歴史を理解せなあかんのや。問題を解決したいなら、今日直面してる大きな問題、肥満とか心臓病とかがんとか暴力とか攻撃性とか、こういうもんすべてに進化的な起源があるんや。進化的な起源を理解することが、解決策を見つけるのに重要なんや。
(ホスト) 私たちが食べるものは、私たちの物語の出発点やと思うんやけど、狩猟採集とか農業とかについて考えてるんや。人間と動物を比べると、私たちはめっちゃ脆弱で不十分やと思うんや。視力もそんなによくないし、めっちゃ弱いって本に書いてあったよな。ほとんどの猿は人間より強いって。リスの方が人間より速く走れるって。
(ダニエル) 実は、私たちの脆弱さや弱さを少し誇張してると思うんや。チンパンジーは私たちの一番近い親戚やけど、たぶん30%くらい強いんやろな。チンパンジーと腕相撲したくないよな。四足動物のほとんどは私たちよりずっと速く走れるんや。
人類の進化について、頭脳が筋肉に勝ったみたいな物語があるよな。道具と言語を持ってて、それで世界を征服して支配的な種になれたみたいな。それには一理あるんや。技術、言語、コミュニケーション、協力、これらすべてが人間の成功に不可欠やった。
でも、アスリートとしても私たちはかなり印象的やと思うんや。ほとんどの動物より長距離を走れるんや。男性も女性も、持久力の面ではめっちゃ印象的なんや。投げたり蹴ったりもできる。私の犬にはできへんようなことがたくさんできるんや。
食事に関しては、私たちは究極の雑食動物や。何でも食べられるんや。ほとんどの動物は食べられるものがかなり限られてるけど、私たちは技術のおかげで、料理や食品加工、そして消化器系の性質のおかげで、ほぼ地球上のどんなものでも食べられるようになったんや。
驚くべきことに、人間はどんな種類の食事でも対応できるんや。ヴィーガンになることもできるし、肉だけの食事もできる。私たちの肝臓は何でも何にでも変えられるんや。脂肪を炭水化物に、炭水化物を脂肪に変えられるんや。食べられるものの範囲がめっちゃ広いんや。
(ホスト) 進化の歴史や、今も存在する狩猟採集民族のことを考えると、現代世界で健康な人間として生きる方法のすべての答えが、狩猟採集の祖先を見ればわかるって考えに陥りがちやけど、それは本当なんやろか? 幸せで健康な生活を送る答えを持ってるんやろか?
(ダニエル) すべてが複雑になってくるんや。ある程度、私たちはそれを「パレオ・ファンタジー」って呼んでるんや。狩猟採集の生活に戻れば問題がなくなるって考えや。狩猟採集民に暴力がなくて、病気にもならへんし、すべてが上手くいくみたいな。でも、そんな単純やないんや。
例を挙げるとしたら、殺人やな。農業の起源以来、人間がめっちゃ暴力的になったって考えがあるけど、実際に民族誌的な記録を見ると、狩猟採集民も私たちと同じくらい暴力的なんや。彼らも人間やからな。情熱や貪欲さ、その他の理由で殺しをするんや。狩猟採集民の間にも殺人や戦争があるんや。
確かに、狩猟採集民は肥満の問題や代謝症候群はないし、おそらく心臓病も私たちほどはないやろ。彼らのやってることで真似する価値があるものはたくさんあるけど、すべての面で模範になるわけやないんや。
自然選択が気にしてるのは、生き残る子孫をどれだけ持てるかってことだけや。それが自然選択が気にする唯一のことなんや。生命の方程式は、食べ物を入れて赤ちゃんを出すってことや。自然選択から見たら、それが私たちがここにいる理由なんや。幸せになることや優しくなること、充実感を得ることは関係ないんや。もちろん、そういうことが起こるのはええことやけどな。
私たちは狩猟採集民として進化したんや。何百万年もの間、私たちの祖先は狩猟採集民やった。でも、彼らが持ってた適応は、主に、まず第一に繁殖の成功に関するものやったんや。私たちは健康のために食べ物を食べるように進化したんやない。繁殖の成功を高めるための食べ物を食べるように進化したんや。健康になるように進化したのは、健康が繁殖の成功を促進する限りでのことやったんや。
だから、祖先がなにかをしてたからって、それが健康に最適やって単純に考えるわけにはいかへんのや。繁殖の成功に最適やったって考える方が理にかなってる。そして、それはその環境やコンテキストの中での話やってことを覚えておかなあかん。物事は変わってきてるんや。
(ホスト) 肉を食べるべきか、それともヴィーガンやベジタリアンになるべきかについての大きな議論があるよな。それについてどう思う? 進化的に見て、私たちは肉を食べるようになったんやろか?
(ダニエル) それはナンセンスやな。人間は約250万年前から肉を食べ始めたんや。少なくとも250万年前、もしかしたらそれ以上前から。それが私たちの進化の歴史で極めて重要な役割を果たしたことは間違いないんや。
チンパンジーでさえ、私たちの一番近い従兄弟やけど、機会があれば時々肉を食べるんや。頻繁には手に入らへんから、彼らの食事の5%未満くらいしか肉やないけどな。
進化的な観点から見ると、私たちは食事の一部として肉を食べるように進化したんや。でも、もちろん人間は肉を食べずに生きていけるし、問題なく過ごせるんや。実際、いくつかの利点もあるんや。なぜかって言うと、私たちは健康になるように進化したんやないってことを覚えておかなあかんからや。
祖先が肉を食べてたから、あるいは食べてなかったからって、今日の健康に最適やってことにはならへんのや。それはめっちゃ貧弱な考え方や。論理的やないんや。
私たちの祖先は読むように進化してへんかった。だから読むべきやないんか? 読むことは数千年の歴史しかないんや。だから、進化理論やデータをどう使うべきかについて、そういう考え方は正しくないんや。
事実は、私たちはほぼすべてのものを食べるように進化したってことや。私たちは究極の雑食動物なんや。人間が食べる食品の範囲の広さは驚くべきものや。
例えば、カラハリ砂漠の典型的な狩猟採集民は、約800種類の植物と多くの種類の動物を食べるんや。それはカラハリだけの話や。人類は過去数十万年の間に、ほぼ地球のあらゆる場所に移動してきた。そして、どの場所でも食べ物を見つけたんや。
人間は北極圏に住んでる。そこでは多くの季節で肉以外ほとんど食べるものがないんや。北極圏の冬に植物性の食べ物を手に入れるには、狩りした動物の腸の中身を食べるしかないんや。
人々は海の近くに住むようになって、魚や貝を食べるようになったんや。熱帯雨林に住んで、虫や鳥、サルを食べるようになったんや。地球上のどこに行っても、人々はさまざまな種類の食べ物を見つけ出したんや。
私たちがこんなに雑食になれた理由の1つは、めっちゃ柔軟な消化系を持ってることに加えて、食べ物を加工する技術も持ってるからや。料理したり、発酵させたり、すりつぶしたり、切ったりすることで、驚くほど多様な環境に適応できるようになったんや。そのおかげで、驚くほど多様な食べ物を食べられるようになったんや。
だから今、私たちはどんな食事に進化したんやって聞かれても、答えるのは不可能な質問やねん。
(ホスト) 狩猟と採集を学んだ時期があったんやろか? それが肉をもっと食べるようになった転換点やったんかな?
(ダニエル) まず、ある日突然、空から稲妻が降ってきて、バーンって狩りの仕方を理解したわけやないんや。私たちの類人猿の従兄弟たちも、機会があれば狩りをするんやけどな。
でも、約700万年前に二足歩行になったとき、つまり2本足で歩くようになったとき、私たちは遅くなったんや。チンパンジーは走るとき、基本的に4本足でギャロップできるんや。めっちゃ速いんやけど、長距離は走れへん。木にも人間じゃ考えられへんくらい速く登れるんや。
約700万年前、チンパンジーの系統から分かれたとき、私たちは2本足で歩く生き物になったみたいなんや。2本足しかないと、4本足の半分の速さしか出せへんのや。シリンダーが半分になった車みたいなもんや。パワーが半分になるんや。
だから、初期の祖先はめっちゃ遅かったに違いないんや。チンパンジーほど速く走れへんかったし、確実に狩りをするほど速くなかったんや。だから、数百万年の間、肉は食事の中でチンパンジーよりも珍しかったんやないかな。
でも、約300万年前から、石器が考古学的記録に現れ始めるんや。骨に切り跡がついてるのも見つかるんや。そして約250万年前から260万年前くらいから、動物の骨に切り跡がついてる考古学的遺跡が見つかるんや。これらの動物は明らかに解体されてたんや。
200万年前になると、人間が実際に狩りをしてたという明確な証拠が出てくるんや。これらの動物が単に死骸あさりされたんやなくて、確実に狩られたってことがわかる証拠があるんや。
つまり、300万年前から200万年前の間のどこかで、狩りが祖先の生活の一部になったってことやな。同時に道具も作ってたし、協力もしてたはずや。何らかの形のコミュニケーションもあったやろうし、幅広い食べ物も食べてたはずや。
例えば、私たちが「抽出採集」って呼ぶものもやってたんや。これは地下の貯蔵器官、つまりイモとかを食べることや。ただ植物から実や葉っぱを摘むんやなくて、地面の下にある高品質の食べ物を見つけ出すんや。
ジャガイモを考えてみて。エネルギーを地下に貯めてるやろ? これはエネルギーが豊富な食べ物やけど、掘って見つけ出さなあかんのや。
この抽出採集と、狩り、協力、道具作り、道具の使用、これらすべてが組み合わさって、狩猟採集の生活様式が生まれたんや。これは300万年前から200万年前の間のどこかで出現したんやけど、これは革命的やったんや。
これは人類の進化の中で最も重要な変化の1つやと思うんや。そして、これは私たちの体の変化とも一致してるんや。
より猿に近いオーストラロピテクスから、基本的に私たちと同じような体になっていったんや。オーストラロピテクスは短い足と長い腕を持ってて、脳が小さかった。完全な猿やないけど、もっと猿に近かったんや。
例えば、ナリオコメって化石があるんやけど、これはケニア北部のトゥルカナ湖の西側で見つかったホモ属の化石や。たぶん8歳くらいで死んだ子供やったんやけど、首から下は基本的に私たちと同じなんや。
頭はまだ私たちとは少し違うけど、脳は大きくなってる。私たちほど大きくはないけどな。オーストラロピテクスみたいな突き出た鼻はなくて、顔が垂直になってる。歯も基本的に私たちと同じや。基本的に人間に向かう道を歩み始めてるんや。
だから、狩猟採集とホモ属の出現は一緒に起こったんや。これが私たちの進化の中で最も重要な大きな変化の1つやったと思うんや。実際、私たち自身の種の進化よりも重要やったかもしれへん。これによって私たちは優れた狩猟採集者になれたんや。
(ホスト) 私たちには突き出た鼻があるけど、多くの従兄弟はヴォルデモートみたいに鼻が内側に入ってるよな。これは私たちが狩猟採集者になった証拠なんか?
(ダニエル) そうや、その外側に突き出た鼻は重要なんや。チンパンジーは犬みたいに平らな鼻を持ってるけど、私たちの外側に突き出た鼻は、もちろんメガネを掛けるのにも最高やけど、一種の加湿器として機能してるんや。
空気が鼻に入るとき、小さな鼻孔を通らなあかんのや。これはベンチュリー管って呼ばれるもので、空気が狭い通路を通って、より大きな空間に入るんや。そこで直角に曲がって鼻の中に入って、さらにもう一度角度を変えて肺に向かう管に入るんや。
これらのねじれや曲がり、直径の変化によって、空気がより乱流になるんや。空気が真っすぐ流れるんやなくて、渦や様々な流れができるんや。
そうなると、空気が鼻腔の粘膜とより多く接触することになるんや。そのおかげで、空気が入るときに水分や熱を吸収できるんや。だから肺が乾燥せえへんのや。出ていくときも、その水分を回収できるんや。
めっちゃ寒い日に簡単な実験ができるんや。気温が氷点下のとき、息を吐き出してみ。蒸気がいっぱい出るのが見えるやろ? 同じことを鼻で息を吐いてみ。蒸気がずっと少なくなるはずや。これは鼻が空気を捕らえる能力の証拠なんや。
この外側に突き出た鼻は、約200万年前くらいに現れたんや。化石で鼻の縁を見ると、それが外側に反り返ってるのがわかるんや。これは軟骨が外側に突き出てて、現代の鼻を形成してたってことの証拠なんや。
(ホスト) これは今日の私たちの呼吸について何を意味するんやろか? ここ数年、呼吸や呼吸法、特に口呼吸についてめっちゃ議論があったよな。ジェームズ・ネスターさんみたいな人を番組に呼んで、習慣的に口呼吸するようになったことで、たくさんの病気が起きてるって話を聞いたんや。
走るときに口呼吸するようになったけど、睡眠の問題を抱えてる人も多いみたいやな。私の彼女は寝るときに鼻孔を広げるテープを使ってるし、手術も考えてる。うちのチームにも鼻中隔彎曲症の人がいるし、みんなが今、鼻で苦労してるみたいやな。
(ダニエル) 正直、そういう議論には少し懐疑的なんや。鼻で呼吸するだけですべての健康問題が解決できるって考えは…
まあ、呼吸はもちろん重要やけど、例えば走るときは鼻だけで息を吐くべきやって考えは単にバカげてるんや。それは間違ってる。私たちは走るときに口で息を吐くように進化したんや。実際、それができるのは人間だけなんや。
走るとき、めっちゃ熱を発生させるやろ? その熱を逃がさんと、オーバーヒートしてしまうんや。だから口で息を吐くんや。熱を出すためにな。鼻で呼吸するのは不適応やし、世界中のエリートランナーで走るとき鼻で息を吐く人なんておらへんのや。
鼻呼吸についてのこういう主張の根拠がどこにあるのか、もっとデータが見たいんや。鼻テープの効果を示すデータも見たいな。
もちろん、呼吸は重要や。より良い呼吸の仕方もあるし、悪い呼吸の仕方もある。でも、私たちはいつも複雑な問題に対する簡単な解決策を探してるんや。呼吸を直せばさまざまな病気を予防できるって考えは間違ってるんや。
睡眠時無呼吸のような深刻な問題を抱えてる人もおるけど、これにはいろんな原因があるんや。鼻中隔彎曲症もその1つかもしれへんし、肥満が原因のこともある。他にもいろんな問題があるんや。
そういう問題が起きたら、症状やなくて原因を治療したいよな。鼻にテープを貼るんやなくて、そもそもなぜそれが起こってるのかの根本的な原因を見つけて、それを解決するのが一番ええんや。
(ホスト) 汗をかくことも、私たちの狩猟採集の歴史における転換点と関係あるんかな? 猿でも、私の犬のパブロでも、口以外からは汗をかいてないみたいなんや。
(ダニエル) その通りや。ほとんどの動物が冷却する方法は、パンティングって言うんや。口や鼻から息を吐くんやけど、そのとき空気が鼻や口の粘膜を通過するんや。
そうすると、舌やその他の表面で蒸発が起こるんや。液体が気体に変わるんやけど、これにはエネルギーが必要なんや。エネルギー保存の法則によって、水1ミリリットルが液体から気体に変わるのに、たしか561カロリー(小さいカロリー単位)のエネルギーが必要なんや。
これによって舌や鼻の表面が冷えるんや。そして、その後ろには血液があるんや。舌を切ったら血が出るやろ? 鼻を切っても同じや。そこにはめっちゃたくさんの血管があるんや。たくさんの動脈や静脈がな。
だから、舌や鼻のすぐ下にある血液を冷やすんや。そして、その冷えた血液が体を冷やすんや。これがパンティングで動物が冷える仕組みなんや。
トカゲを見てみると、ガルピングって呼ばれる方法も使うんや。走って、それからパンティングして、また走って、またパンティングするんや。これは過熱を防ぐためなんや。
人間の場合は、汗腺を持ってるんや。ほとんどの動物には2種類の腺があるんや。1つはエクリン腺って言って、これは私たちが脇の下や性器の周り、耳にあるやつや。これらは脂っぽい物質を作るんや。臭いの原因になったり、耳垢を作ったりするんや。
ほとんどの哺乳類はこのエクリン腺を持ってるんやけど、アポクリン腺っていう水っぽい物質を作る腺もあるんや。ほとんどの哺乳類では、これは手のひらや足の裏にだけあるんや。
指を濡らすと本のページをめくりやすくなるやろ? それと同じで、なんか握るものに対してより良い握力を得られるんや。ネズミみたいな動物が捕食者から逃げるときに、手に汗をかくと木に登りやすくなるんや。
ほとんどの哺乳類はアポクリン腺を手のひらにだけ持ってるけど、サルの場合は体にも少し汗腺を持つように進化したんや。でも多くはないんや。チンパンジーやサルは体に少し汗腺があるけど、人間はそれを10倍くらいに増やしたんや。サルやチンパンジーに比べて、汗腺の密度が10倍くらいあるんや。
そして、毛も失ったんや。毛があると、皮膚の近くでの空気の対流を妨げるんや。だから、毛のない皮膚で汗をかくと、水分が蒸発して、空気がそれをすぐに運び去るんや。そうすると、どんどん水分を蒸発させ続けられるんや。
基本的に、私たちは体全体を舌みたいなもんにしたんや。だから、身体活動をしてるときや暑い環境にいるときに、めっちゃたくさんの熱を放出できるんや。これは祖先にとってめっちゃ重要やったんや。
狩りをするとき、私たちには大きな利点があったんや。足や筋肉、アキレス腱など、走るための適応があるだけやなく、この信じられないほどの体温調節能力もあったんや。追いかけてる動物にはこれがないんや。動物は熱中症で死んでしまうかもしれへんけど、私たちは大丈夫なんや。
これがいつ起こったかはわからへんけど、狩りが始まる前のオーストラロピテクスの祖先たちにもあった可能性があるんや。彼らは二足歩行やったから、そんなに速くなかったんや。
だから、真昼の暑い時間に食べ物を探しに行ってたかもしれへん。その時間帯なら、彼らを追いかけたい肉食動物も活動してへんからな。肉食動物からしたら、ガゼルを食べるかオーストラロピテクスを食べるか、どっちが簡単やと思う? オーストラロピテクスの方が速さが半分くらいやから、簡単な獲物やろ?
だから、初期の祖先は、肉食動物から逃げるのが遅すぎたから、真昼の暑い時間に食べ物を探してたかもしれへんのや。そうすると、熱を効果的に放出する能力がめっちゃ重要やったかもしれへん。
だから、汗をかく能力は狩りの前に来てた可能性もあるんや。ただ、皮膚は化石に残らへんから、今のところいつ起こったかはわからへんのや。
(ホスト) 大きな脳は狩りの前に来たんか、それとも狩りを始めた結果なんやろか?
(ダニエル) 後者の方が近いみたいやな。チンパンジーの脳は典型的に約400立方センチメートル、400グラムくらいや。普通の人間の脳は1,400グラムくらいやから、チンパンジーの3〜4倍くらいの大きさやな。
進化の歴史の最初の500万年くらいの間、最初のホミニン(チンパンジーよりも人間に近い生き物)やルーシーみたいなオーストラロピテクスの脳は500グラムくらいまで大きくなったんや。まれに600グラムくらいになることもあったけど、そんなに大きくはならへんかった。
でも、200万年前くらいから脳のサイズがグラフで見るとぐっと上がり始めるんや。これはちょうど狩りを始めた頃やけど、実際には狩猟と採集の両方を始めた時期やな。
だから、システム全体やと思うんや。肉だけやないんや。肉も重要な要素やったに違いないけど、狩猟と採集のシステム全体がエネルギーをもっと得る方法やったんや。
食べ物を加工することで、もっとエネルギーを得られるようになったんや。料理したり、いろんな方法で加工したりしてな。協力し合って、新しい食べ物の源、例えば肉や骨髄、脳みたいなものを手に入れるようになったんや。
これら全部を合わせると、もっとたくさんのエネルギーが利用可能になったんや。そうすると、脳のサイズに対する制約が少なくなるんや。脳はめっちゃコストがかかるからな。
今、私たちがここに座って話してるだけでも、5回に1回の呼吸は脳のためのもんなんや。脳は代謝の20%を使ってるんや。だから、めっちゃ大きな脳を持つには、たくさんのエネルギーが必要なんや。
ほとんどの動物は大きな脳を持てへんのは、十分なエネルギーがないからなんや。狩猟と採集で、もっとエネルギーが得られるようになったんや。そうすると、選択圧がかかって、より大きな脳を持つ個体の方が有利になったんや。
大きな脳を持つ個体の方が、いろんなことでより優れてたかもしれへん。そうすると、どんどん大きな脳が選ばれていって、それがめっちゃ加速したんや。数十万年前まで続いて、基本的に現代の大きさになったんや。
そして、太ったんや。エネルギーがたくさんあって、大きな脳を持ってるから、太るんや。すべてエネルギーに関係してるんや。
(ホスト) それは理にかなってるな。もっとエネルギーを蓄えて、それから太り始めたってことやな。でも、脂肪はいくつかの理由で重要やよな。その1つが大きな脳を持つことに関係してるって聞いたことがあるんやけど。
(ダニエル) そうや。脂肪はいくつかの理由で重要なんや。その1つが大きな脳を持つことに関係してるんや。
人間の赤ちゃんが生まれたとき、脳はめっちゃたくさんのエネルギーを使うんや。赤ちゃんが生まれたとき、使うエネルギーの半分が脳のためのもんなんや。基本的に、小さな体に乗った脳みたいなもんやな。
もちろん、脳へのエネルギー供給を止めることはできへんのや。脳は常にエネルギーを必要としてる。脳はエネルギーを蓄えへんから、常にグルコースか、糖分がないときに使えるケトン体の供給が必要なんや。脂肪からケトン体を作れるんや。
クリス・カザワっていう研究者が示したんやけど、人間の赤ちゃんは生まれたとき、体重の約15%が脂肪なんや。これは他のどの種よりもずっと多いんや。この脂肪は、脳が常にエネルギーを利用できるようにするための、いわば銀行口座みたいなもんなんや。
さらに、彼は数年前にめっちゃ面白い論文を発表したんや。赤ちゃんの脳が成長してるとき、つまり生後数年間で脳が急速に成長してるときは、体脂肪レベルが下がってるんや。そして、たくさんの脂肪を蓄えてるときは、脳があんまり成長してへんのや。
成長してる間、脂肪と脳の間でエネルギーのトレードオフがあるんや。だから、大きな脳と脂肪の多い体は密接に関係してるんや。赤ちゃんが太ってるのは、人間の基本的で根本的な適応なんや。
私たちが持ってる体脂肪は、典型的な人間はほとんどの動物よりもずっと多いんや。ほとんどの霊長類は体重の4〜5%が脂肪や。ほとんどの哺乳類も4〜5%くらいや。でも、痩せてる人間でも10〜25%くらいの体脂肪があるんや。
この体脂肪は脳のためだけやなく、繁殖のためにも重要なんや。典型的な母親が授乳するとき、例えば狩猟採集民は約3年間授乳するんやけど、これはめっちゃエネルギーがかかるんや。1日約600カロリーが母乳を作るのに必要なんや。
狩猟採集民で、食べ物があんまりない状況を想像してみ。エネルギー収支がマイナスになってる、つまり使うエネルギーの方が食べ物から得るエネルギーより多い状況や。でも、授乳を止めることはできへんのや。赤ちゃんはまだそのエネルギーを必要としてる。
そんなとき、脂肪の蓄えを使うんや。良い季節にはもっと脂肪を蓄えて、悪い季節にはそれを使う。これが季節ごとに上がったり下がったりするんや。これは、身体活動を維持し、私たちのような方法で繁殖し、大きな脳を維持するための基本的な適応なんや。
これらは私たちの種の根本的な部分なんや。これらの脂肪がなかったら、私たちはここにいないんや。
(ホスト) これがダイエットがめっちゃ難しい理由なんやな。私たちはダイエットするように進化してへんかったんや。その脂肪を蓄えるように進化したんや。
(ダニエル) そうや。もちろん、必要なときにそれを使うように進化したんやけどな。でも、必要がないのに脂肪を失うようなシステムを持つように進化することはなかったんや。肥満がない状況では、そんな生理学的システムを選択する理由がなかったんや。
ダイエットしようとすると、体が私たちに逆らってるように感じるんや。砂糖への欲求とか、多くの人が言うように、ダイエットが効果がない理由は、体が今の体重を守ろうとしてるからなんや。昔は、それが生存を意味してたからな。
(ホスト) そうやな。それを「飢餓反応」って呼ぶんやろ?
(ダニエル) そうや。エネルギー収支がマイナスになるとき、つまりダイエットのとき、使うエネルギーの方が摂取するエネルギーより多くなるんや。そうすると、体は飢餓反応に入るんや。例えば、コルチゾールレベルが上がるんや。
これは緊急事態みたいなもんなんや。コルチゾールはストレスホルモンやけど、ストレスがコルチゾールを上げるんやなくて、ストレスを受けたときにコルチゾールが上がって、エネルギーを利用可能にするんや。
コルチゾールがすることの1つは、私たちをお腹すかせることや。夜、試験勉強でめっちゃストレスを感じてる学生を想像してみ。彼らはお腹がすいて、砂糖が欲しくなるんや。次の日に試験があるからストレスを感じて、コルチゾールレベルが上がって、エネルギーが欲しくなるんや。
コルチゾールは内臓脂肪、つまりお腹の脂肪を蓄えさせるようにもするんや。これは心配の種になるんやけど、実は有用な種類の脂肪なんや。お腹の周りに蓄える脂肪は、ホルモンにめっちソ敏感で、血管もたくさんあるんや。
だから、この脂肪は身体活動するときのめっちゃ良いエネルギー源なんや。今朝、セントラルパークを走ってたとき、お腹の脂肪を燃やしてたんや。でも、コルチゾールレベルが上がると、その脂肪をそういう場所に蓄えるように指示するんや。
問題は、これらの脂肪細胞が大きくなりすぎて膨らむと、機能不全になって炎症を引き起こすことや。慢性的な全身性の炎症を引き起こすんや。これは健康にめっちゃ悪影響を与えるんや。糖尿病やアルツハイマー病、心臓病など、私たちが心配してるほとんどの主要な病気、よく「ミスマッチ病」って呼んでるやつの多くが、ストレスや炎症に関係してるんや。だから過剰な脂肪、特に内臓脂肪が心配されてるんや。過剰な脂肪は炎症を引き起こすからな。
(ホスト) ってことは、ストレスが多い人ほどお腹の脂肪がつきやすいってことやな?
(ダニエル) そうや、その通りや。これが、ストレスがたくさんの病気のリスク要因になってる理由の1つなんや。心理社会的ストレスは悪影響を及ぼすんや。人種差別や差別、通勤など、ストレスを高めるようなことすべてが、健康に悪影響を与えるんや。
コルチゾールレベルを上げて、間違った場所に脂肪をつけさせるんや。コルチゾールは免疫システムも弱めるし、長期的に高いレベルが続くと、いろんな悪影響があるんや。
よく言われることやけど、例えば女性があんまり体重を落とし過ぎると、生理が止まることがあるよな。これを進化の観点から考えてみたんやけど、さっき言ってたように、脂肪は基本的に生存の証拠みたいなもんやろ。
もしそれが本当なら、これは体が基本的にエネルギーを節約するために生理サイクルを止めてるってことになるんかな? 体が「今は子供を作るエネルギーがない」って言ってるみたいなもんかな?
(ダニエル) その通りや! ちょっと複雑やけど、基本的にはその通りなんや。
まず、脂肪はただのエネルギー貯蔵庫やないんや。脂肪も器官なんや。脂肪はホルモンを作るんや。レプチンっていうホルモンを作って、これが食欲に影響するんや。でも、エストロゲンも作るんや。
だから、女性の体脂肪レベルがめっちゃ低くなると、エストロゲンレベルが下がるんや。そうすると、正常な生理サイクルを維持するのに十分なエストロゲンを作れへんようになるんや。これを無月経って呼ぶんや。生理サイクルが正常に機能しなくなることの医学用語やな。
昔の先生のピーター・エリソンや、ポーランドのジーナ・ヤシェンスカなど、多くの研究者が示してきたんやけど、私たちの体はエネルギーの利用可能性にめっちゃ敏感なんや。
例えば、ダイエット中の女性を考えてみ。十分な体脂肪があっても、ダイエット中、つまりエネルギー収支がマイナスのとき、プロゲステロンのレベルが急激に下がるんや。プロゲステロンは生理サイクルにめっちゃ重要なホルモンで、生理周期の後半で作られて、子宮内膜を維持するんや。
ダイエット中は、生理周期の後半(黄体期)のプロゲステロンレベルが50%も下がるんや。これによって妊娠する能力が下がってしまうんや。
めっちゃ身体活動をしてる女性も同じで、生理周期の後半のプロゲステロンの量が減るんや。
別の見方をすると、進化の観点からは、できるだけたくさんの子孫を残すように進化してきたってことを覚えておいてな。だから、余分なエネルギーが利用可能になると、体はそのエネルギーを繁殖に使おうとするんや。
エストロゲンレベルやプロゲステロンレベルを上げて、生殖能力を高めようとするんや。だからある意味、バランスを取ろうとしてるんや。
もちろん、妊娠しようとしてる女性にとって運動が悪いってわけやないし、運動してない女性の方がエストロゲンやプロゲステロンのレベルが高いんや。これが、身体活動が乳がんのリスクをめっちゃ下げる理由の1つかもしれへんな。
身体活動をしてる女性は、乳がんのリスクが30〜50%も低いんや。これは部分的に、ホルモンレベルがより正常やからかもしれへん。運動してない女性は異常に高いレベルのホルモンを持ってるんや。
でも、重要なのは、体がエネルギーにめっちゃ敏感やってことや。エネルギーレベルが低いとき、つまり脂肪を失ってるとき、体は「これは妊娠に投資するのにええ時期やない」って判断するんや。
妊娠は9ヶ月続くし、めっちゃエネルギーを使うからな。その後も何ヶ月も授乳が続くし、これもエネルギーを使う。だから、体は「今はええ時期やない。状況がもっとよくなるまで待とう」って判断するんや。そうすれば、もっと良い結果が得られる可能性が高くなるんや。
(ホスト) ストレスの観点からも考えてたんやけど、ストレスはコルチゾールを放出するよな。めっちゃストレスを感じてる人は、おそらく同じ理由で妊娠するのが難しくなるんやろか?
(ダニエル) コルチゾールは、その瞬間に必要ないことすべてを抑制するんや。私たちは短期間、急性的にコルチゾールを上げるように進化したんや。例えばライオンが部屋に入ってきたときみたいな状況やな。でも、長期間高いレベルを維持するようには進化してへんのや。
ライオンが部屋に入ってきたとき、それは繁殖する時間やないし、免疫システムにエネルギーを使う時間でもないし、他のいろんなことをする時間でもないんや。とにかく走ることだけや。エネルギーを利用可能にすることだけが大事なんや。
でも、長期間コルチゾールレベルが高い状態、つまり慢性的なストレス状態は、私たちが「ミスマッチ」って呼んでるもんなんや。ミスマッチは、私たちの体が進化してこなかった状況のことや。これらは新しい環境条件で、私たちの体が適切に、あるいは完全には適応できてへんもんなんや。
これらが、今日私たちが直面してる病気や問題の大半を引き起こしてるんや。試験を受けることもミスマッチやし、差別、人種差別、貧困なんかもそうや。長期間コルチゾールレベルを上げるようなことはすべてミスマッチなんや。
実際、今日人々が抱えてる病気の大半が、感染症以外はほとんどすべてがミスマッチなんや。感染症でさえ、多くはミスマッチやと言えるかもしれへん。人間が動物とより多くの時間を過ごすようになったから、動物の世界から人間に飛び移った病気がたくさんあるんや。
例えば結核なんかは、狩猟採集民は罹らへんかった病気や。農業が始まった後に出てきた病気なんや。病気のほとんどがそうやと言えるんや。
心臓病を見てみ。世界中で、現代の西洋的なライフスタイルを送ってへん人々を見ると、心臓病はめったにないか、まったくないんや。アマゾンのチマネ族っていう人々の素晴らしい研究があるんやけど、彼らは園芸と採集をする人々なんや。彼らには冠状動脈性心疾患の証拠がまったくないんや。
1970年代に行われた狩猟採集民の健康に関する最初の研究の1つでは、カラハリ砂漠の80歳の狩猟採集民が、20歳の狩猟採集民と同じ血圧を持ってることがわかったんや。同じ時期のイギリス人、特にロンドン人と比べると、70歳か80歳になるとほぼ全員が高血圧になってるんや。
これは食事や身体活動、おそらくストレスなんかが原因なんや。これらは現代世界で変化したもので、私たちの体がうまく適応できてへんもんなんや。
糖尿病もないし、あったとしても診断されてへんくらいめったにないんや。数世代前でさえ、糖尿病はめったになかったんや。糖尿病は世界で最も急速に増えてる病気なんや。
私がケニアで働いてるエルドレットって町の周辺では、最初に仕事を始めたとき…もう長い時間が経ったけど…町に入るとき、エルドレットの看板があるだけやった。でも今は、町に入る前に糖尿病クリニックをたくさん通り過ぎるんや。前はそんなんなかったんや。
これは、アフリカでも糖尿病が急速に増えてるからなんや。アメリカやイギリスみたいな場所では、糖尿病はめっちゃ一般的になってるからな。アメリカ人の約12%が糖尿病を持ってるんや。
(ホスト) このミスマッチが大半の病気の原因やって言ったよな。ってことは、私も人生でミスマッチ病で死ぬ可能性が高いってことか?
(ダニエル) そうや、その通りや。西洋世界の大多数の人が、ミスマッチ病で死ぬことになるんや。今日、世界中で最も多くの人を殺してる病気は心臓病や。少なくとも約3分の1の人が心臓病で死んでる。
がんが2番目や。がんはもちろん古くからある病気やから、すべてのがんがミスマッチ病ってわけやないけど、多くのがんはミスマッチ病や。乳がんなんかは、西洋の人口の方が非西洋の人口よりもずっと一般的やしな。
でも心臓病は、私たちが知る限り、つい最近まで基本的に存在しなかったんや。それが今や約33%の人を殺してる。
(ホスト) 3分の1か。めっちゃヤバいな。
(ダニエル) そうや、めっちゃヤバいんや。これが悪いニュースや。でも、良いニュースもあるんや。これらがミスマッチ病やってことは、避けられへんもんやないってことなんや。
「心臓病は3分の1の人を殺す」って言って、そのまま諦めるべきやないんや。心臓病に関する驚くべきことは、食事と運動でその大部分、ほぼすべてを予防できるってことなんや。
肥満を引き起こすような食事、代謝症候群を引き起こすような食事、動脈硬化を引き起こすような食事を食べへん環境に住んでる人々、身体活動をしてる人々…ストレスも重要な役割を果たすし、タバコを吸わへん人々は、心臓病の発生率がめっちゃ低いんや。
これは存在せんでもええ病気なんや。
(ホスト) 食事や食べ物についての本を書いてるって言ってたよな。なんで?
(ダニエル) 今日私たちが食べてる食事の物語は、実はめっちゃ興味深い物語なんや。でも、食事にもっと進化的なアプローチを取れば、人々がより良い選択をするのを助けられると思うんや。
重要な点の1つは、今日、このインタビューが終わったら、私は家に帰って妻と娘、義理の母と今夜の夕食を何にするか決めようとするんや。私たちは好きなものを何でも食べられるんや。スーパーマーケットに行けば、何でもあるし、ニューヨークやったら本当に何でもあるんや。
レストランに行っても、中華料理や和食、アメリカ料理、フランス料理、何でも食べられるんや。めっちゃ選択肢があるんや。
でも、人類進化の歴史のほとんどの間、人々は食べるものを選んだことなんてなかったんや。利用可能なものを食べてたんや。
今、この選択肢がたくさんあることで、悪い選択もできるようになってしまったんや。だから、人々がこの選択をする必要があること自体が進化的に新しいってことを理解してもらいたいし、その選択の複雑さをより理解してもらいたいんや。
タダでもらえる昼食なんてないんや。どんな選択をしても、それにはメリットとデメリットがあるんや。人々は食事を単純化しすぎてるんや。「これさえすればええ」「ヴィーガンになればええ」「これだけすればええ」みたいな簡単な考えを持ってしまうんや。でも、完璧な答えなんてないんや。
(ホスト) ある意味で、私たちの文化は生物学よりもめっちゃ早く進んでしまったんやないかな? 今や一日中座ってばっかりやし、画面を見てるだけで食べ物が届くし、食べ物は加工されてるし。これが、あんたが言うミスマッチ病の原因になってるんやないか?
(ダニエル) その通りや。自然選択による進化はめっちゃゆっくり進むんや。毎世代、特定の環境に対してより適応したジーンを持つ人が、次の世代でより成功するんや。そうやって、ゆっくりゆっくり、世代を重ねて変化が起こるんや。これはすべての動物に当てはまるんや。
ミスマッチは人間だけのもんやないんや。環境が変わると、その環境にうまく適応できる動物もおれば、そうでない動物もおる。うまく適応できた動物の方が、そのジーンを子孫に伝えやすくなるんや。だから、ミスマッチは自然選択の一部なんや。環境が変わったり、新しい環境に移動したりすると、どの種もミスマッチに直面するんや。
人間の違いは、文化を持ってるってことや。文化が環境の変化を加速させたんや。考えてみ。今日、私はポケットにコンピューターを入れて持ち歩いてるんや。数十年前にはなかったもんや。インターネットやメール、いろんなもんがあるやろ?
ここ数十年、数百年、数千年の間に、世界はめっちゃ変わったんや。文化の進化はめっちゃ強力で、めっちゃ早いんや。めっちゃ変革的なんや。私たちの世界をめっちゃ急激に、めっちゃ大きく変えてしまったから、生物学的に私たちの体がついていけへんのや。
これがミスマッチなんや。生物学的進化と文化的変化の差が、私たちが直面してるミスマッチの種類を増やしてるんや。
そして、どうするかって? 簡単な例を挙げるとしたら、最近まで誰も読み書きせえへんかったし、屋内で長い時間を過ごすこともなかったんや。だから、近視はめっちゃ珍しかったんや。
アラスカのイヌイットの人々を調べた有名な研究があるんやけど、祖父母と孫を比べたんや。祖父母は全員視力が完璧やったのに、孫の30%くらいがメガネが必要やったんや。世界の様々な場所で、近視の人の割合がめっちゃ増えてて、場所によっては50%にもなってるんや。アメリカやイギリスでは、たぶん30%くらいの人がメガネが必要やと思う。
これはすべて最近の現象なんや。実際、これに関する最初の研究は、女王の近衛兵…今は国王の近衛兵やな…バッキンガム宮殿の前に立ってる、あの大きな帽子をかぶった人たちの研究やったんや。1800年代初めの研究で、将校の方が大きな割合でメガネをかけてる必要があったんや。兵士はほとんど問題なかったんや。
何かが変わったんやな。そして、世界中で研究が始まって、最初は読書が原因やと思われてたんやけど、今ではもっと慎重な研究で、若いときに長時間屋内で過ごすことが近視の原因やってわかってきたんや。
私たちはそんなことするようには進化してへんかったんや。だから近視になりやすくなったんやけど、大したことないんや。なぜかって? 眼科に行ってメガネをもらえばええだけやからや。それで対処できるし、健康や寿命、パートナーを見つける能力にも大きな影響はないんや。みんな普通に生活できるんや。
(ホスト) それを元に戻すことはできるんか?
(ダニエル) 近視の場合、レーシック手術とかいくつかの方法があるけど、めっちゃ高価で、ほとんどの人には手が出えへんのや。でも重要なのは、メガネをかけるってことは、原因やなくて症状を治療してるってことや。
でも、メガネの場合はそれでええんや。ただのメガネやからな。問題は、多くのミスマッチ病で、まだ原因やなくて症状を治療してるってことなんや。
例えば、がんや多くの心臓病なんかや。今の医療システムでは、病気になってから医者に行くんや。そして、血圧を下げる薬や、コレステロールを下げる薬をもらうんや。これらの中には予防的なもんもあるけど、大部分の医療治療は、病気が起こった後の症状を治療するもんなんや。
もちろん、そうするべきや。痛みを和らげたり、苦しみを和らげたり、いろんな病気で人が死ぬのを減らそうとするべきや。でも、そもそもそれらの病気を予防できたらもっとええやろ? もっと効果的な医療システムになるはずや。
私の意見では、これは新しい形の進化を引き起こしてるんや。私はこれを「逆進化」って呼んでるんや。ミスマッチ病の症状を治療することで、その病気が蔓延し続けることを可能にしてるんや。場合によっては悪化してるかもしれへん。なぜなら、今はそれに対処できるからや。
人々が糖尿病になったら、メトホルミンとかいろんな薬を与える。心臓病になったら、いろんな薬を与えて生き延びられるようにする。近視になったら、メガネを与える。これらはすべてするべきことやけど、そもそも心臓病にならないようにする方がもっとええんやないか?
(ホスト) 進化と私たちの進化の歴史について話すたびに、いつも思うんやけど、私たちはまだ進化してるんやろか? あんたが言ったことを聞くと、ある意味では進化してるみたいやけど、それはええ方向やないみたいやな。あんたが言う「逆進化」みたいやな。
(ダニエル) そうやな。選択は少しは起こってるんや。重力みたいなもんで、止めることはできへんのや。でも遅いんや。私たちが食べるもの、どう食べるかについて…ジェームズ・ネスターが言ってたと思うけど、咀嚼の仕方が大人になったときの顔の形に影響するって。赤ちゃんが柔らかい食べ物ばっかり噛んでたら、大人になったときに顎が小さくなるって。
(ダニエル) 実はそれは私の研究なんや。
(ホスト) そうやったんか! たぶんあんたの研究を引用してたんやな。
(ダニエル) そうや。咀嚼の仕方が顎の成長の仕方に影響するんや。だから、今日の私たちの顎は昔より小さくなってるんや。
良いニュースは、そんなに悪くないってことや。歯の噛み合わせが悪くなる可能性は高くなるけど、矯正歯科に行って親知らずを抜いたりすれば対処できるんや。対処できるんや。最悪のことやないんや。
もちろん、彼は口呼吸の原因になったりするって考えてるけど、例えば、これは議論の余地があるけど、証拠の大部分が示唆してるのは、たくさんの砂糖や飽和脂肪を食べると、心臓病になる可能性が高くなるってことや。動脈にプラークができやすくなるんや。
身体活動をせえへんかったら、血管が硬くなり始めて、高血圧になり始めるんや。これらはすべて、私たちがもっとうまくコントロールして病気を予防できる可能性のある環境の側面なんや。
(ホスト) 社会として、問題に薬を投げつけるっていう悪い習慣に陥ってしまったんやないか?
(ダニエル) そうや、それが逆進化について私が言ってる基本的な議論なんや。問題の原因やなくて症状を治療する方が手っ取り早いんや。
(ホスト) それの何が問題なんや?
(ダニエル) いくつか理由があるんや。まず、最高の病気は最初からかからへん病気やろ? 心臓病になってから生き延びさせることはできるし、関節炎になってから生き延びさせることもできる。いろんな病気になってから生き延びさせることはできるんやけど、生活の質は下がるんや。
そして、もちろんそのためにお金を払うんや。めっちゃたくさんのお金を払うんや。誰かが医者のオフィスに行く理由の70〜80%が予防可能な病気のためやって言われてるんや。これは驚くべき額のお金を、基本的にミスマッチ病のために医療システムで使ってるってことなんや。
これは私たちを破産させてるし、苦しみも引き起こしてる。そして、低所得の人々や差別を受けてる人々に不均衡に影響を与えてるんや。アメリカを見てみ。誰が運動する機会を得て、新鮮な野菜や高品質の食べ物、加工されてない食べ物を食べる機会を得てるんや? 裕福な人々やろ? だからこれは不公平で不当なんや。
(ホスト) がんについて言及してたけど、どういう意味でミスマッチ病なんや? どうやってそれがわかるんや?
(ダニエル) がんは完全にミスマッチ病ってわけやないんや。多細胞の生物はみんながんになるんや。がんは基本的に進化が間違った方向に行った病気なんや。自然選択が間違った方向に行ったんや。
体に多くの異なる種類の細胞があるとき、ある細胞が基本的に利己的になって、突然変異のために他の細胞を出し抜き始めるんや。これががんなんや。だから、がんは多細胞生物の結果なんや。恐竜にもがんがあったってことがわかってるんや。恐竜の骨にがんの証拠があるんや。
だから、がんを完全になくすことはできへんのやけど、がんはエネルギーと非常に関係のある病気やってことも知ってるんや。人々がエネルギーの多い環境に移動すると、がんにかかる可能性がずっと高くなるんや。
より多くの食べ物を食べることや、身体活動をせえへんことは、がんの主要なリスク要因なんや。例えばインスリン、高レベルのインスリンは、細胞分裂を促進するもんや。細胞分裂を促進するものは、がんの発生率を高めるんや。
また、体の外の世界と接触する細胞、例えば肺や腸、大腸なんかの細胞が、よくがんになるんや。皮膚もそうやな。これらの細胞は外の世界からの物質と接触するから、よくがんになるんや。だから、環境に発がん性のある有毒な化合物があると、がんのレベルを上げる可能性があるんや。
喫煙や車の排気ガスなんかががんを引き起こす可能性があるんや。でも、たくさんのエネルギーを持つこともそうなんや。さっき話したように、女性が身体活動をせえへんと、ホルモンレベルがめっちゃ上がるんや。体が「おっ、エネルギーがたくさんあるやん。繁殖に使おう」って言うんや。
でも、そこにはトレードオフがあるんや。エストロゲンやプロゲステロンのレベルが高くなると、乳がんの発生率が高くなるんや。なぜなら、これらのホルモンが乳房組織の細胞の回転をより多く引き起こすからや。
有名な研究があって、バングラデシュに住むバングラデシュ人女性、イングランドに移住したバングラデシュ人女性、イングランドで生まれ育ったバングラデシュ系の女性を比較したんや。どう見ても、イングランドに移住したバングラデシュ人女性のがん発生率がぐっと上がるんや。主な違いはエネルギーなんや。食事や身体活動のレベル、食べる量が変わるんや。そしたら、がん発生率がぐっと上がるんや。
実際、国のGDPとがん発生率をグラフにすると、ほぼ真っ直ぐな線になるんや。国が豊かになればなるほど、がん発生率が高くなるんや。
(ホスト) 狩猟採集民の女性はどうなん? 卵巣がんとかは少ないんか?
(ダニエル) それを測るのはめっちゃ難しいんや。がんを診断するには高度な技術が必要やし、私の知る限り、狩猟採集民のがん発生率を慎重に調査した人はおらへんのや。
でも、多くの研究者は、狩猟採集民のがん発生率はずっとずっと低いと確信してるんや。ただ、人口規模が小さいから、大きなサンプルが取れへんのもあるんやけどな。
月経周期の回数も大きな要因なんや。今日の典型的な女性が、生殖年齢の全期間を通じて経験する月経周期の数は、避妊や小さな家族のせいで、500回くらいになるんやないかな。
(ホスト) あんたの本では350〜400回って書いてあったで。
(ダニエル) ああ、そうやったんか。ありがとう。まあ、数百回ってことやな。典型的な狩猟採集民の女性は、一生で50回くらいしか経験せえへんのや。
(ホスト) 50回!? めっちゃ少ないな。
(ダニエル) そうや。毎回の月経周期で、体はこれらのホルモンの高レベルにさらされるんや。避妊や現代の家族計画は、もちろん反対するもんやないけど、おそらく乳がんの発生率を上げてる要因の1つやと思うんや。
(ホスト) それ知らんかったわ。周期が多いとがんのリスクが上がるなんて。
(ダニエル) そうなんや。各周期にはホルモンの急上昇が含まれるからや。まず、エストロゲンが急上昇して、それからプロゲステロンとエストロゲンが急上昇するんや。これが月経周期を通じて起こるんや。
狩猟採集民の女性は、人生のほとんどの時間を妊娠してるか授乳してるかのどっちかやったんや。典型的な「自然な出産力」を持つ集団、つまり避妊を使わへん集団では、女性はほとんどの時間、妊娠してるか授乳してるんや。そして、どっちもしてへん短い期間があって、また妊娠するんや。
もちろん、妊娠中は月経周期がないし、授乳中も基本的に月経周期はないんや。これはエネルギーレベルによるんや。授乳にはめっちゃエネルギーがかかるから、そのエネルギー需要の高さが卵巣機能を抑制するんや。だから、授乳中の女性はよく無月経になるんや。周期がなくなるんや。
(ホスト) これは卵巣がんだけやなくて、乳がんにも当てはまるんか?
(ダニエル) そうや。エストロゲンやプロゲステロンに敏感な細胞はすべてそうなんや。よく乳がんを測定するとき、細胞がエストロゲンやプロゲステロンに敏感かどうかを調べるんや。
(ホスト) 体がエネルギーを蓄える方法について話したいんやけど、これは体重減少や食事、今まで話してきたことの多くに関係してると思うんや。私はこのことについてあんまり詳しくないんやけど、教えてもらえるかな。ケトジェニックダイエットを8週間やったら、めっちゃ体重が落ちたんやけど、すぐに戻ってしまったんや。
(ダニエル) もちろんや。ほとんど水分を失っただけやからな。
(ホスト) マジで?
(ダニエル) そうや。多くのダイエットの問題の1つがそれなんや。
脂肪はめっちゃ素晴らしい分子なんや。私たちは悪者扱いしがちやけど、脂肪は命なんや。脂肪はめっちゃ重要な分子なんや。
脂肪分子には、グリセロールかグリセリンって呼ばれる骨格があるんや。これは3つの炭素からなる分子で、炭素-炭素-炭素があって、そこに小さな水素がくっついてる。そして、それぞれの炭素には鎖がくっついてる。これを脂肪酸って呼ぶんや。
だから、トリグリセリドって呼ばれるんや。各グリセリンに3つの脂肪酸がくっついてるからな。飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸など、いろんな種類の脂肪酸があるんやけど、それはまた別の話や。
重要なのは、これらの脂肪酸がそれぞれめっちゃたくさんのエネルギーを蓄えてるってことや。これらの長い炭素の鎖を、体が小さな単位に分解するんや。そして、その炭素間の結合からエネルギーを得るんや。これが基本的にミトコンドリアがやってることなんや。
だから、脂肪酸、つまり脂肪全般は、めっちゃたくさんのエネルギーを蓄えるんや。質量あたりのエネルギーは炭水化物の2倍もあるんや。
だから、私たちは脂肪を含む食べ物を食べたり、炭水化物を食べたりするんやけど、肝臓がそれをすぐに脂肪に変えるんや。これはめっちゃ簡単なことなんや。だから、無脂肪ダイエットをしても太るのを防げへんのや。多くの場合、インスリンの助けを借りるけど、それだけやないんや。
そして、もしそれを燃やしてへんかったら、体は蓄えようとするんや。体はそれを燃やすか蓄えるかのどっちかができるんや。もし燃やしてへんかったら…例えば走ったり、身振り手振りしたり、話したりしてへんかったら…蓄えることになるんや。
そして、脂肪細胞って特別な細胞に蓄えるんや。これが脂肪を蓄える細胞なんや。体には何十億もの脂肪細胞があるんや。生まれたときに何十億ものこの細胞を持ってるんやけど、それだけなんや。若いときに得る脂肪細胞の数が、一生の数なんや。
だから、これらの脂肪細胞に…例えばインスリンが、トリグリセリドを分解して脂肪細胞に運ぶのを助けるんや。そして、脂肪細胞の中でグリセリンと脂肪酸を再び組み立てるんや。脂肪細胞が風船みたいに膨らむんや。
体の中の小さな脂肪細胞はそれぞれ、脂肪でいっぱいの小さな風船みたいなもんなんや。そして、それは必要なときに使うためにそこにあるんや。
そして、必要なときにその脂肪を取り出すのを助けるホルモンもあるんや。マラソンを走ってるときとか、ただ座って話してるけど昼ご飯を食べてへん時とかにな。
だから、私たちは脂肪を蓄えて、それを燃やして、また蓄えて、また燃やしてを繰り返すんや。これが正常なんや。さっき話したように、人間は異常に高いレベルの脂肪を持つように進化したんや。
典型的な狩猟採集民の男性は体重の10〜15%が脂肪で、典型的な狩猟採集民の女性は15〜25%が脂肪なんや。これが普通の、いわゆる痩せてる人間の体なんや。これはほとんどの哺乳類よりずっと多いんや。
女性の方が多いんやな。女性の方が体脂肪の割合が高いんやけど、実は女性の方が体が小さい傾向があるから、男性と女性が蓄える脂肪の総量はほぼ同じなんや。
もちろん、女性の場合は、妊娠中や授乳中に直接エネルギーを使わなあかんから、その脂肪が特に重要なんや。
この脂肪は銀行口座みたいなもんなんや。蓄えたエネルギーで、使うためにそこにあるんや。そして、いろんな場所に蓄えるんや。
ほとんどの脂肪は「皮下脂肪」って呼ばれるもので、皮膚の下にあるんや。でも、「異所性脂肪」って呼ばれる、本来あるべきやない場所にある脂肪もあるんや。
その異所性脂肪の多くは肝臓にあるんや。普通の肝臓にはちょっとだけ脂肪があるんやけど、肝臓に脂肪が多すぎると機能不全になり始めるんや。これを「非アルコール性脂肪肝症候群」って呼ぶんや。
腎臓の周りにも脂肪があるし、心臓の周りにも、お腹の中にもあるんや。お腹の中の脂肪を「内臓脂肪」って呼ぶんや。「内臓」は腸のことやからな。
この内臓脂肪がめっちゃ問題なんや。これらの脂肪細胞が大きくなりすぎると…普通のレベルを超えてたくさんの脂肪を蓄えると、脂肪細胞がどんどん大きくなっていくんや。
どんな風船でも、水を入れすぎたら破裂するやろ? ホースに水を入れすぎても破裂し始めるやろ? 同じように、脂肪細胞も破裂し始めるんや。
破裂し始めると、免疫システムを引き寄せるんや。白血球がやってくるんや。何か問題があると思うんや。ここに損傷があると。そして、全身の免疫反応を引き起こす分子を作り始めるんや。
脂肪細胞自体も免疫反応を引き起こすんや。脂肪細胞は白血球が作るのと同じ種類の分子を作れるんや。白血球が作る分子を「サイトカイン」って呼ぶんや。「サイト」は細胞のことで、「カイン」は何かをする酵素のことや。
脂肪細胞が作るものを「アディポカイン」って呼ぶんや。例えば、TGFアルファっていうのを作るんや。これは炎症システムのダイヤルを上げるようなもんなんや。体中に広がって、炎症を起こし始めるんや。
例えば、血管で炎症が起こると、その炎症が動脈にプラークを形成する原因になるかもしれへん。脳で炎症が起こると、アルツハイマー病の原因になるかもしれへんプラークを形成するかもしれへん。
筋肉の受容体細胞に影響を与えると、インスリン抵抗性を引き起こす可能性があって、それが糖尿病の原因になるかもしれへん。そしてリストはまだまだ続くんや。
つまり、詰め込みすぎた脂肪細胞が原因で起こる慢性的な炎症が、脂肪が多すぎると健康問題を引き起こす理由なんや。
(ホスト) ケトジェニックダイエットと断食はどうなん? この間誰かが言うてたけど、ケトジェニックダイエットは一種の断食みたいなもんやって。体にどんな効果があるんやろか? 今、断食もケトジェニックダイエットもめっちゃ人気やけど。
(ダニエル) 断食はネガティブなエネルギーバランスに入ることやな。これが私たちの進化の歴史の大半を占めてたんや。実際、毎日の一部でもそうなってるんや。
食べた後はポジティブなエネルギーバランスになって、食事と食事の間はエネルギーバランスが下がるんや。今度は蓄えたエネルギーを燃やし始めるんや。寝てる間もネガティブなエネルギーバランスになるんや。
断食は単に、長期間ネガティブなエネルギーバランスの状態を続けることなんや。
(ホスト) ってことは、がんになる可能性を減らせるんかな? 余分なエネルギーががんを引き起こすんやったら、ネガティブなエネルギーバランスになれば、これらのミスマッチ病にかかる可能性が減るんやないか?
(ダニエル) そうかもしれへんな。人々はそう期待してるんや。でも、間欠的断食に関するデータがどれだけ良いのかはわからへんのや。
結局、いつかはまたポジティブなエネルギーバランスに戻らなあかんからな。ずっとネガティブなエネルギーバランスを続けることはできへんのや。だから、間欠的断食は必ずしも体重を減らす方法やないんや。結局、そのカロリーを補充するんやったらな。
ここで1つの仮説を立ててみるわ。証明はできへんけどな。運動するとき、ネガティブなエネルギーバランスになるやろ? エネルギーを燃やしてるけど、運動中は食べてへんからな。少なくとも、ほとんどの人はそうやろ。
そして、体はそのネガティブなエネルギーバランスに対処するためのメカニズムをいろいろ動かし始めるんや。修復やメンテナンスのメカニズムをいろいろ動かすんや。
間欠的断食をすると、基本的に同じことをしてるんやけど、もっとゆっくりとしたペースでな。もっと徐々にやってるんや。
運動によってオンになる遺伝子と、間欠的断食によってオンになる遺伝子を見ると、多くが同じなんや。これは、どっちもネガティブなエネルギーバランスに反応する遺伝子をオンにしてるからやと思うんや。
でも、私が言いたいのは、単に間欠的断食をするよりも、運動する方がもっと効果が大きいんやないかってことや。
(ホスト) 両方やったらどうなん?
(ダニエル) ちょっと多すぎるかもな。間欠的断食は、運動せずに運動の効果の一部を得る簡単な方法かもしれへんな。
もちろん、間欠的断食に問題があるわけやないけど、人々が主張するような大きな利点があるかどうかはわからへんのや。もっとデータが見たいな。
ケトジェニックダイエットは少し違うんや。ケトジェニックダイエットは、基本的に炭水化物を完全に避けるんや。炭水化物の基本的な構成要素は、ほとんどの場合グルコースなんや。グルコースは砂糖の一種で、デンプンにも含まれてるんや。
他の糖もあるんやけど、フルクトースとかな。これは甘い方の糖なんや。でも基本的に、グルコースの摂取を止めると、体は脂肪だけを摂取することになるんや。
そうすると、脳や体の他の細胞にエネルギーを供給するのにグルコースを使う代わりに、ケトン体って呼ばれるものを使うようになるんや。これは基本的に、さっき話した脂肪を小さな単位に分解したものなんや。
これらはエネルギー源として使えるんやけど、体の主要なエネルギー源というよりは、バックアップのエネルギー源みたいなもんなんや。グルコースが利用できへんときに使うんや。
つまり、これは単に別の燃料を使ってるだけで、この時点ではネガティブなエネルギーバランスにはなってへんのや。
(ホスト) ってことは、同じような修復や回復のメカニズムが働くわけやないんやな?
(ダニエル) そうやと思うわ。でも、はっきりとはわからへんのや。私は神経学者やないし、高ケトンダイエットがなぜてんかんにそんなに効果があるのか、誰もはっきりとはわかってへんと思うんや。効果があるってことはわかってるんやけどな。それは私の専門外やからな。
でも、基本的にインスリンレベルを低く保ち、グルコースの代わりにケトン体に頼れば、いろんな素晴らしいことができるって考えがあるんや。
体重減少に関しては、データを見ると、確かに短期的には急速な体重減少につながる傾向があるんや。でも、長期的な体重減少戦略としては、あまり効果的やないってデータが示してるんや。
あんたの体験談は、典型的なもんやと思うわ。
(ホスト) 私たちは自分たちを甘やかしすぎてるんやないか? 子供たちも甘やかしすぎてるし、自分たちも甘やかしすぎてて、それがこれらのミスマッチ病の原因になってるんやないか?
(ダニエル) 私は精神科医でも心理学者でもないから…
(ホスト) 身体的な甘やかし方のことや。子供たちに何か危ないことをさせへんようにしたり、リスク回避したりすることとか。
(ダニエル) そうやな、そう思うわ。快適さ産業は絶対そうや。
私たちには、快適さが何かええもんやっていう考えがあるんや。それどこから来たんやろな? 快適さは気持ちええけど、快適な靴の方が体にええんかな? 歩き回ったり立ったりするよりも、椅子に座ってる方がええんかな? 階段を使う方がええんか、それともエレベーターを使う方がええんか?
快適さが必ずしも私たちにとってええわけやないんや。でも今は、めっちゃ快適な生活ができる世界に住みたがるんや。これは確実に私たちにとってええことやないんや。
子供たちは走り回る必要があるんや。すべての子供が毎日1時間くらいは身体活動をする必要があるんや。健康な骨格系を作るためにも、身体活動から得られる他のすべての利点のためにもな。
だから、子供たちが走り回って身体活動をするのを妨げるのは、間違いなく問題やな。
(ホスト) 子供たちが身体的に弱くなってるっていう証拠はあるんか?
(ダニエル) もちろんあるよ。アメリカには大統領体力テストってのがあってな、たしかケネディ大統領が始めたんやないかな。とにかく、何十年も前から始まったんや。
だから、何十年分ものデータがあるんや。今日の子供たちは明らかに体力が落ちてるんや。どの軍の採用担当者に聞いても、体力のある新兵が少なくなってるって言うやろ。
(ホスト) 骨や骨格構造の強さについてはどうなん?
(ダニエル) そうやな、骨粗しょう症の発生率は上がってるんや。その理由の1つは、成長期に骨格に負荷をかけると、骨量が増えるんや。骨が成長するんや。
運動せえへんかったら、特に体重を支える形の運動をせえへんかったら、それだけ骨格が成長せえへんのや。そして、25歳から30歳くらいになると、もう骨を追加することはできへんのや。
あんた何歳やった?
(ホスト) 31歳や。
(ダニエル) そうか。じゃあ、もうこれ以上骨を増やすことはできへんのや。これからは、残りの人生、骨を失っていくだけや。
でも幸いなことに、あんたは見た目、割と体力のある人みたいやし、めっちゃ身体活動してきたみたいやな。だから、たぶん十分な骨を作ってきたはずや。
25歳から30歳くらいのときに高いレベルの骨量を持ってると、骨を失っていっても、骨粗しょう症になる閾値を下回るリスクが低くなるんや。
でも、若いときに身体活動をせえへんかったら、最初から持ってる骨が少ないんや。それでも骨は失っていくから、その閾値を下回る可能性がずっと高くなるんや。骨粗しょう症になる可能性がずっと高くなるんや。
骨粗しょう症の発生率も上がってるんや。これも、世界中で急激に増えてるミスマッチ病の1つなんや。
運動は骨の損失を防ぐのにも役立つんや。骨を吸収する細胞の活動を抑制するからな。だから、二重のダメージになるんや。若いときに十分な運動をせえへんかったら、最大骨量が少なくなる。年を取ってからも十分な運動をせえへんかったら、骨がより速いペースで失われていくんや。
(ホスト) あんたの本で読んだんやけど、テニスをする10代の選手は、大人になるとよく使う腕の方が40%も太くて強くなるって書いてあったな。
(ダニエル) そうや。テニスをするとき、ボールを打つ方の腕はボールを投げ上げるだけの腕よりも、ずっと負荷がかかるんや。だから非対称になるんや。
テニス選手の上腕骨、つまり上腕の骨は、ラケットを振る方の腕が、ボールを投げ上げるだけの腕よりも40%も太くなることがあるんや。
(ホスト) 骨だけがそうなるんか?
(ダニエル) そうや。これは体の中での自然な実験みたいなもんで、負荷をかけることの重要性を示してるんや。負荷をかけると、骨格が反応するんや。
私たちの骨格は、体の他の組織と同じように、需要に応じて変化するんや。需要と容量を一致させるんや。組織に何も要求せえへんかったら、容量は成長せえへんのや。そうせんと、エネルギーの無駄になるからな。
(ホスト) 筋肉についてはそう知ってたけど、骨の発達に自分で影響を与えられるなんて知らんかったわ。
(ダニエル) そうなんや。骨に負荷をかけるのは、さっき話した、加工されてへん固い食べ物を食べると顎が大きくなるってことと同じなんや。私たちの顎は、食べ物を全部加工し始めてから約6%小さくなったんや。顎にかける負荷が減ったからな。これも同じ例やな。
(ホスト) これには何か影響があるんか?
(ダニエル) 1つの影響は、不正咬合の増加やな。顎に歯が収まるスペースが十分にないんや。だから今は矯正歯科に行って、親知らずを抜かなあかんのや。スペースが足りへんからな。
(ホスト) じゃあ、子供の頃から固い食べ物を噛ませたら、親知らずは大丈夫になるんかな?
(ダニエル) そうかもしれへんな。やってみたい実験があるんやけど、もちろん倫理的にはアウトやけどな。2つのグループの子供たちをランダムに分けて、1つのグループには子供時代ずっと、めっちゃ固いガムを噛ませるんや。
だって、加工されてへん狩猟採集民の食べ物を食べさせるわけにはいかへんからな。でも、ずっとガムを噛ませるんや。
そして、もう1つのグループ…例えば双子のグループには、そんなにガムを噛まへんようにさせる。そして、誰の顎がどれくらい成長するか見てみるんや。それがどれくらい効果があるか見てみたいんやけどな。
(ホスト) 思春期については? 女性が思春期を迎える年齢がめっちゃ変わったって聞いたんやけど。なんでそうなったんやろ?
(ダニエル) これもエネルギーの話なんや。いつもエネルギーの話になるんやけどな。生命は要するに、エネルギーを取り入れて、それを繁殖に使うことやからな。
成長するときにどれだけエネルギーがあるかで、成長の速度や、成長から繁殖に切り替えるタイミングが変わってくるんや。
例えば、フランスのデータがあるんや。なぜかフランスには何百年分もの良いデータがあるんやけど、たぶんナポレオン軍のおかげかもしれへん。とにかく、200年前のフランスの女の子たちは、大体16歳くらいで初潮を迎えてたんや。今は12歳か12歳半くらいやな。
これはエネルギーが増えたからなんや。ケニアで現地調査してる地域でも同じことが起こってるんや。カレンジン語を話す同じ人々を見てるんやけど、田舎の地域では、一日中働いて、機械も電気もなくて、食べ物もそんなに多くない。そこの女の子たちは、都市部の女の子たちより約2年遅れて初潮を迎えるんや。
都市部では、もっと食べ物があって、エネルギーが多くて、コカ・コーラとかもあるしな。これを「世俗的傾向」って呼ぶんや。女の子たちがより早く成熟して、より早く繁殖できるようになってるんや。
結局のところ、自然選択が私たちに何をさせたいかっていうと、エネルギーを取り入れて、それを繁殖に使うことなんや。それに適応してるんや。だから、もっとエネルギーがあれば、より早く繁殖を始めるように進化してきたんや。
(ホスト) こういう話をするたびに、自分が仕事で1日3時間くらい椅子に座ってることに気づくんや。今日なんて7時間くらい座ってたわ。これを10年続けたら、ヤバいことになるんやないかって思うんや。このポッドキャストをやめた方がええんかな? 今までええ仕事してきたけど…これだけ長く座ってることが、長期的に見て悪影響を及ぼすっていう証拠はあるんか?
(ダニエル) まあ、データを見ると、座ってる時間が長い人は問題がある可能性があるんや。でも、2つの問題があるんや。
1つは、疫学的なデータを見ると、本当に重要なのは、仕事での座り時間と、仕事以外の余暇での座り時間なんや。仕事でたくさん座って、仕事以外の時間もたくさん座る人が、病気のリスクがずっと高くなるんや。仕事でたくさん座ってるだけの人よりもな。
だから、たぶんあんたは大丈夫やと思うわ。あんたが明らかにめっちゃ身体活動してて、運動してるのがわかるからな。それが大きな保護要因になるんや。
もう1つの問題は、前回のインタビューでも話したと思うけど、座ってる時間の長さなんや。一度に何分くらい座ってるかも重要なんや。20分ごとに立ち上がった方がええんや。
あんたは数日後にデイブ・レインドをインタビューするんやろ? デイブ・レインドが、私の大好きな論文の1つを発表したんや。ハザ族が西洋人と同じくらい座ってることを示したんや。1日約10時間座ってるんやけど, でもよく立ち上がるんや。
ハザ族のキャンプにおったら、赤ちゃんが走り回ってるから立ち上がって赤ちゃんを抱っこしたり、火の世話をしたりで、ずっと立ったり座ったりしてるんや。あんたや私みたいに、何時間もじっと座ってることはないんや。
立ち上がると、体の代謝をオンにするんや。筋肉をオンにするんや。車のエンジンをかけるみたいなもんや。いろんな代謝プロセスを起こすんや。これがめっちゃ大きな利点になるみたいなんや。
だから、座るんやったら、よく立ち上がることが大事なんや。トイレに行ったり、お茶を入れたりして、座ってる時間を頻繁に中断するんや。
もちろん、仕事で座るんやったら、車で通勤するのはあんまりええことやないし、家に帰ってソファーに座ってテレビを見るのもあんまりええことやないんや。仕事以外の時間はあんまり座らんようにした方がええな。
(ホスト) これが、ランダムな痛みや関節痛がたくさん出てくる理由なんかな? あんたが言うてた、腰痛が世界で一番多い医療の訴えやって。これは、椅子や生活の設計の仕方が原因なんかな?
(ダニエル) その一部はそうやけど、背中の強さも関係してるんや。ここに座ってる快適な椅子に背中をもたせかけてると、背中の筋肉を全然使わへんのや。だから、持久力のない弱い背中になってしまうんや。すぐに疲れてしまうんや。
実際、誰かが腰痛になるかどうかを一番よく予測できるのは、背中がどれだけ強いかなんや。ただ急性的な強さやなくて、例えば一回だけ重いものを持ち上げる力やなくて、背中の筋肉にどれだけ持久力があるかなんや。
考えてみて。私もよくあるんやけど、たまに腰痛になるやろ? 鉛筆を拾おうと屈んだだけで「あ痛っ」ってなることあるやろ? そんなとき、鉛筆を拾ったせいやって思うかもしれへんけど、それは「ラクダの背中を折った最後の藁」みたいなもんなんや。
本当は、その瞬間に何か変なことをして痙攣を引き起こしただけなんや。でも、背中が弱いときに起こりやすいんや。だから、背中の筋肉を強くするのが、腰痛を予防する本当の方法なんや。
(ホスト) 今まで話してきたミスマッチ病のことを全部聞いて、めっちゃ情報が多いと思うんや。いろんなミスマッチ病があって、あんたが言うには、何かで死ぬとしたら、基本的にこのミスマッチ病のどれかになるんやろ?
結論はあるんかな? 今日から何か変えたり、できることはあるんかな? もっと広い哲学みたいなもんでもええんやけど、これらのミスマッチ病にかかる可能性を減らすために、何かアドバイスある?
(ダニエル) うん、2つあると思うわ。
まず1つ目は、特定のミスマッチが起こる理由を理解することで、体の使い方や、何を食べるか、どう身体活動するか、どう座るかについて、より良い決定ができるようになるってことや。
今まで話してきたことすべてが、具体的な行動につながるんや。もっと頻繁に立ち上がろう、砂糖と脂肪の多い食べ物をあんまり食べんようにしよう、心理社会的ストレスを避けようとか。これは魔法の杖を振るだけではできへんけど、難しいことやけどな。
私たちは自分の生活が普通やと思ってるんや。みんな自分の生活が普通やと思うもんや。食べてるものが普通で、やってる身体活動が普通で、着てる服や靴が普通やと思うんや。車とかもな。
でも、進化的な観点から見ると、それらは普通やないんや。それが必ずしも悪いってわけやないし、必ずしもええってわけでもないんやけど、立ち止まって考える機会を与えてくれるんや。
これで生きていかなあかんのか? それとも、車やタクシー、靴の使い方を変えられへんのか? 靴をなくす必要はないけど、もっとミニマルな靴の方が、特に子供たちにはええかもしれへん。加工された食べ物、繊維が全部取り除かれて、脂肪と砂糖とかいろんなもんが加えられた食べ物を食べんほうがええかもしれへん。
もちろん、パレオ・ファンタジーに陥って、狩猟採集民が病気にならへんとか、狩猟採集民みたいに食べたら絶対に健康になるとか思うんはアカンで。そういうもんやないんや。
でも、進化の歴史から学べる情報があって、それを使ってより良い決断ができるんや。これが1つ目のポイントや。
2つ目は、現代世界で作り出してしまった悪循環に気づく必要があるってことや。ミスマッチ病の症状を治療することで、実はその病気を進行させて、状況を悪化させてるんや。
世界中で心臓病が増えてる理由があるんや。世界中で糖尿病が増えてる理由があるんや。世界中で近視が増えてる理由があるんや。
それは、私たちの体が適切に、あるいは十分に適応できてへん新しい環境を作り出してるからなんや。そして、その原因を予防するんやなくて、できる場合は単に症状を治療してるだけなんや。
だから、根本的な問題を止めてへんのや。これを現代的な文化進化の観点から考えると…これは自然選択の一形態やないけど、私たちの体に影響を与える文化進化の一種なんや…この悪循環を作り出してしまったってことを考えると、その悪循環を止めるのに役立つかもしれへんのや。
(ホスト) ダニエル、ありがとう。あんたの本はすべてめっちゃ面白いわ。くそ迷惑なくらいや。ずっと話し続けられそうや。本当に素晴らしい本ばっかりや。
前回の会話の後、もう1000万回くらいダウンロードされてると思うけど、数週間前みたいに感じるわ。友達からたくさん電話がかかってきたんや。特に面白かったのは、ディーナ・マッコールっていう人からの電話や。彼女はイギリスで25年くらいテレビの顔として活躍してきた人なんやけど、朝7時に電話かかってきてな。
「スティーブン、ダニエル・リーバーマンとのポッドキャスト聞いたわ」って言うて、走りながら「どいて!」って人々をかき分けて走ってたんや。
(ダニエル) めっちゃ光栄やわ。ありがとう。
(ホスト) そんな電話をたくさんもらって、そんな会話をたくさんしたんや。その会話のおかげで。この本「人体の物語」は必読やわ。学校や教育機関でも使われてるって聞いたし、新しい科学が出てきたら本を更新し続けてほしいな。めっちゃ重要な本やからな。
時間を割いてくれてありがとう。めっちゃめっちゃ光栄や。軽く言うてるんやないで。
このポッドキャストには締めくくりの伝統があって、前のゲストが次のゲストに質問を残すんや。この伝統知ってる?
(ダニエル) ああ、知ってるよ。
(ホスト) 前のゲストがあんたに残した質問はこれや。「今日、何のために死んでもええと思う?」
(ダニエル) めっちゃ難しい質問やな。時々みんな考えることやと思うけど…
本当に愛してる人たち、大切に思ってる人たちのためやな。娘や妻のためやったら。
人類にめっちゃ大きな利益をもたらすんやったら、死ぬリスクを冒してもええと思うわ。簡単な決断やないし、そんな状況に置かれたことはないから、すべて理論的な話やけどな。
実際にその状況に置かれるまで、本当の答えはわからへんと思うわ。
(ホスト) アイデアのために死ぬってのはどうや?
(ダニエル) 今のところはそうは思わへんけど、わからへんな。アイデアは強力で重要なもんやからな。
(ホスト) ちょっと種明かしすると、前のゲストとこの話をしてたんや。彼が私に「何のために死ぬか」「アイデアのために死ぬか」って聞いてきてな。
私は兄弟姉妹やパートナーのために死ぬって言うたんやけど、なぜか親のためには死なへんって言うてもうた。たぶん、これから子供を作って、子孫を残す方が理にかなってるって思ったからやと思うわ。
彼はアイデアのために死ぬかって聞いてきて、彼が帰った後にもっと考えてみたんや。平等のアイデアとか、たくさんの人々を苦しみから救うような大きなアイデアやったら、アイデアのために死んでもええかもしれへんって思ったんや。
彼は「国のために死ぬか」って聞いてきたけど、これは興味深い質問やな。
(ダニエル) そうやな、死ななかった場合の結果次第やな。抽象的に考えることはできるけど、実際にその状況に直面したときとは全然違うんや。今言うたことが、実際の状況でも同じようにできるかどうかはわからへんのや。
だから、彼が「国のために死ぬか」って聞いてきたとき、答えられへんって感じたんや。今まさに国のために死んでる人たちに対して失礼になるからな。
(ホスト) でも、人々はそうしてるんやな。
(ダニエル) そうや、人々はそうしてる。私がこのポッドキャストの椅子に座って、この暑いスタジオで「もちろん、死ぬよ」って言うのは…でも実際にはそんなことしてへんからな。もし彼らがそうしてへんかったら、今日私たちはここにおらへんかもしれへんのや。
(ホスト) その通りや。ダニエル、ありがとう。
(ダニエル) こちらこそ、ありがとう。
(ナレーション) 次に聴くポッドキャストをお探しですか? この回を気に入った人は、最近の別のエピソードもめっちゃ好きになる傾向があることがわかりました。そのエピソードへのリンクを説明文に貼っておきましたので、ぜひ楽しんでください。

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